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若手エンジニアの抱くキャリアパスの悩みを分解整理

2024/07/24に公開

はじめに

若手のエンジニアから
「この先自分がどんなキャリアパスを描けばいいのかわからない」
という話を最近聞いたので、同じように悩んでいる方の参考になればと思いまとめてみます。

課題整理

若手エンジニアがキャリアパスを明確に描けない理由を整理してみます。

Who(誰が)

  • 若手エンジニア
    • 経験が浅く、自分のキャリアについての明確なビジョンを持っていないことが多い。

What(何が)

  • キャリアパスを描けない
    • 自分の将来のキャリアの方向性や目標が不明確で、どの道を進むべきか分からない。

When(いつ)

  • 初期キャリア段階
    • キャリアの初期段階であり、スキルや経験がまだ十分に積み重ねられていない時期。

Where(どこで)

  • 職場や業界全体
    • 特定の企業内だけでなく、業界全体の状況も影響する。

Why(なぜ)

1. 情報不足

  • キャリアオプションの認識不足
    • さまざまなキャリアパスについての情報が不足していると、自分に合った道を見つけるのが難しくなる。
  • 業界トレンドの理解不足
    • 最新の技術トレンドや業界の需要を知らないと、将来のキャリアを予測するのが難しくなる。

2. メンターシップの欠如

  • 指導者の不在
    • 経験豊富なメンターやロールモデルがいないと、キャリアパスを明確に描く手助けが得られない。
  • フィードバック不足
    • 適切なフィードバックを受ける機会が少ないと、自分の強みや改善点を把握しにくくなる。

3. 自己認識の不足

  • 自己分析の不足
    • 自分の興味や強み、価値観を十分に理解していないと、適切なキャリアパスを見つけるのが難しい。
  • 経験不足
    • さまざまなプロジェクトや役割を経験していないと、自分に合った道を見つけにくい。

4. キャリアサポートの不足

  • キャリア開発プログラムの不備
    • 企業が若手エンジニアのためのキャリア開発プログラムを提供していない場合、方向性を見失いやすい。
  • 成長機会の不足
    • スキルアップや新しい技術を学ぶ機会が少ないと、将来のキャリアを見据えるのが難しい。

5. 市場の不確実性

  • 業界の変動
    • テクノロジー業界は変化が激しいため、将来の展望を描きにくい。
  • 経済状況の変化
    • 経済の変動や市場の需要の変化により、特定のキャリアパスが不安定になる。

6. パーソナルな要因

  • モチベーションの欠如
    • 仕事に対するモチベーションが低いと、長期的なキャリアパスを考える意欲が湧かない。
  • ワークライフバランスの問題
    • プライベートの事情やワークライフバランスの問題がキャリア計画に影響を与えることがある。

7. 選択肢の多さ

  • 選択肢が多すぎる
    • 多くの選択肢があると、どの道を選べばよいか迷ってしまう。
  • 決断力の欠如
    • 優柔不断であるため、明確な決断ができずにキャリアパスを描けないことがある。

解決方法

考えられる解決方法をまとめてみます。

How(どのように)

解決のアプローチとしては以下のようなものが考えられます。
所属会社の上司・メンター・トレーナーの尽力が不可欠だと思いますが、
若手エンジニアも、会社の制度を能動的に利用するような心構えをもって
行動することが大切だと思います。

  • キャリア面談の実施
    • 定期的な個別面談を通じて、目標や興味について話し合う。
  • メンターシッププログラムの導入
    • 経験豊富なメンターとの関係を築く機会を提供する。
  • スキル開発の支援
    • トレーニングやセミナーへの参加を奨励し、必要なリソースを提供する。
  • キャリアパスの多様性を示す
    • 異なるキャリアパスについての情報を提供し、それぞれの役割の違いを説明する。
  • フィードバックの提供
    • 定期的なパフォーマンスレビューを通じて、強みや改善点についてのフィードバックを提供する。
  • プロジェクトのアサインメント
    • 様々なプロジェクトやタスクを任せ、異なる経験を積ませる。
  • キャリア目標の設定
    • SMART(※1)な目標設定を支援し、その進捗を定期的に確認する。

※1:SMARTフレームワーク

目標設定を効果的に行うためのフレームワークです。
SMARTは、以下の5つの単語の頭文字を取ったものです。

  • Specific(具体的)
  • Measurable(測定可能)
  • Achievable(達成可能)
  • Relevant(関連性がある)
  • Time-bound(期限がある)

以下のようなメリットがあります。

  • 目標が明確になり、達成しやすくなる
  • 進捗状況を把握しやすくなる
  • モチベーションを維持しやすくなる

SMARTフレームワークの各要素は以下です。

1. Specific(具体的)

目標は、できるだけ具体的に設定することが重要です。
「エンジニアの基礎知識を向上させる」という目標よりも、「基本情報技術者の資格を取得する」という目標の方が、より具体的です。

2. Measurable(測定可能)

目標は、数値などで測定できることが重要です。
「pythonのスキルを向上させる」という目標よりも、「python技術問答を100問解く」という目標の方が、より測定可能です。

3. Achievable(達成可能)

目標は、達成可能なものであることが重要です。
あまりにも高い目標を設定してしまうと、モチベーションが低下してしまう可能性があります。
自分の能力や状況を考慮した、現実的な目標を設定することが大切です。

4. Relevant(関連性がある)

目標は、自分の仕事や組織の目標と関連性があるものであることが重要です。
自分にとって意味のない目標を設定しても、モチベーションを維持することは難しいかもしれません。

5. Time-bound(期限がある)

目標には、期限を設定することが重要です。
期限がないと、目標達成に向けて努力する意識が薄れてしまいます。
具体的な期限を設定することで、目標達成に向けて集中して取り組むことができます。

エンジニアのキャリアパスの多様性

Howの項で「所属組織の上司・メンター・トレーナーの尽力が不可欠」と書きましたが、
自発的にできることもあると思います。
例えば、今IT業界ではどんなキャリアが存在しているのかを整理してみて
自分が興味ある方向が何なのかを自己分析してみるなどです。

エンジニアのキャリアパスは、多様な分野や役割に分かれており、
それぞれが異なるスキルセットや経験を必要とします。
以下に、一般的なエンジニアのキャリアパスをいくつか挙げてみます。

ソフトウェアエンジニアリング

  1. ジュニアソフトウェアエンジニア
    • 基本的なプログラミングスキルを持ち、シニアエンジニアの指導のもとで作業を行う。
  2. ソフトウェアエンジニア
    • 独立してプロジェクトを担当し、設計から実装、テストまでを行う。
  3. シニアソフトウェアエンジニア
    • 複雑なシステムの設計・実装を担当し、ジュニアエンジニアを指導する。
  4. リードソフトウェアエンジニア
    • プロジェクト全体の技術的な方向性を決定し、チームをリードする。
  5. ソフトウェアアーキテクト
    • システム全体のアーキテクチャを設計し、技術的な戦略を策定する。

データエンジニアリング

  1. ジュニアデータエンジニア
    • 基本的なデータ処理スキルを持ち、データパイプラインの構築をサポートする。
  2. データエンジニア
    • データパイプラインやETLプロセスを設計・実装する。
  3. シニアデータエンジニア
    • 複雑なデータシステムの設計・実装を担当し、データの品質と効率を最適化する。
  4. データアーキテクト
    • データインフラの全体設計を担当し、ビジネス要件に基づいたデータ戦略を策定する。

データサイエンス

  1. ジュニアデータサイエンティスト
    • 基本的なデータ分析スキルを持ち、データセットのクリーニングや前処理を行う。
  2. データサイエンティスト
    • データ分析やモデル構築を行い、ビジネス上の意思決定をサポートする。
  3. シニアデータサイエンティスト
    • 複雑なデータモデリングを行い、データ分析の戦略を策定する。
  4. リードデータサイエンティスト
    • データサイエンスチームをリードし、プロジェクト全体の戦略と方向性を決定する。

プロジェクトマネジメント

  1. ジュニアプロジェクトマネージャー
    • プロジェクト管理の基本を学び、シニアプロジェクトマネージャーのサポートを行う。
  2. プロジェクトマネージャー
    • プロジェクトの計画、実行、監視を担当し、チームの進捗を管理する。
  3. シニアプロジェクトマネージャー
    • 大規模かつ複雑なプロジェクトを管理し、複数のチームを統括する。
  4. プロジェクトディレクター
    • 複数のプロジェクトを統括し、全体のプロジェクトの成功を保証する。

製品管理(プロダクトマネジメント)

  1. ジュニアプロダクトマネージャー
    • 製品開発の基本を学び、プロダクトマネージャーのサポートを行う。
  2. プロダクトマネージャー
    • 製品のライフサイクル管理を担当し、市場のニーズに応じた製品戦略を策定する。
  3. シニアプロダクトマネージャー
    • 複雑な製品の開発をリードし、チームを統括する。
  4. プロダクトマネジメントディレクター
    • 複数の製品ラインを統括し、全体の製品戦略を策定・実行する。

インフラエンジニアリング

  1. ジュニアインフラエンジニア
    • 基本的なインフラスキルを持ち、シニアエンジニアのサポートを行う。
  2. インフラエンジニア
    • ネットワークやサーバーの管理を行い、システムの安定稼働を保証する。
  3. シニアインフラエンジニア
    • 複雑なインフラ設計・運用を担当し、インフラの最適化を行う。
  4. インフラアーキテクト
    • インフラ全体の設計を担当し、ビジネス要件に応じたインフラ戦略を策定する。

セキュリティエンジニアリング

  1. ジュニアセキュリティエンジニア
    • 基本的なセキュリティスキルを持ち、セキュリティ対策のサポートを行う。
  2. セキュリティエンジニア
    • システムのセキュリティ対策を設計・実装し、セキュリティリスクを管理する。
  3. シニアセキュリティエンジニア
    • 複雑なセキュリティ問題を解決し、組織全体のセキュリティポリシーを策定・実施する。
  4. セキュリティアーキテクト
    • 企業全体のセキュリティアーキテクチャを設計し、長期的なセキュリティ戦略を策定する。

サイトリライアビリティエンジニアリング(SRE)

  1. ジュニアSRE
    • 基本的な運用・監視スキルを持ち、シニアSREのサポートを行う。
  2. SRE
    • サービスの可用性、パフォーマンス、信頼性を維持するための運用業務を行う。
  3. シニアSRE
    • システムの信頼性向上を目的としたプロジェクトをリードし、運用プロセスを最適化する。
  4. リードSRE
    • SREチームをリードし、運用戦略を策定・実施する。

クラウドエンジニアリング

  1. ジュニアクラウドエンジニア
    • 基本的なクラウドプラットフォームの操作スキルを持ち、クラウド環境の構築をサポートする。
  2. クラウドエンジニア
    • クラウドインフラの設計・実装を行い、クラウドリソースの最適化を担当する。
  3. シニアクラウドエンジニア
    • 複雑なクラウドアーキテクチャを設計・実装し、クラウド戦略を策定する。
  4. クラウドアーキテクト
    • 企業全体のクラウド戦略をリードし、最適なクラウドソリューションを設計する。

フロントエンドエンジニアリング

  1. ジュニアフロントエンドエンジニア
    • 基本的なHTML、CSS、JavaScriptのスキルを持ち、UIの実装をサポートする。
  2. フロントエンドエンジニア
    • Webアプリケーションのフロントエンドを設計・実装し、ユーザーインターフェースの改善を行う。
  3. シニアフロントエンドエンジニア
    • 複雑なUI/UXデザインを実現し、フロントエンドのベストプラクティスを導入する。
  4. リードフロントエンドエンジニア
    • フロントエンドチームをリードし、全体のフロントエンド戦略を策定する。

バックエンドエンジニアリング

  1. ジュニアバックエンドエンジニア
    • 基本的なサーバーサイドプログラミングスキルを持ち、APIの実装をサポートする。
  2. バックエンドエンジニア
    • サーバーサイドアプリケーションの設計・実装を行い、データベース管理を担当する。
  3. シニアバックエンドエンジニア
    • 複雑なバックエンドシステムの設計・実装を行い、スケーラビリティとパフォーマンスを最適化する。
  4. リードバックエンドエンジニア
    • バックエンドチームをリードし、全体のバックエンド戦略を策定する。

DevOpsエンジニアリング

  1. ジュニアDevOpsエンジニア
    • 基本的なCI/CDツールや自動化スクリプトのスキルを持ち、システムのデプロイをサポートする。
  2. DevOpsエンジニア
    • CI/CDパイプラインの設計・実装を行い、インフラの自動化を推進する。
  3. シニアDevOpsエンジニア
    • 複雑なデプロイメントプロセスを最適化し、インフラのスケーラビリティと信頼性を向上させる。
  4. リードDevOpsエンジニア
    • DevOpsチームをリードし、全体のDevOps戦略を策定する。

モバイルエンジニアリング

  1. ジュニアモバイルエンジニア
    • 基本的なモバイルアプリ開発スキル(iOS/Android)を持ち、アプリの実装をサポートする。
  2. モバイルエンジニア
    • モバイルアプリの設計・実装を行い、ユーザーエクスペリエンスの向上を目指す。
  3. シニアモバイルエンジニア
    • 複雑なモバイルアプリの設計・実装を行い、アプリのパフォーマンスとセキュリティを最適化する。
  4. リードモバイルエンジニア
    • モバイル開発チームをリードし、全体のモバイル戦略を策定する。

おわりに

今回書いたキャリアパスや解決アプローチはあくまで一例であり、
実際の企業や業界によってはさらに細分化されたり、異なる事情が存在することもあると思います。

若手エンジニアには、自分の興味や目標に沿ったキャリアパスを選択し、
スキルを磨いていくことが大切(若手に限らないけど)だと思います。
興味があるものもよくわからないと言った場合は、
各キャリアの今後の需要や報酬面で比較してみるのも一手だと思います。

合同会社カメレオンミーム Tech Blog

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