Google Cloud (Professional Cloud Architect) -Helicopter Racing League-
本記事は、Google CloudのProfessional Cloud Architect認定資格で出題されるケーススタディを分析した記事です。
Google Cloudの認定資格は2年毎に取り直す必要があります。そこで今回は、「Helicopter Racing League」のケーススタディを分析していきたいと思います。
はじめに
- 本記事は個人的にまとめた内容となります。実際の試験では要件が変更され、最適解が変わる可能性があります。参考程度に見ていただけたらと思います。
- 各種サービスの最新情報は公式ドキュメントを参考にしてください。
会社概要
Helicopter Racing League(HRL)は、ヘリコプター レースを主催しているグローバルなスポーツ リーグです。HRL は毎年世界選手権を開催しています。複数の地域リーグの大会があり、 各チームは世界選手権への出場権を競います。HRL では、レースを世界中にストリーミングする有料サービスを提供しています。 その際、各レースにおけるライブでのテレメトリーと予測を行っています。
ソリューションのコンセプト
HRL では、既存サービスを新しいプラットフォームに移行して AI および ML のマネージド サービスの使用を拡大し、レースの予測に役立てたいと考えています。また、 特に新興国でこのスポーツに関心を持つ新しいファンが増えており、 リアルタイムと録画の両方のコンテンツについて、ユーザーの居住地により近い場所でサービ スを提供したいと考えています
既存の技術的環境
HRL はクラウド ファーストを掲げる上場企業で、中心となるミッション クリティカルなアプリケーションは、 同社が現在利用しているパブリック クラウド プロバイダで実行されています。 動画の録画と編集はレース場で行われ、必要に応じてクラウドでコンテンツのエンコードやコード変換が行われます。また、トラックに積まれたモバイル データセンターにより、エンタープライズ クラスの接続とローカル コンピューティングが提供されています。レースの予測サービスは、 既存のパブリック クラウド プロバイダのみでホストされています。現在の技術的環境は次のとおりです。
既存のコンテンツは、既存のパブリック クラウド プロバイダ上のオブジェクト ストレージ サービスに保存されている。
動画のエンコードとコード変換は、各ジョブ用に作成された VM で実行されている。
レースの予測は、既存のパブリック クラウド プロバイダ内の VM で実行される TensorFlow を使用して処理されている。
既存の構成イメージ
ビジネス要件
要件 | 対応ソリューション | コメント |
---|---|---|
HRL の株主は、予測機能の強化と、新興市場の視聴者のレイテンシ低減を求めています。 | VertexAI、CloudCDN | |
パートナー向けに予測モデルを公開できるようサポートする。 | apigee、API Gateway、CloudEndpoints | apigeeはAPI 管理プラットフォームで、「API を設計、保護、分析、スケーリング」します。CloudEndpointsは、GCP 上のアプリケーションをAPI公開するサービスです。ただし、ESPv2というProxyを自ら立てる必要があります。ESPまでマネージドで管理してくれるのがAPI Gatewayになります。 |
以下に関して、レース中およびレース前の予測機能を向上させる。 | ||
レース結果 | Cloud AutoML(VertexAI、AutoML Video) | 映像データを分析する |
機械の故障 | Cloud IoT Core | 機器のデータを収集する(IoT->pub/sub->dataflow->bigquery/bigtableの流れ) |
聴衆の感情 | Natural Language API、Cloud Video Intelligence API | 動画なのでVideo Intelligence APIが適当かもしれないです |
テレメトリーを増やし、追加の分析情報を作成する。 | Cloud IoT Core、BigQuery | IoTCoreで機器情報を収集し、BigQueryで分析する |
新しい予測でファンのエンゲージメントを測定する。 | VertexAI | |
放送のグローバルな可用性と品質を向上させる。 | グローバルロードバランサー | |
同時視聴が可能なユーザー数を増やす。 | CloudCDN | |
運用の複雑さを最小化する。 | CloudBuild、各マネージドサービス | CICD |
確実に規制を遵守する。 | CloudLogging、CloudIAM | IAMとロギングでセキュリティの管理をする |
マーチャンダイジングの収益源を作る。 |
技術的要件
要件 | 対応ソリューション | コメント |
---|---|---|
予測のスループットと精度を維持、強化する。 | Vertex AI Pipelines | MLワークフローをモニタリングする |
視聴者のレイテンシを低減する。 | CloudCDN | |
コード変換のパフォーマンスを向上させる。 | Transcoder API | 動画コード変換はTranscoder APIで可能 |
視聴者の消費パターンとエンゲージメントをリアルタイムで分析する。 | pub/sub->dataflow->bigquery->datalab | |
データマートを作成して大規模なレースデータを処理できるようにする。 | bigquery |
クラウド移行後構成イメージ
AIプロダクトの使い分け
AIプロダクトのサービスが増えてきて、どれを使ったら良いか迷ってしまうため、今回のケーススタディで登場するサービスを簡単にまとめておきます。
サービス | 使いわけ |
---|---|
Video Intelligence API | トレーニング済みのモデルをクイックに使いたい場合 |
AutoML Video Intelligence | 独自モデルをコーディングレスで利用したい場合 |
Vertex AI(Workbench/Pipeline) | 独自モデルをコーディングして作成する場合 |
chameleonmeme.com/ きっかけは、偶然同じ現場で働いていたエンジニア3人の 「もっと仕事にのめり込んだり、熱中したいよね」という雑談でした。 営業から開発、サービスの提供まですべての工程を自分たちの手で行い、 気の合う仲間と楽しく仕事をすることで熱中するためにチームをスタートしました。
Discussion