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【調理師からエンジニアへ】クラウド資格 24 冠達成!異業種転職者が語る AWS/Google Cloud 市場価値と最短学習戦略

に公開

1. はじめに

1-1. 自己紹介

10 年間、毎日包丁を握っていた私が、なぜエンジニアに?

クラウドエース株式会社 第一開発部 喜村です。
私は約 10 年間調理師として働いていました。しかし、30 歳を前に「新しい技術を使って、もっと多くの人に価値を提供したい」という強い願望が芽生え、
一念発起してエンジニアの道に転身。まずは SES 会社に入社し、AWS 中心のプロジェクトでクラウド技術の魅力に出会いました。
その後、「Google Cloud も深く学びたい」という思いから、 Google Cloud パートナー企業であるクラウドエースに転職。
現在はマルチクラウドエンジニアを目指して、 AWS・Google Cloud 両方の資格取得に励んでいます。

異業種からの転身だからこそ、純粋な学習への興味と戦略的なキャリア形成の両方を大切にしています。

取得済み資格バッジ:

Google Cloud AWS
h:300 h:300

1-2. マルチクラウドエンジニアを目指す理由

キャリア・市場価値の観点から:

  • 市場でのポジション向上:マルチクラウドスキルを持つエンジニアは希少価値が高い
  • 案件対応力の拡大:顧客のクラウド戦略に関係なく「どちらでも対応可能」と言える強みは大きい
  • 長期的なキャリア安定性:特定のクラウドベンダーに依存しないスキルセットで、技術トレンドの変化にも対応可能

純粋な学習欲求から:

  • 技術的好奇心:AWS と Google Cloud それぞれの設計思想やアプローチの違いを学ぶことで、クラウドアーキテクチャへの理解が深まる
  • 最適解追求への興味:案件やプロジェクトに応じて「今回は AWS が最適」「ここは Google Cloud の方が良い」と判断できる技術者になりたい
  • 学習そのものの楽しさ:調理師時代から「新しい技術・手法を身につけることで可能性が広がる」ことの喜びを知っているため、学習自体がモチベーション

2. マルチクラウド資格戦略 - なぜ両方を取るのか

2-1. マルチクラウドエンジニアの市場価値

市場のニーズと人材不足
Google Cloud の公式ブログで引用されている HashiCorp の調査によると、雇用主の 76% がすでに複数のクラウドを使用しており、50% 以上が従業員のスキル不足を最大の課題として挙げています。つまり、マルチクラウドのニーズは高いのに、対応できる人材が不足している状況です。

マルチクラウドスキルの価値

  • クラウドの共通語習得:複数のクラウドは「ロマンス諸語」のように同じ概念的構成要素を共有しているため、両方を理解することでクラウド全般の理解が深まる
  • 最適解の判断力:プロジェクトに応じて適切なクラウドを選択できる技術的根拠を持てる
  • 希少価値「ユニコーン」人材:マルチクラウドスキルを持つ人材は採用市場で重宝され、キャリア選択肢が大幅に拡大
  • クロスクラウドツール:Kubernetes や Terraform など、複数のクラウドで活用できるツールの習得でさらに価値向上

実体験での効果

  • クラウドエースへの転職時、AWS 経験がプラス評価
  • 顧客のクラウド選択相談に両方の経験から具体的アドバイスが可能
  • Google Cloud パートナー企業で AWS 案件にも対応できる貴重な存在に

参考:マルチクラウド エンジニアへの道 - Google Cloud Blog

4. 学習する上での比較

実際に両方のクラウドで合計 24 個の資格を取得してきた経験から、学習面でもそれぞれ特徴があることを実感しています。

4-1. どちらが学習しやすいか

結論:Google Cloud の方が学習しやすいと思う

理由:
Google Cloud は、Compute Engine(仮想マシン)、Cloud Storage(オブジェクトストレージ)など、サービス名から機能が分かりやすいです。
一方、AWS は EC2、S3、Lambda など略語が多く、最初は「これ何?」となりがち。

実際に 24 個の資格を取得する過程で、Google Cloud で基礎を学んでから AWS に移行する方が、学習効率が良いと感じました。

4-2. 資格試験の難易度順(実体験ベース)

24 個の資格を取得した中で感じた、個人的な難易度ランキング

🌋 最高難易度レベル

1 位:AWS Certified Solutions Architect Professional (SAP)


🔥 高難易度レベル

2 位:AWS Certified Advanced Networking Specialty (ANS)


📚 やや高難易度レベル

3 位:Google Cloud Professional Cloud Architect (PCA)


難易度の感覚図:

SAP | 超えられない壁 | ANS >>> PCA > その他

特に SAP は他の資格と比べて非常に難しい試験でした。問題文が長く、複数の制約条件を満たしながら最適解を導く必要があり、実務経験だけでは対応が困難なレベルの試験でした。

5. 効率的な学習方法と時間管理の秘訣

24 個の資格を取得できた背景には、調理師時代に培った「段取り力」と「効率重視」の考え方があります。レストランのキッチンでは、限られた時間で多数のオーダーを同時並行で処理する必要があり、この経験が資格学習でも大いに活かされました。

5-1. 具体的な時間管理テクニック

日々のスケジューリング

  • 平日:毎日 2 時間(朝活 2 時間)
  • 休日: 4 〜 6 時間(午前中頑張る)
  • 月間学習時間:約 80 時間

5-2. 具体的な学習リソースと活用法

信頼度順での教材選択

1. 公式ドキュメント(最優先)

2. 公式トレーニング

6. これからマルチクラウドを目指す人へ

24 個の資格を取得し、異業種からエンジニアに転身した経験から、これからマルチクラウドを目指す方へ実践的なアドバイスをお伝えします。

6-1. おすすめの学習順序

スタートは Google Cloud からがおすすめ

理由:学習コストが低く、成功体験を積みやすい

  1. Cloud Digital Leader(入門)→ Associate Cloud Engineer(基礎)
  2. 興味のある分野の Professional レベル(Data Engineer、Cloud Developer など)
  3. 最難関の Professional Cloud Architect に挑戦

次に AWS へ展開

理由: Google Cloud で身につけたクラウド概念を活用できる

  1. Cloud Practitioner ( AWS の全体像把握)
  2. Solutions Architect Associate ( AWS 設計の基礎)
  3. 専門分野の Associate レベル( Developer、SysOps Administrator )
  4. Solutions Architect Professional (最終目標)

この学習順序をおすすめする理由:

  • Google Cloud で「クラウドとは何か」を理解してから AWS に移ると、学習効率が向上します
  • 先に IT パスポート、基本情報技術者試験の学習をするのも有効な選択肢です
  • 私がクラウドを学び始めた時は AWS 一強でしたが、Google Cloud も成長してきているので良い選択肢です

6-2. 避けるべき落とし穴

❌ やってはいけないこと

1. 最初から Associate レベルに挑戦

  • FUNDAMENTAL レベルをすっ飛ばすと、基礎知識の穴で後から苦労する

2. 試験対策だけの学習

  • 実際に手を動かさずに資格だけ取っても、実務で通用しない
  • 無料枠や Google Cloud Skills Boost を活用して必ずハンズオン

3. 情報の鮮度を確認しない

  • 特に AWS は更新が頻繁なので、古い教材での学習は避けたほうが良い
  • 公式ドキュメント > 公式トレーニング > サードパーティ教材の順で信頼度を判断

7. 最後に

異業種からエンジニアに転身した身として、資格は手段であって目的ではないということを強調したいと思います。

重要なのは:

  • 実務で使える技術力を身につけること
  • 顧客の課題を解決する提案力を磨くこと
  • 継続的な学習を習慣化すること

マルチクラウドの知識は、これらすべてを支える強力な基盤となります。1 年後、2 年後の自分への投資として、ぜひチャレンジしてみてください。

今後の目標

筆者の今後の目標:

  • AWS と Google Cloud を組み合わせたハイブリッドクラウドアーキテクチャの専門家になる
  • Kubernetes を活用したマルチクラウド環境でのコンテナ運用のエキスパートを目指す
  • 新しく登場する AI サービス(AWS Bedrock、Google Cloud Vertex AI)にも積極的に挑戦

技術は日々進歩しますが、基礎をしっかり学び、実際に手を動かし、継続するという姿勢があれば、必ず成果につながります。

まずは Google Cloud の Cloud Digital Leader から、あなたのマルチクラウドジャーニーを始めてみませんか?

皆さんのクラウドエンジニアとしての成長を心から応援しています!

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