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rustup で Rust コンパイラーを簡単インストール

2023/12/19に公開

TL;DR

  • macOSやLinuxでRustの開発環境を用意するには、rustupを利用するのが一番簡単です
  • バージョン管理や、ビルドターゲットの管理などもrustupで行えます
  • 使用するリリースチャンネルの指定もできます

対象となる環境

rustupはmacOSとLinuxで動作します。Windowsの場合は、Visual Studio(2013 以降)もしくは、Visual C++ Build Tools 2015のインストールが必要です。また標準のツールチェーンをx86_64-pc-windows-msvcへと変更する必要もあります。

まっさらな環境へインストールするには

次のようにrustup のサイトにあるコマンドをコピペして実行するだけでインストールが始まります。

% curl https://sh.rustup.rs -sSf | sh

上記のコマンドを実行すると、途中で次のように表示されてインストール設定の変更を行うかどうかを確認されます。1を入力すれば、最新のstable版がインストールされます。なおこの時インストールされるのは、rustccargorustupの3コマンドです。

Current installation options:

   default host triple: x86_64-apple-darwin
     default toolchain: stable
  modify PATH variable: yes

1) Proceed with installation (default)
2) Customize installation
3) Cancel installation

パスの設定

環境変数の変更を行なった場合、~/.cargo/envに環境変数の設定ファイルが作成されます。これを
.zshrcなどで読み込むことで、パスの設定が行われます:

source ~/.cargo/env

インストール設定の変更

次の画面が表示された時に2を選ぶと、インストールするツールを変更できます。ターゲットとするアーキテクチャ、リリースチャンネル、環境変数PATH
の変更するかしないかを、対話的に設定します。

Current installation options:

   default host triple: x86_64-apple-darwin
     default toolchain: stable
  modify PATH variable: yes

1) Proceed with installation (default)
2) Customize installation
3) Cancel installation

例えば、macOS 向けの Rust
コンパイラーを、betaチャンネルからインストールして、環境変数を変更しないなら、次のように設定します。

項目
default host triple x86_64-apple-darwin
default toolchain beta
modify PATH variable n

multirust からの引越し

次の 4 ステップで multirust からの引越しができます。

  1. multirust のアンインストール
  2. ~/.multirust の削除
  3. /usr/local/lib/rustlib/uninstall.sh
    が削除されているか確認し、削除されていなければ削除する
  4. まっさらな環境へのインストールするように、rustup をインストールする

コマンドを順に書くと次のようになります:

% curl -sf https://raw.githubusercontent.com/brson/multirust/master/blastoff.sh | sh -s -- --uninstall
% rm -rf ~/.multirust
% rm -f /usr/local/lib/rustlib/uninstall.sh
% curl https://sh.rustup.rs -sSf | sh

rustup でできること

Rust コンパイラーのインストール以外に、次のことが可能です。

  • 最新バージョンへのアップデート
  • 異なるリリースチャンネルからのインストール
  • 使用するツールチェーンの設定(リリースチャンネル、バージョン番号)
  • ビルドターゲットの追加・削除

ここでは上の
2つ、アップデートと異なるリリースチャンネルからのインストールについて、少し説明します。

最新バージョンへアップデートするには

次のように update コマンドを rustup で実行します。

% rustup update

rustup 自体のアップデート

rustup 自体のアップデートは以下のようにします。

% rustup self update

なお、rustup のバージョンは-Vオプションで確認できます。

% rustup -V

異なるリリースチャンネルからのインストール

Rust には stable / beta / nightly と呼ばれる
3つのリリースチャンネルがあります。nightly
は最新の開発版で、stableがリリース版です。beta では
nightlyでのテストが終わりリリースに向けた機能が利用できます。

それぞれのリリースチャンネルからインストールできるほか、使用するリリースチャンネルの変更や、リリースチャンネルを指定した実行が行えます。

installコマンドに続いて、リリースャンネルを指定することで、そのチャンネルからツールをインストールします。例えばbetaチャンネルからのインストールは、次のように行います:

% rustup install beta

インストールした beta
チャンネルのコンパイラーを標準で利用するなら、次のようにdefaultコマンドを実行します

% rustup default beta

標準の環境は変えないけれど、このプロジェクトは
nightlyでビルドしたい。そんな時は、runコマンドを使うと、実行に使用するツールのリリースチャンネルを指定できます。

% rustup run nightly cargo run

まとめ

Rustを始めるなら、ターミナルを開いて、ただ% curl https://sh.rustup.rs -sSf | shとやれば必要なツールがインストールできます。楽ですね。rustupで楽しいRustecianライフを始めてください。

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