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Google Cloud マスターへの道!最初に学ぶべき Google Cloud アーキテクチャ フレームワーク

2025/01/10に公開

はじめに

こんにちは。クラウドエース株式会社 第一開発部の前山です。
アプリケーション開発を中心に、Google Cloud 公式認定トレーナーとしても活動しています。

今回は、個人的にイチオシかつ Google Cloud を最大限活用するための必読資料、Google Cloud アーキテクチャ フレームワークをご紹介します。

https://cloud.google.com/architecture/framework?hl=ja

対象読者

本記事は以下のような方におすすめです。

  • Google Cloud を初めて利用する方
  • クラウドでのアーキテクチャ設計に関心がある方
  • 安全でスケーラブルなシステム構築を目指している方
  • Google Cloud アーキテクチャフレームワークについて理解を深めたい方

Google Cloud アーキテクチャ フレームワークとは

Google Cloud アーキテクチャフレームワークは、Google Cloud を活用するためのベストプラクティスや原則を体系的にまとめた公式のドキュメントです。

このフレームワークは、以下の主要な柱(指針や考え方を示すもの、という理解で大丈夫です)に基づいて構築されています

  • 効果的な運用: 運用の効率化と負担軽減

  • セキュリティ、プライバシー、コンプライアンス: データ保護と法令遵守

  • 信頼性: 障害に強く、高可用性を実現

  • 費用の最適化: コスト効率を最大化

  • パフォーマンスの最適化: 高パフォーマンスを発揮

さらに、このフレームワークでは別の視点として、AI(人工知能)やML(機械学習)の統合や活用に関する内容も取り上げています。

これらの柱や視点を最新技術と組み合わせることで、Google Cloud の潜在能力を最大限に引き出し、堅牢で効率的なシステムを構築することが可能です。

特に、これらの柱は Google Cloud を効果的に活用するための重要な要素です。それぞれがシステム設計や運用にどのように役立つのか、以下でご紹介します。

効果的な運用

効果的な運用では、Google Cloud でワークロードを効率的に運用するための推奨事項を提供しています。この柱では、以下のようなポイントが挙げられます。

  • CloudOpsを使用した、運用の準備とパフォーマンスの確保
  • インシデントや問題管理
  • クラウドリソースの最適化
  • 変更の自動化と管理
  • 継続的な改善とイノベーション

これらの実践は、運用負担を軽減し、システムの信頼性と効率性を高めるのに役立ちます。

セキュリティ、プライバシー、コンプライアンス

セキュリティ、プライバシー、コンプライアンスでは、Google Cloud で安全なサービスを設計して運用する方法とセキュリティとコンプライアンスをサポートする Google Cloud プロダクトと機能について説明しています。

  • Google Cloud 上での責任と運命の共有を確認する
  • セキュリティ原則を理解する
  • 制御によるリスク管理
  • アセットを管理する
  • ID とアクセスを管理する
  • コンピューティングとコンテナのセキュリティを実装する
  • ネットワークを保護する
  • データ セキュリティを実装する
  • アプリケーションのセキュリティをデプロイする
  • コンプライアンス義務を管理する
  • データ所在地と主権の要件を実装する
  • プライバシー要件を実装する
  • ロギングと検出制御を実装する

これらの内容を実践することで、ビジネス要件、リスク、コンプライアンス義務、セキュリティ管理を踏まえたシステム運用が実現できます。

信頼性

信頼性では、信頼性の高いサービスを設計して運用するために必要な設計原則に焦点を当てています。

  • 信頼性の基本原則
    • 信頼性は最優先の機能
    • 信頼性はユーザーによって定義される
    • 100% の信頼性を目指す必要はない
    • 信頼性と迅速なイノベーションは相互補完的
  • 設計と運用の原則
    • 信頼性の目標を明確にする
    • インフラストラクチャとアプリケーションにオブザーバビリティを組み込む
    • スケーラビリティと高可用性を実現する設計
    • 信頼性の高いツールと運用プロセスを作成する
    • 効率的なアラートを作成する
    • 共同インシデント管理プロセスを構築する

これらのアプローチにより、ユーザーの期待を満たし、安定したサービス提供が可能になります。

費用の最適化

費用の最適化では、Google Cloud でのワークロードの費用を最適化するための原則と推奨事項に焦点を当てています。

  • クラウドの費用をビジネス価値と調整する
  • コスト意識の高い文化を育む
  • リソース使用量を最適化する
  • 継続的に最適化する

これらの取り組みにより、コストを削減しながら価値を最大化する運用が実現します。

パフォーマンスの最適化

パフォーマンスの最適化では、パフォーマンスを最適化するためのパフォーマンス最適化プロセスとベスト プラクティスに焦点を当てています。

  • パフォーマンス最適化プロセスを実装する
  • パフォーマンスをモニタリングおよび分析する
  • コンピューティング パフォーマンスを最適化する
  • ストレージ パフォーマンスを最適化する
  • ネットワーク パフォーマンスを最適化する
  • データベースのパフォーマンスを最適化する
  • 分析パフォーマンスを最適化する

これらの実践により、組織の効率的な運用、顧客満足度の向上、収益の向上、費用の削減を実現できます。

なぜ Google Cloud アーキテクチャフレームワークを学ぶべきなのか

原則やベストプラクティスが学べる

Google Cloud には 2025 年 1 月時点で 100 種類を超えるプロダクトがあり、それらを適切に駆使することでさまざまな業務要件に応じたシステムを開発することができます。

これらを適切に活用することで、さまざまな業務要件に対応したシステムを開発することが可能です。

ただし、各プロダクトには適切なユースケースや利用方法が存在し、それらを支える基本的な原則も理解しておく必要があります。

Google Cloud は、正しい使い方をすることで、その能力を最大限に引き出すことができます。適切に扱うためには、体系的で確かな知識が求められます。

これらに関する情報を体系的にまとめた資料のひとつが、「Google Cloud アーキテクチャ フレームワーク」です。

このフレームワークは、Google の知見が凝縮された必見のガイドであり、これを学ぶことで、クラウド活用の効率化や信頼性向上、さらには成功への道筋をより明確に描くことができます。

Google Cloud 公式認定資格の勉強の参考になる

直接的な試験対策にはなるかどうかは試験の種類によりますが、Google Cloud アーキテクチャ フレームワークに記載されている原則やベストプラクティス、正解を選ぶ際に大事な指針になります。

例えば、2択までは絞り込めるものの、どちらが正解かわからない。といった時に、原則やベストプラクティスを知っていれば、確信を持つまではいかないにしろ、高い確率で正解を選ぶことができます。

※実際に実績として正解を選べているのかどうかは筆者には分かりませんが、本記事執筆時点で、資格を 9 つ保持できているのは、Google Cloud アーキテクチャ フレームワークで学んだおかげだと信じています。

Google Cloudの書籍を書く際の参考になる

(こんなニッチな要件に遭遇する方は、ほとんどいらっしゃらないと思いますが一応書きます。)

わたくし、何を隠そう『徹底攻略 Google Cloud認定資格 Associate Cloud Engineer教科書』の著者の一人なのですが、この書籍を書く際にもGoogle Cloud アーキテクチャ フレームワークには大変お世話になりました。

特にネタ探しの時に、散々読み散らかしまして、おかげさまで無事書籍の発売まで辿り着くことができました。ここで改めてお礼申し上げます。ありがとうございます。

書籍のリンクを以下に記載しておきますので、気になる方は見てみてください。

Google Cloud アーキテクチャフレームワークの辛いポイントと対抗策

ここまでGoogle Cloud アーキテクチャフレームワークをざんざん褒めちぎってきましたが、このドキュメントにも辛い点がいくつかあります。
これらに関する話を、ささやかな対抗策と合わせて紹介します。

よくわからない用語が多い

DORA指標、TCO、FinOpsなど、馴染みのない用語や概念が散見されるかもしれません。こうした専門用語があると読解にどうしても手間がかかってしまいます。

ただ、こういった概念があるということを知っておくだけでもITリテラシーの向上に期待ができます。必要な試練だと思って、少しずつ理解を深めていくと良いでしょう。

ページがちょくちょく壊れている(日本語)

日本語版だと、リンク切れや別のページに飛ばされるような挙動が見受けられるページが一定数あります。

読めないページがあることに関しては仕方がないので、はやく修正されることを祈りつつ、読めるページから見ていくと良いでしょう。

確認した範囲では、英語版はかなり挙動が安定しているので、英語版を読むという手段も有効です。

範囲が広い

Google Cloudにおけるさまざまな内容を扱っていることもあり、システム設計に必要な要素が網羅的に記載されています。結果として、扱う範囲がものすごく広く、全体感を把握するたけでも大変です。

個人的には、自分が興味があるものを中心に読んでいって、少しずつ全体を網羅していくのが良いのではと考えています。この辺りは好みもあるところなので、ご自身にあった読み方を試してもらえればと思います。

抽象的な内容が多い

ベストプラクティスや原則をまとめたドキュメントであるという特性上、抽象的な形で記載されたものが多いです。実際にその内容を現場で使うためには、内容を理解した上で、その内容を扱えるよう訓練する必要があります。

これは普段の業務などの活動の中で、都度このドキュメントの内容を参照したり、思い出したりしながら使っていくことで、どんどん身につくのではないかと考えています。

決して一朝一夕でいく話ではありませんが、ここに関しては魔法は存在しないので、コツコツ頑張るしかないと思います。

さいごに

Google Cloud アーキテクチャ フレームワークは、Google Cloud を効果的に利用するための羅針盤のような存在です。本記事では、その主要な柱や利点、そして実際の活用方法について簡単にご紹介しました。

このフレームワークは単なる理論ではなく、実践的なガイドラインが詰まった強力なリソースです。特に、運用効率や信頼性、セキュリティ、費用の最適化といった柱を理解し、実践することで、Google Cloud の可能性を最大限に引き出すことができます。

もちろん、一度に全てを学ぶ必要はありません。ご自身のペースで、必要な部分から読み進めていくのが効果的です。また、学んだ内容を日々の業務やプロジェクトに取り入れることで、さらに深い理解を得ることができるでしょう。

Google Cloud を活用する上で、このフレームワークは信頼できる味方になります。もしまだ触れていない方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度手に取ってみてください。そして、今回の記事がその第一歩を踏み出す手助けとなれば幸いです。

クラウドの世界には、まだまだ多くの可能性が広がっています。これからも共に学び、成長し続けていきましょう。

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