第2回:AutoHotkey v2で入力システムを作る
はじめに
前回は、ポケベル入力をテンキーで再現する構想と設計思想について紹介しました。今回は、実際にその仕組みを作るためのツール「AutoHotkey v2」の導入と、基本的なスクリプトの書き方について解説します。
🛠 なぜAutoHotkey v2を選んだのか?
AutoHotkeyは、Windows環境でキーボードやマウスの操作を自動化できる軽量スクリプト言語です。v2では構文がよりモダンになり、関数ベースの記述が可能になったことで、可読性と保守性が向上しています。
主な理由:
キー入力のフックが簡単にできる
状態管理がしやすい(グローバル変数、関数)
GUIや設定ファイルとの連携も可能
無料で軽量、インストールが簡単
💻 AutoHotkey v2の導入手順
① ダウンロード
公式サイト https://www.autohotkey.com/
から「AutoHotkey v2」をダウンロードします。
② インストール
インストーラーを実行し、「Express Installation」を選択すれば完了です。
③ スクリプトファイルの作成
デスクトップなどで右クリック → 「新規作成」→「AutoHotkey Script」
ファイル名を 2touch.ahk に変更
右クリック → 「編集」でスクリプトを記述
✍️ 最初のスクリプト例
以下は、テンキーの「8」を押したときに「か行」を記録する処理の例です:
global firstKey := ""
Numpad8:: {
firstKey := "ka"
}
そして、次に「7」を押したときに「か」を確定する処理:
Numpad7:: {
if (firstKey = "ka") {
Send("ka")
}
firstKey := ""
}
このように、1回目の入力で状態を記録し、2回目で確定するという流れを作ります。
🧪 実行と確認
スクリプトを保存したら、ダブルクリックで起動します。
タスクトレイにAutoHotkeyのアイコンが表示されていれば、スクリプトが動作中です。
入力テストは、メモ帳などで行うと確認しやすいです。
🔜 次回予告
次回は、テンキー入力のロジック設計について詳しく解説します。行・段のマッピングや状態管理の工夫を紹介します。
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