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FlutterNinjas 2024 の登壇報告と改善点

2024/06/15に公開
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先日 2024/6/12 ~ 14 の日程で FlutterNinjas というイベントが開催されまして、自分はスピーカーとして参加してきました。

https://flutterninjas.dev/

FlutterNinjas ははじめての日本発海外向けの Flutter イベントで、Flutter大学の kboy さんを中心としたメンバーで運営されました。運営メンバーのみなさま、ありがとうございます!

自分も今年の目標が「もっと海外向けのアウトプットを増やしたい、そして海外のプロジェクトでも働いてみたい」だったので、渡りに船ということでいつも通り(持ちネタがこれしかないので)Flutter の内部実装的な内容でプロポーザルを出したところ採択していただけました。

プレゼンしている写真

イベントには Remi さんもゲストで参加され、GDE(Google Developer Expert) の方々も何名か参加され、ドイツの Fluttercon をはじめ韓国や台湾の Flutter イベントの主催者も参加され、というとても世界的に注目されていることが窺える 3 日間で、自分はものすごい緊張の中(トラブルによるスケジュール変更等もあり)大トリで登壇し、その後のパネルディスカッションも参加していました。

パネルディスカッションの様子

パネルディスカッションではなかなか自慢のネタになりそうな写真が撮れてよかったです。頑張りました。

Remiさんとツーショット

Sashaさんとツーショット

写真を撮影いただいた uetomo さん、ありがとうございます。

登壇の改善点

さて、発表に対して概ね良い感じのフィードバックをいただけたものの、二次会の席では itome さんの同僚でアメリカ出身の John さんにいろいろと「日本人の発表でありがち」な改善点を熱く語っていただけたので共有です。[1]

自己紹介が長い

まずは自己紹介が長いそうです。確かに発表者は内容を聞きに来ているわけですし、内容が良ければそれを誰がしゃべっているのかなんて関係ない という理屈はおっしゃる通りです。

「自己紹介」のページを作るまでもなくタイトルページにさらっと自分の名前と X のリンクくらい置いておいて、あとは口頭でつかみのトークとひとまとめで話すようなスタイルは他のカンファレンスの動画などを見ていると多い印象ですので、参考にしつつコンパクトにまとめられそうです。

アジェンダはいらない

「なんで先に話す内容教えちゃうの?!」とのことでした。

時間を確保してその場に参加している以上、参加者が内容を聞いていないということはあり得ない(特に FlutterNinjas などの大きなカンファレンスは何万円という参加費もかかる)ですので、先に段取りを伝えずとも 次はどんな話に展開していくんだろう? 的なワクワクがあった方が楽しめるということなのかなと推測しています。

書いたことそのまま読むのは無駄

「資料に書いた文章をそのまま読み上げる」のは本当に時間の無駄とのことでした。

これは自分としてもまったくおっしゃる通りという感覚で、 資料に書いてあることは読めばわかるのだから、書いたなら話さなくて良いし、話すのならキーワードを並べるくらいにしておけば良い とのことです。

聞く側の視点で考えると、たしかに資料を眺めつつ同時進行で話を聞く余裕くらいはありますので、無駄に同じことを 2 回言れた感覚で時間も無駄になり、ただ読んでるだけ感が出てしまって臨場感もなくなり、ということであまり 生のプレゼンである必要がなくなってしまう ため、もっと資料とトークの役割分担を意識するのが良さそうです。

個人的には、「日本語のプレゼンならその辺は考慮するのだけど英語のプレゼンとなると話す内容を思い出すために文章が必要」という理由で読み上げがちになってしまったのですが、「ならそれをスピーカーノートに書いておけばいいじゃん」とのことでした。おっしゃる通りです。いままでスピーカーノートを用意することがなかった(読み上げるだけになるリスクがあるので)のですが、うまい活用方法を知ることができた気がします。

デモ大事

「Apple とか Google の発表もデモで盛り上がるでしょう?」とのことでした。これは確かにそうですね。仕事でもそうですが、やはり触って動かせるものがあると楽しさや伝わりやすさが違います。

王様みたいに傲慢で良い!

プレゼンの時間は発表者に全ての主導権があるので、 どんどん自分のやりたいことをして伝えたいことを言えば良い という感じのことをおっしゃっていました。

発表を面白くするアイデアがあれば入れればいいし、知らないことは知らないと言えばいいし、引っかかるところがあれば質疑応答で聞くだけだし、トラブルが発生すれば参加者全員が助けてくれるし、少なくとも「恐縮」する必要はまったくなさそうです。

「この時のために時間をかけて準備したプレゼン、もちろんみんなは聞いてくれるよね?(威圧)」くらい自信を持つくらいでちょうど良さそう[2]ですし、実際みなさん真剣に聞いて発表後は気になったことをどんどん質問してくださいました。


という感じでした。

総じて、 記事ではなく録画でもなく生のプレゼンであることを最大限活かしたい よね、ということなのかなと思います。限られた時間の中で、でもそこにいる全員がその発表に集中している状況で何をどう工夫したら楽しめるのか、逆に何をしたら「それなら後で記事読めばいいよね」になってしまうのか、という観点を見直しポイントに入れておくことで次のプレゼンをブラッシュアップできそうです。

念のため補足すると、「日本人の発表は上記の理由でダメ!」という話ではなく 「せっかく内容が素晴らしいのに、これのせいで大学生の発表みたいに堅くなってしまってもったいない!」 という感じで出てきた意見ですので、うまく取り入れていくことで「日本人の発表は面白い」ことをもっとアピールしていけそうです。

ちなみに語学力に関する話題は一言も出てきませんでした。確かに聞いている側としても内容に集中していれば言語の癖なんてほぼ気にならなかった記憶ですので、「英語を話すのが難しそうだから」でプロポーザル出すのを躊躇するのはもったいないと言えそうです。

FlutterNinjas も来年には第2回を開催されるということで(ありがとうございます!)、また韓国や台湾でもアジア周辺を中心に人を集めて国際的なイベントをやっていきたいと主催者の方々が話されており、 「海外の人に向けて英語で発表する」機会はこれからどんどん増えていく ことが予想されます。

日本は良くも悪くも日本に閉じてコミュニティや仕事が完結できてしまう特徴があるためにあまり海外に向けて発信する必要性が薄くなりがちですが、この記事がこれから海外に向けたアウトプットをしていきたい方の役に立てればと思います。

脚注
  1. あくまで John さんやそこで一緒に話をしていた方々の感覚であって、「日本人以外の世界中の人はこう思っている」という主語デカな話ではないことにご注意ください。またもちろん日本人全員が当てはまるという主語デカな話でもないですのでご了承ください。あくまでそういう傾向がある(そして自分は全部当てはまった)、というだけです。 ↩︎

  2. あくまで心持ち的な話です。 ↩︎

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