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Obsidianとは?使い方やLLMとの親和性について

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導入

最近「Obsidian」というツールの名前をよく耳にしませんか?
メモアプリやノート管理ツールは数多くありますが、Obsidianは他と一線を画す「知識のネットワーク化」に特化したツールです。
私もかれこれ3年ほど愛用しています。
本記事では、Obsidianの基本から、便利な使い方、最近話題のLLM(大規模言語モデル)との親和性や活用法までをまとめてみます。
「メモを資産に変えたい」「AIを活用した知識管理に興味がある」という方は、ぜひ最後までご覧ください。

Obsidianとはどんなツールか

https://obsidian.md/
https://publish.obsidian.md/help-ja/ここからはじめる

Obsidianは「ローカルで動作するMarkdownベースのノートアプリ」です。
単なるメモアプリではなく、以下の特徴を持っています。

  • リンクによるノート同士の相互接続
  • グラフビューでノート間の関係性を可視化
  • 完全オフラインで利用可能(データは自分のPC内に保存)
  • 豊富なプラグインによるカスタマイズ性
  • 基本機能は完全無料で利用可能

基本機能が無料」という点は大きな魅力です。
Obsidianは有料の「Catalystライセンス」「商用ライセンス」「Obsidian Sync」などの追加オプションも用意されていますが、個人利用であればほとんどの機能を追加料金なしで使えます。

💡 ポイント
無料版でもリンク機能・グラフビュー・プラグイン利用が可能なので、コストをかけずに強力な知識管理ツールを導入できます。

また、「ノート同士をリンクで結びつける」機能が強力で、例えば以下のようなイメージでノートがつながっていきます。

ノートA → ノートB → ノートC
       ↘︎ ノートD

これにより、情報が単なる「点」ではなく「ネットワーク」として蓄積され、知識の探索や再発見がしやすくなります。

どんな使い方をすると便利か

Obsidianの使い方は多岐にわたりますが、特におすすめの用途をいくつか紹介します。

1. Zettelkasten(ツェッテルカステン)メソッドの実践

Obsidianは「Zettelkasten(ツェッテルカステン)メソッド」との相性が抜群です。

Zettelkastenとは、ドイツの社会学者ニクラス・ルーマンが考案した知識管理の方法論で、以下の特徴を持ちます。

  • 知識を小さな単位(ノート)に分ける
  • 各ノートに一意のIDを付与する
  • ノート同士を相互リンクでつなげる
  • アイデアや知識を線的ではなくネットワーク的に整理する

この方法により、単なる情報の蓄積ではなく、知識同士のつながりや関連性を重視した「生きたノート」 が構築されます。

✅ Zettelkastenメソッドの基本フロー

  1. 一つのノートには一つのアイデアのみを書く
  2. 他のノートと関連する場合はリンクを貼る
  3. 新しいノートを作成する際も既存ノートとリンクを意識する
  4. 時間が経つほどノート間のネットワークが広がる

例えば「リモートワーク」というノートを作成したとき、関連する「時間管理」「チームコミュニケーション」といったノートにリンクを貼るイメージです。

[リモートワーク] ── [時間管理]
        │
        └── [チームコミュニケーション]

Obsidianではこのリンクがクリック一つで行えるため、Zettelkastenの思想を実践しやすく、さらにグラフビューでネットワークの成長を視覚化できます。

💡 ポイント
ノート作成の目的は「完璧なまとめ」ではなく「思考を進める足場」を作ること。
小さくてもいいので、アイデアが浮かんだ時にどんどん書き出し、リンクで育てていきましょう。

このようにZettelkastenメソッドをObsidianで実践することで、学びが有機的に広がる「第二の脳」 として活用できます。

2. 技術情報・エラーログの蓄積

エラー解決方法や技術TIPSをObsidianに記録しておくと、後から検索・リンクで再利用しやすくなります。
例えば「Docker エラーまとめ」「MySQL クエリ最適化」など、カテゴリごとにノートを分けてリンクしておくと便利です。

3. 日記・ジャーナリング

日付ごとにノートを作成し、日々の気づきや学びを書き留めるのもおすすめです。
Obsidianには「Daily Notes」機能があり、自動で日付付きノートを作れます。

4. グラフビューイメージ

Obsidianの魅力の一つが「グラフビュー」です。
グラフビューとは、ノート間のリンク関係をネットワーク図として視覚化する機能です。
各ノートが「ノード(点)」として表示され、リンクによって「エッジ(線)」が引かれます。

例えば以下のように見えます。

[ノートA]──[ノートB]
     │        │
   [ノートC]──[ノートD]

グラフビューを使うことで、以下のようなメリットがあります。

  • 自分の知識のつながりを俯瞰できる
  • 孤立しているノートを見つけ、リンクの不足に気づける
  • 新しいアイデアや関連性の発見につながる

また、グラフは全体表示だけでなく、特定ノートを中心にした「ローカルグラフ」も表示可能です。
たとえば「MySQL」というノートを中心に、そこからリンクされている周辺ノートだけを絞り込んで可視化することができます。

グラフの見た目はノードサイズ、色、フィルタリング条件などカスタマイズ可能で、大規模なノート群でも見やすく調整できます。

💡 Tips
プラグインを使えば、さらに高度なグラフ分析やエクスポートも可能です。

LLMと親和性が高いと言われている理由とその活用法

近年、ChatGPTなどのLLM(大規模言語モデル)の登場で「Obsidian × AI」の活用が注目されています。
その理由と活用法を例示します。

親和性が高い理由

  1. データがローカルにMarkdown形式で保存されている
    → LLMで扱いやすいプレーンテキスト形式で、直接ファイルにアクセス・編集が可能です。

  2. リンク構造が明示的
    → ノート間の関係性をLLMに読み込ませることで「文脈を持った情報処理」がしやすい。

  3. APIやプラグインによる拡張性
    → LLMを活用した自動タグ付けや要約、質問応答機能を追加できる。

活用例

  • ChatGPTでノート内容の要約生成
    ノート全文をプロンプトとしてChatGPTに渡し、数行の要約を追記するプラグインが開発されています。

  • ノート間リンクの自動提案
    似た内容のノートをAIが解析し、関連ノートへのリンクを自動提案。

  • 自作チャットボットへの知識供給
    Obsidian内のノート群をLLMにインポートし、自分専用のQ&Aボットを作成。

このように、Obsidianの「オープンなデータ形式」と「ネットワーク型知識管理」の特徴が、LLMの力を引き出す基盤となっています。

まとめ

Obsidianは「自分だけの知識のネットワーク」を構築できる強力なツールです。
メモアプリの枠を超え、学びや経験を有機的につなげる場を提供してくれます。
さらにLLMとの組み合わせによって、自動化や知識活用の可能性が大きく広がっています。

「ただのメモ」で終わらせず、AIと連携した知識管理を試してみたい方は、Obsidianをぜひ試してみてください。

補足

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