🕶️

沼にはまるエディタ探しの旅

2024/07/22に公開

はじめに

現状の環境に満足していても、なぜか新しいエディタを試してみたくなる

そんな経験は、ありませんか?

愛用のエディタとともに、快適に生活を送っているはずなのに、
ふと訪れる「新しいエディタを試してみたい」という衝動。
今の環境に不満があるわけではないのに、
なぜか心惹かれてしまうのは、エディタ探しの沼の深さゆえでしょうか?

機能比較、レビューを読み漁り、実際に触ってみる

まるで宝探しのように、様々なエディタを探し求め、その特徴や魅力を比較検討します。
しかし、いざ使ってみると、使い慣れたエディタの方が快適に感じることも。
それでも、新しいエディタの可能性は捨てきれない!

沼から抜け出すための葛藤

新しいエディタに移行すれば、慣れない操作に戸惑い、生産性が低下してしまうかもしれない…
しかし、今のエディタを使い続けることで、モダンな機能を使えてないのではないかという不安も…

試行錯誤の末、たどり着く最適解

様々なエディタを試した結果、結局は愛用のエディタに戻ってくることもあれば、
思いがけない新天地を発見することも。

エディタ紹介

今回は、MacOSで利用可能なエディタをいくつか紹介してみます。
ローカルで利用が完結するものをピックアップしています。

定番

mi

https://www.mimikaki.net/
軽量で高速な動作と自由度の高い拡張性を兼ね備えた、エディタです。
シンプル設計による軽快な動作は、ストレスなく作業を進められます。
さらに、モードやプラグインと呼ばれる拡張機能を豊富に用意することで、
C言語をはじめとした様々なプログラミング言語開発に特化した機能を
自由に追加・カスタマイズすることができます。
プロジェクト全体を跨いでファイルを検索できるマルチファイル検索機能や、
高度な検索条件を設定できる正規表現検索機能など、
効率的な作業をサポートする機能も充実しています。
日本語環境にも対応しているので、ストレスなく快適に利用できます。
無料でオープンソースという点も魅力です。

主な機能・特徴は以下の通りです。

  • コード補完
  • 複数ファイル同時編集
  • マクロ機能
  • AppleScriptによる自動化
  • Git連携
  • FTP・SFTPクライアント機能
  • 日本語を含む多言語対応

sublimetext

https://www.sublimetext.com/
高速な動作と豊富な機能が特徴のテキストエディタです。
クロスプラットフォームに対応し、Windows、Mac、Linuxで利用できます。

主要な機能は以下の通りです。

  • 高速なファイル読み込み・書き込み
  • コード補完
  • 複数カーソルによる同時編集
  • キーバインドのカスタマイズ
  • プラグインによる機能拡張
  • ミニマップ
  • シンタックスハイライト
  • コード折りたたみ
  • IME対応

無料版と有料版があります。
無料版でも十分な機能を備えていますが、有料版ではさらに多くの機能を利用できます。
プログラミングやWeb制作など、様々な用途で利用できる汎用性の高いエディタです。
軽快な動作と多彩な機能で、開発を快適にしたい方におすすめです。

CotEditor

https://coteditor.com/
Mac専用の無料テキストエディタです。
軽量で高速な動作とシンプルなインターフェースが特徴で、ストレスなくテキスト編集できます。

主な機能・特徴は以下の通りです。

  • 高速な起動と動作
  • 豊富な検索・置換機能
  • 正規表現による高度な検索
  • アウトライン表示
  • 複数ファイル同時編集
  • カスタマイズ可能なキーバインド
  • 日本語を含む多言語対応

Markdown記法にも対応しており、ブログ記事やドキュメントの作成にも適しています。
シンプルで使いやすいエディタを探している方におすすめです。

BBEdit

https://www.barebones.com/products/bbedit/
高機能テキストエディタです。
豊富な機能と高いカスタマイズ性が特徴で、
プログラミング、Web制作、システム管理など、様々な用途で利用できます。

主な機能・特徴は以下の通りです。

  • 多彩なテキスト編集機能
  • 強力な検索・置換機能
  • 正規表現による高度な検索
  • コード補完
  • 複数ファイル同時編集
  • マクロ機能
  • AppleScriptによる自動化
  • Git連携
  • FTP・SFTPクライアント機能
  • 日本語を含む多言語対応

無料体験版と有料版(約$50)があります。
無料体験版でも十分な機能を備えていますが、有料版ではさらに多くの機能を利用できます。
Macで高機能なテキストエディタを探している方におすすめです。

Jedit Ω

https://www.artman21.com/jp/sparkle/jeditomega.html
軽量で高速な動作と自由度の高い拡張性を兼ね備えたMac専用のテキストエディタです。
Jedit Xというテキストエディタの派生版です。
Jedit Xは2002年にリリースされており、
Jedit ΩはJedit Xの機能を継承しつつ、Mac専用に最適化されています。

主な機能・特徴は以下の通りです。

  • 高速な動作
  • シンプルなインターフェース
  • 豊富なプラグイン
  • 多彩な検索・置換機能
  • 正規表現による高度な検索
  • コード補完
  • 複数ファイル同時編集
  • マクロ機能
  • 日本語を含む多言語対応

豊富な機能と高いカスタマイズ性を備えながらも、無料で利用できる点が魅力です。

歴史ある系譜

Emacs

https://www.gnu.org/software/emacs/
1972年に誕生した歴史あるテキストエディタです。
シンプルな操作でファイルを編集できるだけでなく、
豊富な拡張機能により、プログラミング、文書作成、メール管理など、様々な用途に活用できます。

最大の特徴は、Emacs Lispと呼ばれるプログラミング言語を使って、
エディタの機能を自由に拡張できる点です。
キーバインド変更、独自コマンド作成、複雑な編集処理など、
自分のニーズに合わせたカスタマイズが可能です。

エンジニアを中心に根強い人気を誇っており、
学習曲線はありますが、使いこなせるようになると、効率的な作業環境を構築できます。
近年は、GUI環境も充実しており、初心者でも使いやすいようになっています。

主な機能・特徴は以下の通りです。

  • テキスト編集
    • ファイルの新規作成、編集、保存、検索、置換など
  • プログラミング
    • 各種言語の構文ハイライト、コード補完、デバッガ連携など
  • 文書作成
    • LaTeXやOrg-modeによる論文、レポート作成など
  • メール管理
    • メールの閲覧、送信、受信、整理など
  • その他
    • カレンダー、タスク管理、計算ツールなど

Neovim

https://neovim.io/
Vimの派生であり、2016年に誕生したオープンソースのテキストエディタです。
Vimの伝統的な機能を継承しつつ、拡張性と使いやすさに重点を置いて開発されています。
Luaによるプラグイン開発、ツリービュー、LSP統合など、最新の機能を搭載しています。
また、Vimscriptとほぼ互換性があり、既存のVim設定をそのまま利用することもできます。

主な機能・特徴は以下の通りです。

  • プログラミング
    • 豊富な言語サポート、補完機能、コード整形など
  • 文書作成
    • Markdown、LaTeXなど様々な形式に対応
  • メール管理
    • 専用プラグインでメールの閲覧、送信、受信などを効率化
  • その他
    • タスク管理、カレンダー、メモ帳など幅広い用途に

新進気鋭

zed

https://zed.dev/
2024年1月にオープンソース化された、
Atomの開発者によるRust製の新世代コードエディタです。
高速性、共同編集機能、拡張性などを備えた魅力的なエディタです。
まだリリースされたばかりの新規エディタですが、今後に注目です。

主な機能・特徴は以下の通りです。

  • 高速・軽量
    • Rust製で動作が非常に速く、起動時間も短縮
    • 豊富なショートカットキーで効率的な操作が可能
  • 高機能
    • コード補完、LSP統合、リファクタリング、コードレンズなど、プログラミングに必要な機能を網羅
    • 検索機能も強力で、コード内だけでなくファイル名やコメントも検索可能
  • 共同編集
    • リアルタイムで複数人でコード編集が可能
    • カーソル位置や変更箇所を共有し、チーム開発を効率化
  • 拡張性
    • プラグインシステムにより、機能を拡張
    • 独自のプラグイン開発も可能
  • その他
    • Git統合、ターミナル内蔵、マクロ機能など、便利な機能が多数
    • シンプルで使いやすいインターフェース

IDE(統合開発環境)系

Visual Studio Code(VSCode)

https://code.visualstudio.com/

Microsoftが開発・提供するオープンソースのコードエディタです。
2015年にリリースされ、その拡張性、使いやすさ、豊富な機能から、世界中の開発者に愛用されています。
人気No.1と言っても過言ではない程に普及しています。

主な機能・特徴は以下の通りです。

  • オープンソース
    • 無償で利用でき、ソースコードを自由に改変・配布できます。
  • クロスプラットフォーム
    • Windows、macOS、Linuxに対応し、OS問わず利用可能です。
  • 軽量
    • 動作が軽量で、低スペックなPCでも快適に利用できます。
  • 拡張性
    • 豊富な拡張機能により、様々な言語やツールを統合し、機能を拡張できます。
  • カスタマイズ性
    • インターフェースやワークフローを自由にカスタマイズできます。
  • コード編集
    • 構文ハイライト、コード補完、インデント、コード折りたたみなど、プログラミングに必要な基本的な機能を網羅しています。
  • デバッグ
    • ブレークポイントの設定、変数監視、ステップ実行などが可能です。
  • Git統合
    • Gitとシームレスに連携し、コミット、ブランチ管理、プッシュ/プルなどがIDE内で行えます。
  • ターミナル
    • IDE内にターミナルを統合しており、コマンド実行やスクリプト実行などがシームレスに行えます。
  • その他
    • 豊富な拡張機能により、様々な機能を追加できます。例:コード比較、スニペット、タスク管理など

Eclipse Theia IDE

https://theia-ide.org/

オープンソースの統合開発環境 (IDE) であり、
Visual Studio Codeをベースに構築されています。
高い拡張性と柔軟性を備え、2017年にリリースされました。

主な機能・特徴は以下の通りです。

  • 拡張性

    • 豊富な拡張機能により、様々な言語、ツール、フレームワークを統合し、カスタマイズすることができます。
    • 既存のVisual Studio Code拡張機能の多くも利用可能です。
  • クロスプラットフォーム

    • Windows、macOS、Linuxだけでなく、Webブラウザ上で動作するクラウドIDEとしても利用できます。場所を選ばずに開発環境を構築できます。
  • 高度なコード編集機能

    • コード補完、LSP統合、リファクタリング、コードレンズなど、プログラミングに必要な機能を網羅しています。
    • コード検索機能も強力で、コード内だけでなくファイル名やコメントも検索可能です。
  • 共同編集機能

    • リアルタイムで複数人でコード編集が可能で、カーソル位置や変更箇所を共有し、チーム開発を効率化できます。
  • デバッガ

    • 統合型のデバッガを搭載しており、ブレークポイントの設定、変数監視、ステップ実行などが可能です。
  • ターミナル

    • IDE内にターミナルを統合しており、コマンド実行やスクリプト実行などがシームレスに行えます。
  • Git統合

    • Gitとシームレスに連携し、コミット、ブランチ管理、プッシュ/プルなどがIDE内で行えます。
  • その他

    • マクロ機能
    • 設定同期機能
    • キーバインドカスタマイズ
    • 多言語対応

markdown系

Obsidian

https://obsidian.md/

バックリンク型ノートアプリです。
従来のノートアプリとは異なり、メモやアイデアを双方向リンクで繋ぎ、
知識ベースを構築することに特化しています。

主な機能・特徴は以下の通りです。

  • 双方向リンクとグラフビューによる知識の可視化

    • メモ同士を自由にリンクすることで、断片的な情報を繋ぎ合わせ、思考の整理やアイデアの発想を促進します。
    • グラフビュー機能によってリンク構造を可視化し、知識の全体像を俯瞰的に把握することができます。
  • ローカルファーストによるデータの完全管理

    • 全てのデータをローカル環境に保存するため、プライバシーとセキュリティが確保されています。
    • クラウドサービスに依存することなく、安心して利用することができます。
  • 拡張性の高いプラグインシステム

    • 豊富なプラグインが用意されており、機能を拡張したり、カスタマイズしたりすることができます。
    • 録音、タスク管理、カレンダー連携など、様々なプラグインを活用することで、自分専用のワークスペースへと進化させることができます。
  • 自由度の高いカスタマイズ性

    • テーマ、CSS、JavaScriptなどを編集することで、インターフェースを自由にカスタマイズできます。
    • 自分好みのデザインに設定することで、より快適にObsidianを利用することができます。

zettlr

https://www.zettlr.com/

記事、論文、書籍などの執筆に特化したオープンソースのマークダウンエディタです。
2019年にリリース以来、研究者や作家を中心に多くのユーザーに支持されています。

主な機能・特徴は以下の通りです。

  • シンプルで使いやすいインターフェース
    • 複雑な機能を削ぎ落とし、直感的に操作できるシンプルなインターフェースを提供しています。
  • Zettelkastenメソッドへの対応
    • 文献管理システムであるZettelkastenメソッドに最適化されており、メモ書きやアイデア整理に効果を発揮します。
  • 豊富な機能
    • プレビュー機能、目次生成機能、検索機能、自動保存機能など、執筆に必要な機能を網羅しています。
  • カスタマイズ性
    • テーマやプラグインを追加することで、自分好みのエディタにカスタマイズできます。
  • クロスプラットフォーム
    • Windows、macOS、Linuxに対応しており、OS問わず利用可能です。

macdown

https://macdown.uranusjr.com/

Mac OS向けのオープンソースMarkdownエディタです。
2011年にリリースされて以来、多くのユーザーに愛用されており、
現在でも根強い人気のあるMarkdownエディタの一つとなっています。
シンプルで使いやすい、豊富な機能を備えたオープンソースMarkdownエディタで、
ブログ記事作成、議事録作成、READMEファイル作成、電子書籍作成、メモなど、様々な用途に活用できます。

  • シンプルで使いやすいインターフェース
    • 複雑な機能を削ぎ落とし、直感的に操作できるシンプルなインターフェースを提供しています。
  • 充実したプレビュー機能
    • リアルタイムプレビュー機能に加え、WYSIWYGプレビュー機能も搭載しており、編集画面と出力結果を同時に確認できます。
  • 豊富な機能
    • コードブロックのシンタックスハイライト
    • 画像挿入
    • 表作成
    • 数学記号の挿入
    • Pandocによるファイル形式変換
    • スペルチェック
  • カスタマイズ性
    • テーマやプラグインを追加することで、自分好みのエディタにカスタマイズできます。
  • オープンソース
    • 無料で利用でき、ソースコードを自由に改変・配布できます。

おわりに

エディタ探しは、終わりなき旅路なのかもしれません。
大切なのは、以下かなと思います。

  • 現状に満足せず、常に新しい情報に目を向けること
  • 実際に試してみて、自分に合ったエディタを見つけること
  • エディタに振り回されず、自分のペースで執筆を楽しむこと

焦らず、ゆっくりと自分に合ったエディタを見つけていきましょう。

おまけ

windowsだとサクラエディタのgrep機能の心地よさから離れられずにいます。
https://sakura-editor.github.io/

合同会社カメレオンミーム Tech Blog

Discussion