クラウドって何? Google Cloud の強みの紹介
はじめに
こんにちは!2024年度にクラウドエース株式会社に新卒入社しました、SRE部の三浦です。
この会社に入社して初めて Google Cloud に触れ、クラウドそのものにも初めて触れました。
そこで、そもそも Google Cloud とは何か、クラウドとは何かという根本的な導入をわかりやすくするためにこの記事を作成しました。
また初めての人が導入しやすいように Google Cloud には無料枠もあり、その詳細についても紹介しています。
対象読者
- Google Cloud に触れたことない方
- クラウドをよく知らない方
- Google Cloud を使ってみたいけど、何から触れたら良いかわからない方
概要目次
- クラウドとは?
- Google Cloud とは?
クラウドとは?
クラウドとはそもそもなんなのか?
ここではそもそもクラウドとはなんなのかについて簡単な概要を説明しています。
クラウドとは、インターネットを通じてコンピュータのリソース(サーバー、ストレージ、データベース、ネットワーク、ソフトウェアなど)を利用するサービスを指します。
具体的には、企業や個人のデータやプログラムが自分のパソコンやスマホではなく、インターネット上の「クラウド」(つまり、巨大なデータセンター)に保存されている状態を指します。
これにより、企業や個人は自分でハードウェアを購入して管理する必要がなく、必要なときに必要なだけリソースを利用できます。
従来のオンプレミス環境では、個人や企業の管理する物理上のコンピューターやサーバーにデータ保存やアプリケーション開発を行っていました。
クラウドでは、インターネットを通じて物理上のコンピューターやレンタルサーバーがなくても、リモートサーバーにアクセスしてデータ保存やアプリケーション開発をすることができます。
雲に例えると
写真や文書が雲の中に保存されていると想像してみましょう。自分のパソコンやスマホに保存するのではなく、雲の中にあるのでどこからでもアクセスできます。
雲は空に浮かんでいてどこからでも見えるように、クラウドに保存されたデータもインターネットに接続していればどこからでもアクセスできます。
雲は一人だけのものではなくみんなで共有しているように、クラウドのリソースも多くの人が共有して使います。そして必要なときに雲の大きさを変えられるように、クラウドのリソースも必要に応じて増減できます。
クラウドの歴史
ここではクラウドの歴史を振り返ることでこの技術がどのように進化し、現在の形に至ったのかを理解することができます。
1980年代: パーソナルコンピュータの登場
1980年代に個人が使えるパーソナルコンピュータ(PC)が登場しました。これにより誰でもコンピュータを持って自宅やオフィスで使えるようになりました。しかし、データやソフトウェアはそのPCに保存されていたため、他の場所からアクセスすることは難しかったのです。
1990年代: インターネットの普及
1990年代にインターネットが普及し始めると、コンピュータ同士がネットワークを通じてつながるようになりました。これにより遠く離れた場所にあるデータやソフトウェアにアクセスすることが可能になりました。
2000年代: クラウドサービスの登場
2000年代になると、「クラウド」という新しい概念が登場し、インターネットを通じてデータやソフトウェアを利用することができるようになりました。これによりユーザーは自分のPCにソフトウェアをインストールしたり、データを保存する必要がなくなりました。
2010年代: クラウドの普及と多様化
2010年代に入るとクラウドの技術が進化するにつれて、多くの企業がクラウドサービスを提供するようになりました。これらのサービスを利用することで、ユーザーはインターネットを通じて簡単にデータを保存したり、ソフトウェアを利用することができます。企業はアプリケーション開発や業務プロセスをクラウド上で実行することが一般的になりました。
現在: クラウドの進化と未来
現在、クラウドはAI、ビッグデータ、IoTなどの先進技術と結びつきさらに進化を続けています。ハイブリッドクラウドやエッジコンピューティングなど、新たなアーキテクチャが登場し、クラウドの活用範囲はますます広がっています。
利用形態の違い
次にここでは企業がクラウド環境を選択する際に考慮すべき三つの主要な利用形態、すなわちオンプレミス、プライベートクラウド、パブリッククラウドについて詳しく解説します。これらの利用形態を理解することで、クラウドがどのように機能し、どのように企業のITインフラに適用されるのかをより具体的に想像しやすくなります。
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オンプレミス:企業が自社の施設内でサーバーやネットワーク機器を設置・運用する形態です。
特徴はすべてのハードウェアやソフトウェアを自社で所有し、管理する点です。 -
プライベートクラウド:企業が専用のクラウド環境を持つ形態です。オンプレミスで運用する場合もあれば、外部のデータセンターで運用する場合もあります。
特徴は、他の企業と共有しない専用のクラウド環境を利用する点です。 -
パブリッククラウド:Google Cloud、Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure などのクラウドサービスプロバイダーが提供する共有クラウド環境を利用する形態です。
特徴は、多くのユーザーと共有するクラウド環境を利用する点です。
オンプレミス環境とクラウド環境との比較
次にこちらでは、オンプレミス環境とクラウド環境にはそれぞれ異なる特徴と利点があります。以下に、主要な違いをいくつかの観点から比較し解説します。
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ハードウェアの所有
従来、企業や個人は自分でハードウェアを購入していましたが、クラウド環境ではクラウドプロバイダーが所有しているため、自身で購入する必要がなくなりました。 -
初期投資
初期投資で設備を購入したり初期設定が大きな負担でしたが、サービスによって初期設定がされており設備も従量課金制で使用した部分だけ課金されるようになっています。 -
メンテナンスコスト
オンプレミス環境ではメンテナンスは全て自身で行う必要がありましたが、クラウドプロバイダーによって主要の部分はメンテナンスされてます。 -
スケーラビリティ
リソースを増やすためには新たなハードウェアなどが必要だったりしますが、クラウドでは必要によってリソースを迅速に増減できます。
クラウドのサービスモデル
ここではクラウドサービスの主に以下の3つのサービスモデルに分類されているものについて解説していきます。
クラウドのサービスモデルに責任範囲がある理由は、 クラウドサービスの利用者と提供者の間での役割分担を明確にするためです。これによりどの部分を誰が管理・運用するかを明確にすることで、効率的かつ安全にサービスを利用することができます。
SaaS(Software as a Service)
ソフトウェアをインターネット経由で提供するサービスモデルです。ユーザーはソフトウェアをインストールする必要がなく、ウェブブラウザを通じてアクセスできます。これによりソフトウェアの管理や更新がクラウドプロバイダーによって行われるため、ユーザーは手間をかけずに最新の機能を利用できます。その分自由度は低くデータなどのコンテンツは自身で責任を持って管理します。
例:Google Workspace (ドキュメント、スプレッドシート、スライドなど)
PaaS(Platform as a Service)
アプリケーションの開発、テスト、デプロイ、管理を行うためのプラットフォームを提供するサービスモデルです。開発者はインフラの管理を気にせずに、アプリケーションの開発に集中できます。SaaSよりも自由度は高くなります。
例:Google Cloud の App Engine や Google Cloud の Cloud Run
IaaS(Infrastructure as a Service)
仮想化されたコンピューティングリソース(サーバー、ストレージ、ネットワーキングなどインフラ)をインターネット経由で提供するサービスモデルです。PaaSよりも自由度は高く、ユーザーは必要なリソースをオンデマンドで利用でき、インフラの管理やメンテナンスを自分で行うことができます。これにより、柔軟性とスケーラビリティが高まります。
例:Google Cloud の Compute Engine
クラウドの特徴
ここでは今までのクラウドの概要から見えてくる特徴についてまとめました。
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スケーラビリティ
クラウドはリソースの拡張や縮小が容易です。ビジネスの需要に応じてリソースを動的に調整できるため、急なトラフィック増加にも対応できます。 -
コスト効率
初期投資が不要で使用した分だけの料金を支払う「従量課金制」が一般的です。これにより無駄なコストを抑えることができます。 -
可用性と信頼性
クラウドサービスは通常、複数のデータセンターに分散されているため、障害が発生してもサービスが継続される高い可用性を持っています。 -
柔軟性
さまざまなサービスやツールが提供されており、特定のニーズに合わせてカスタマイズが可能です。 -
セキュリティ
大手クラウドプロバイダーは高度なセキュリティ対策を講じており、データの保護やコンプライアンスに対応しています。 -
グローバルアクセス
インターネットに接続できる環境であれば、世界中どこからでもアクセス可能です。 -
自動化
インフラの管理や運用を自動化するツールが充実しており、効率的な運用が可能です。
クラウドの強み
ここではクラウドの特徴から見えてきた強みについてまとめました。
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迅速な導入
クラウドサービスは即座に利用開始できるため、新しいプロジェクトやビジネスの立ち上げが迅速に行えます。 -
高い可用性と災害復旧
複数のデータセンターにデータが分散されているため、災害時でも迅速な復旧が可能です。 -
グローバル展開
グローバルに展開する企業にとってクラウドは地域ごとのデータセンターを利用することで、低遅延のサービス提供が可能です。
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イノベーションの促進
AI、機械学習、IoTなどの先進技術を手軽に利用できるため、イノベーションを促進します。
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運用負荷の軽減
インフラの管理や運用をクラウドプロバイダーに任せることでIT部門の負荷を軽減し、本業に集中できます。
Google Cloud とは?
Google Cloud の概要
Google Cloud は、Google が提供するクラウドサービスです。
簡単に言うと、インターネットを通じてデータを保存したり、アプリケーションを動かしたりできるサービスです。
YouTube、Gmail、スプレッドシート、といった Google が提供しているサービスを支えている 技術 を気軽に誰でも使えるようにしたのが Google Cloud です。
インターネットが通じる場所であれば、世界中で使用することができます。
データセンターは世界中で稼働しています。アジア、オーストラリア、ヨーロッパ、アフリカ、中東、北米、南米に位置するリージョンが利用できます。
そのため、Google の大きなコンピュータを使うことができるとも言えます。
Google Cloud の強み
ここでは、他のクラウドサービスと比べて Google Cloud が強みにしていることについて解説していきます。
データ解析と機械学習
データ解析とは、 たくさんのデータを使って役立つ情報を見つけ出すことです。例えば、お店の売上データを解析してどの商品が人気かを調べることができます。
機械学習は、コンピュータがデータから学んで自動的に賢くなる技術です。例えば、メールのスパムフィルターは機械学習を使ってどのメールがスパムかを判断します。
Google Cloud は、これらの技術を簡単に使えるツールを提供しているので、専門知識がなくても データ解析や機械学習を活用できます。
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例
BigQuery: たくさんのデータを素早く分析するためのツールです。
TensorFlow: 機械学習のためのツールです。
ビッグデータ
ビッグデータとは、非常に大量のデータのことです。例えば、SNSの投稿や動画の視聴履歴などがこれに当たります。
Google Cloud は、このような大量のデータを効率よく保存し、解析するための技術を持っています。これにより、企業はユーザーの行動を理解したり、新しいビジネスチャンスを見つけたりすることができます。
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例
Dataflow: 大量のデータをリアルタイムで処理するためのツールです。
マルチクラウド
マルチクラウドとは、複数のクラウドサービスを組み合わせて使うことです。例えば、Google Cloud と他のクラウドサービス(Amazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azure など)を一緒に使うことを指します。
Google Cloud は、他のクラウドサービスとも連携しやすい設計になっているので、企業は自分たちに最適なサービスを自由に選んで使うことができます。
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例
Anthos: 異なるクラウドサービスや自社のサーバー上で動くアプリケーションを一元管理できるツールです。
コストパフォーマンス
コストパフォーマンスとは、費用に対する効果のことです。Google Cloud は、高性能なサービスを比較的低コストで提供しています。
例えば、必要な時だけクラウドのリソースを使う 「従量課金制」 を採用しているので、無駄な費用をかけずに済みます。これにより中小企業やスタートアップでも手軽に最新の技術を利用できます。
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例
Preemptible VMs: 一時的に利用する仮想マシンで、通常よりも安価に利用できます。
Sustained Use Discounts: 長期間リソースを使うと自動的に割引が適用される仕組みです。
インフラストラクチャ
インフラストラクチャとは、システムやサービスを支える基盤のことです。例えば、データセンターやネットワーク、サーバーなどがこれに当たります。
Google Cloud は、世界中に分散した高性能なデータセンターを持っており、これにより信頼性の高いサービスを提供しています。企業は自分たちでインフラを管理する必要がなく、ビジネスに集中できます。
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例
Google Kubernetes Engine (GKE): アプリケーションを動かすためのコンテナという技術を簡単に使えるようにするサービスです。
Google Workspace
Google Workspace(Gmail、Google ドライブ、Google カレンダーなど)を使っている場合、Google Cloud と連携することでさらに便利に活用できます。
Google Workspace は、チームのコラボレーションを促進し、生産性を向上させるための強力なツールです。特にリモートワークやハイブリッドワークの環境でその真価を発揮します。
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例
Google ドライブ: ファイルをクラウドに保存しどこからでもアクセスできます。また、ファイルの共有や共同編集も簡単に行えます。
Google ドキュメント、スプレッドシート、スライド: オンラインで文書作成、表計算、プレゼンテーションを行うツールです。リアルタイムでの共同編集が可能です。
Google Cloud の代表的なサービス
ここでは Google Cloud が他のクラウドサービスと比べて強みとしている代表的なサービスを2つ紹介致します。
Google BigQuery
Google BigQuery は、たくさんのデータを素早く調べるためのサービスです。例えば、何百万もの記録があるデータベースから特定の情報を探し出すのに役立ちます。
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利点
大きなデータもOK: どれだけデータが多くても、素早く処理できます。
使った分だけ料金: 必要なときに使って、その分だけお金を払えばいいので無駄がありません。
安全: データはしっかり守られているので安心です。
他のツールとも連携: 他のGoogleのサービスとも簡単に一緒に使えます。 -
他のクラウドサービスと比べて優れている理由
超高速な分析: ペタバイト級の超巨大なデータも、まるで魔法のように高速に分析できます。他のクラウドサービスでは、これほどの量のデータを扱うのは難しい場合もあります。
自動でスケール: データ量や処理量に応じて、自動で処理能力を調整します。そのため、急なデータ量の増加にも対応でき、常に安定したパフォーマンスを発揮します。
サーバーレス: サーバーの管理が不要なサーバーレスアーキテクチャを採用しています。そのためインフラの運用コストを抑え、分析に集中できます。
Google Cloud Spanner
Google Cloud Spanner は、データを安全に保存してどこからでもアクセスできるようにするためのサービスです。例えば、オンラインショッピングサイトの注文情報を管理するのに使えます。
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利点
どこでも使える: 世界中どこからでもデータにアクセスできます。
データの整合性: いつでも正しいデータが見られるので、間違いが起きにくいです。
高い信頼性: いつでも使える状態に保たれており、ほとんどダウンすることがありません。
早い処理: データの読み書きが速く、待ち時間が少ないです。 -
他のクラウドサービスと比べて優れている理由
99.999%の可用性: 非常に高い可用性を誇り、システム停止のリスクを最小限に抑えます。他のクラウドサービスではここまでの可用性を保証できない場合もあります。
グローバルなデータ整合性: 世界中に分散したデータを、常に最新かつ整合性の取れた状態に保ちます。他のクラウドサービスでは、グローバルなデータ整合性を確保するのが難しい場合もあります。
水平スケーラビリティ: データ量や処理量に応じて、自動でデータベースを拡張できます。そのため急なトラフィックの増加にも対応でき、常に安定したパフォーマンスを発揮します。
導入例
ここでは Google Cloud を導入した企業の具体的な事例を紹介し、その成功の秘訣や導入のメリットについて詳しく見ていきます。
データ解析と機械学習
事例:郵便サービス会社
- 背景: とある郵便サービス会社は、全国に広がる配達ネットワークを持ち、多くの郵便物を効率的に配達する必要がありました。
- 課題: 配達ルートの最適化が難しく、配達員の負担が大きくなっていました。また配達時間が長くなることがあり、顧客満足度に影響を与えていました。
- 解決策: Google Cloud のデータ解析と機械学習を活用し、過去の配達データを分析して最も効率的なルートを自動で提案するシステムを導入しました。
- 結果: 配達ルートが最適化され配達時間が短縮されました。これにより配達員の負担が軽減され、顧客満足度が向上しました。
ビッグデータ
事例:航空会社
- 背景: とある航空会社は世界中で多くのフライトを運行しており、顧客の多様なニーズに応える必要がありました。
- 課題: 顧客の予約データやフライトデータが膨大で、これを効率的に分析してサービス改善に活かすことが難しい状況でした。
- 解決策: Google Cloud のビッグデータ技術を利用して、顧客の予約データやフライトデータをリアルタイムで分析し、顧客のニーズに合わせたサービスを提供するシステムを構築しました。
- 結果: 顧客のニーズに合わせたサービスの提供が可能になり、顧客満足度が向上しました。特定の時期に人気のあるフライトを予測し、プロモーションを行うことができました。
マルチクラウド
事例: 人材サービス会社
- 背景: とある人材サービス会社は多様なクラウドサービスを利用しており、それぞれのサービスの連携と管理が課題となっていました。
- 課題: 異なるクラウドサービス間でのデータ連携がスムーズに行えず、システムのダウンタイムが発生することがありました。
- 解決策: Google Cloud の Anthos を導入し、複数のクラウドサービスを統合管理することでシステムの柔軟性と信頼性を向上させました。
- 結果: 異なるクラウドサービス間でのデータ連携がスムーズに行えるようになり、サービスのダウンタイムを最小限に抑えることができました。
コストパフォーマンス
事例:小売業会社
- 背景: とある小売業会社はITインフラの運用コストが高く、効率的なシステム運用が求められていました。
- 課題: ITインフラの運用コストが高く、リソースの無駄が発生していました。
- 解決策: Google Cloud を活用して、必要なリソースを必要なときにだけ使用するクラウド環境を導入しました。
- 結果: ITインフラの運用コストが削減され、より効率的なシステム運用が可能になりました。無駄なコストを削減することができました。
インフラストラクチャ
事例:インターネット広告会社
- 背景: このインターネット広告会社は、大規模な広告配信システムを構築する必要がありました。
- 課題: 高い可用性とスケーラビリティを実現し、大量の広告リクエストに迅速に対応することが求められていました。
- 解決策: Google Cloud のインフラストラクチャを利用して、高い可用性とスケーラビリティを持つ広告配信システムを構築しました。
- 結果: 大量の広告リクエストに迅速に対応できるようになり、システムの可用性と信頼性が向上しました。
Google Workspace
事例:通信会社
- 背景: とある通信会社は社員同士のコミュニケーションとコラボレーションを強化する必要がありました。
- 課題: 情報共有がスムーズに行えず、業務効率が低下していました。
- 解決策: Google Workspace を活用して、社内のコミュニケーションとコラボレーションを強化しました。
- 結果: 社員同士の情報共有がスムーズになり、業務効率が向上しました。Google ドキュメントを使ってリアルタイムで共同編集ができるようになりました。
Google BigQuery
事例:オンラインマーケットプレイス会社
- 背景: とあるオンラインマーケットプレイス会社は、大量のデータを迅速に分析し、ユーザーの行動パターンを把握する必要がありました。
- 課題: データの量が膨大で、迅速に分析することが難しい状況でした。
- 解決策: Google BigQuery を利用して、大量のデータを迅速に分析するシステムを導入しました。
- 結果: ユーザーの行動パターンを把握し、サービスの改善に役立てることができました。過去の取引データを分析してどの商品が人気なのかを把握し、マーケティング戦略に活かすことができました。
Google Cloud Spanner
事例:インターネット広告会社
- 背景: とあるインターネット広告会社は、グローバル規模の分散データベースを運用する必要がありました。
- 課題: 高い可用性と一貫性を保ちながら、大量のデータを効率的に管理することが求められていました。
- 解決策: Google Cloud Spanner を利用して、グローバル規模の分散データベース*を構築しました。
- 結果: 高い可用性と一貫性を保ちながら、大量のデータを効率的に管理することができました。広告配信システムのデータベースとして利用することで、世界中のユーザーに対して迅速なサービス提供が可能になりました。
これらの事例は、Google Cloud の多様なサービスがどのように企業の課題解決やビジネスの成長に寄与しているかを示しています。詳細な情報は、上記のリンクから各事例のページをご覧ください。
Google Cloud の無料枠紹介
ここでは Google Cloudが提供する無料枠のいくつかを紹介し、その特徴や利用方法について説明します。
クラウドサービスを始める際、初期費用を抑えたいと考える企業や個人にとって無料枠の存在は非常に魅力的です。Google Cloud は新規ユーザー向けにさまざまな無料枠を提供しており、これを利用することでコストを抑えつつ、クラウドサービスの試用やプロジェクトの立ち上げを行うことができます。
Compute Engine
主な機能
- 仮想マシンの作成と管理
- カスタマイズ可能なCPU、メモリ、ディスク
- 自動スケーリングとロードバランシング
使用事例
オンラインショップのホスティング: とあるオンラインショップがピーク時にアクセスが集中するため、Compute Engineを使ってスケーラブルなウェブサーバーを構築します。自動スケーリング機能により、セール期間中のトラフィック増加にも対応できます。
無料枠
- e2-microVMインスタンス1つ(米国リージョン限定)
- 30GBの標準永続ディスク
※インスタンスの上限は、インスタンス数ではなく時間に基づきます。当月内の合計時間数と同等の時間数を使い切るまで、毎月のすべての e2-micro インスタンスの使用は無料になります。
Cloud Storage
主な機能
- オブジェクトストレージ
※データを「オブジェクト」として保存するストレージシステムです。 - バケットの作成と管理
- バージョニングとライフサイクル管理
※バージョニングはオブジェクトストレージやファイルストレージにおいて、オブジェクトやファイルの異なるバージョンを保存・管理する機能です。
使用例
メディアファイルのバックアップ: 映像制作会社が撮影した高解像度の映像ファイルをCloud Storageにバックアップします。バージョニング機能を使って、誤って削除したファイルの復元も可能です。
無料枠
- 1ヶ月あたり5GBの地域ストレージ(米国地域のみ)
- 月間5,000件クラスAオペレーション
- 毎月50,000件クラスBオペレーション
- 北米からすべての地域(中国とオーストラリアを除く)への毎月100 GBの送信データ転送
Big Query
主な機能
- サーバーレスデータウェアハウス
※データの保存、管理、分析を行うためのクラウドベースのソリューションです。 - SQLクエリによるデータ分析
- データの高速クエリ
※クエリはデータベースやデータウェアハウスに対してデータを検索、取得、操作するためのリクエストのことです。
使用例
マーケティングキャンペーンの分析: マーケティング会社が過去のキャンペーンデータをBigQueryに格納し、SQLクエリを使って効果を分析します。リアルタイムで結果を得ることで、次のキャンペーンの戦略を迅速に立てることができます。
無料枠
- 1 か月あたり1TBのクエリデータ
- 毎月10GBのストレージ
Cloud Functions
主な機能
- イベント駆動型のサーバーレスコンピューティング
※特定のイベント(例えばデータの追加や変更、HTTPリクエストなど)が発生したときに自動的に関数やプログラムが実行される仕組みです。 - 自動スケーリング
※自動スケーリングはシステムの負荷に応じて自動的にリソース(例えば仮想マシンやコンテナ)の数を増減させる機能です。 - 簡単なデプロイと管理
※デプロイとはソフトウェア開発において、開発されたアプリケーションやサービスを実際の運用環境に配置し、利用可能な状態にするプロセスのことを指します。
使用例
リアルタイムデータ処理: ある企業がリアルタイムでデータを処理するためにCloud Functionsを使用します。例えば、新しいデータがクラウドストレージにアップロードされるたびに自動的に関数がトリガーされ、データの加工や保存が行われます。
無料枠
- 毎月200万回の呼び出し
- 400,000 GB秒、200,000 GHz秒の計算時間
- 毎月5GBのネットワーク送信
まとめ
Google Cloud は企業や開発者がインフラストラクチャを効率的に管理して、スケーラブルなアプリケーションを迅速に開発できるようにする、非常に強力で柔軟なクラウドサービスプラットフォームです。その豊富なサービス群はコンピューティング、ストレージ、データ解析、機械学習など、さまざまな分野でのニーズに対応しています。
特に Google Cloud の無料枠は、これからクラウドを利用し始める方や新しいプロジェクトを立ち上げる方にとって、大変有用なリソースとなります。無料枠を活用することで初期費用を抑えつつ、Google Cloud の各種サービスを試すことができます。これにより、実際の運用環境に移行する前に、自分のプロジェクトに最適なサービスを見極めることが可能です。
Google Cloud の無料枠を最大限に活用し、クラウド技術の可能性を探求することで、あなたのビジネスやプロジェクトが次のレベルに進む手助けとなるでしょう。ぜひ、Google Cloud の提供する豊富な機能とリソースを活用して、成功への道を切り開いてください。
参考文献
Discussion