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Gemini in Looker:自然言語でデータと会話!Conversational Analytics 体験レポート

2024/10/04に公開

はじめに

こんにちは、クラウドエースに所属している篠田です。
本記事では、2024年9月12日にパブリックプレビューとなったLooker Studio Pro の新機能 Conversational Analytics (会話分析) についてご紹介します。

Conversational Analytics (会話分析) とは

Conversational Analytics は、Gemini in Looker (機能群の総称) のひとつの機能で、生成 AI (Google Cloud の Gemini) を活用したデータクエリツールです。
Looker Studio Pro 製品に組み込まれており、下図の赤枠「会話分析」を選択することで、UI上から使うことができます。(Pro ではないLooker Studio では使えません。)

「会話分析」を選択すると、下図のような画面に遷移します。
この画面より、自然言語で対話的に、データソースのデータに質問できます。
応答には、質問に関する自動生成されたグラフや、生成 AIのデータに対する解釈が含まれているため、ユーザーは質問しながらデータ分析できます。

Conversational Analytics でできること

できることと利点としては、下記が例としてあげられます。

できること 利点
データソースとして、Google BigQuery、Google スプレッドシート、CSV、Looker のセマンティックモデル(LookML) などをサポート 会社が毎日使用するツールやワークフローとの統合
自然言語でデータソースのデータに対して質問 コードなしで簡単にデータにアクセスできる
応答内でグラフを自動生成 エンジニアでなくても、瞬時にデータの可視化をできる
自動生成されたグラフの種類を編集 ワンクリックで瞬時にグラフの種類を変更できる
マルチターン対応 深堀りながら分析が可能になる
応答に関する分析情報を自動生成 グラフから瞬時に洞察を得られる
応答に関する算出方法を確認 応答がどのように生成されたかについて詳しく知ることができる
会話履歴の保存 分析結果の記録と追跡ができる
Looker Studio レポートにグラフを作成 レポートにグラフを瞬時に作成し、カスタマイズ、共有、検証できる

ここから下記では、それぞれのできることについて、画像を交えながら見ていきます。

①データソースとして、Google BigQuery、Google スプレッドシート、CSV、Looker のセマンティックモデル(LookML) などをサポート

データとのチャットを始めるにあたって、 まず使用するデータソースを選択する必要があります。

「+ データに接続します」を選択すると、下図のように、サポートされているデータソース一覧が表示されます。

Looker をデータソースとする場合、どのモデルのExplore に接続するのかを選びます。
下図では User という名前の Explore に接続しています。

接続すると、Looker Studio のデータソースが Conversational Analytics の裏側で作成されます。


これで、Conversational Analytics を使う準備ができました。
「使用するデータを選択」で、上記の作成した User Explore を選択すると、下図のようなチャット画面に遷移します。
生成AI が裏側で動いていて、接続したデータソースの要約を表示したり、質問のレコメンドを表示したりします。

②自然言語でデータソースのデータに対して質問

Conversational Analytics の大きな特徴は、自然言語で質問できることです。
質問「How many users are there in each city in the USA?」を送信すると、下図のような応答を得られました。
応答内容は、「どのようなデータなのかの要約テキスト」+「グラフ」です。

③応答内でグラフを自動生成

上図をご覧のように、質問に対する応答内で、グラフが自動生成されます。
グラフの生成が可能な場合、応答内容にグラフが表示されます。
エンジニアでなくても、瞬時にデータの可視化をできるので、効率良くデータ探索をできます。

また、試しに日本語で質問をしてみたところ、下図のように単一値のグラフを応答しました。
ドキュメントには日本語対応の有無は明記されていませんが、日本語の質問にも応答するみたいです。

英語・日本語どちらでも、質問の仕方が悪いと応答がうまく生成されません。
その質問には回答できない旨の応答が返ってきます。


質問の仕方が悪い例としては、下記が例としてあげられます。

  1. 文章がおかしい
  2. データソースに関連しないデータについて質問している

2.についてはドキュメントにも書かれています。Conversational Analytics はインターネットの公開情報には繋がっておらず、またデータソースに存在しないデータについては回答できないのは納得です。

④自動生成されたグラフの種類を編集

下図で表示されているグラフの種類は「表」ですが、グラフの種類をワンクリックで変更できます。

縦棒グラフを選択すると、グラフが自動的に更新され、下図の結果が得られました。

ただし、生成AIが返す結果によって、選択できるグラフの種類は異なります。

⑤マルチターン対応

マルチターン対応とは、ユーザーが最初の質問に対する回答に基づいて、さらに質問を重ねていくことができるということです。
下図のように、さらに質問を重ねることができます。
Conversational Analytics では、文脈を理解した上で回答を生成するため、ユーザーは深堀りながら分析を行うことができます。
欲しいグラフを自然言語で調整できたりして便利です。

⑥応答に関する分析情報を自動生成

応答に対して分析情報を提供可能な場合、「分析情報」プルダウンがグラフの下に表示されます。
「分析情報」プルダウンをクリックすると、下図のように現在表示されているデータに対する分析情報(生成 AI が生成)を得ることができます。

⑦応答に関する算出方法を確認

生成AIがどのように回答に至ったかを確認したい場合、「算出方法」プルダウンをクリックします。
すると、下図のように算出方法を確認できます

⑧会話履歴の保存

会話を保存して、後で参照できます。保存は自動的にされます。
過去の会話内容を辿れることで、どのような分析を行い、どのような結果が得られたのかを簡単に確認できます。

⑨Looker Studio レポートにグラフを追加する

「レポートで開く」を選択すると、新しいLooker Studio レポート が作成されます。

下図のように、データソースやグラフが作成されています。
Looker Studio レポート 上で一からグラフを作成する必要が無いので、効率よくグラフのカスタマイズ、共有、検証をできます。

まとめ

Conversational Analytics の自然言語による直感的な操作は、まるでデータと対話しているような感覚をもたらします。
エンジニアによるデータソース側のデータ整備が必要な場面も多いとは思います。
しかし、一度整備してしまえば、ユーザーに技術的な専門知識がなくても、セルフサービスでデータに迅速にアクセスできます。
執筆時点(2024/10/4)ではパブリックプレビューですが、正式版の発表が楽しみです。

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