ChatGPTが破壊しつつあるGoogleのビジネスモデル
はじめに
生成AIの登場により、googleの既存のビジネスモデルにどんな影響を与えたのかをまとめてみます。
今回は、生成AIのことをChatGPTとして説明してみます。
なぜgoogleはChatGPTに脅威を感じたのか
GoogleがChatGPTを脅威と感じる理由は、大きく2つの点に集約されると思います。
1. 検索エンジンとしての地位への脅威
直接的な回答
ChatGPTは、従来の検索エンジンのように単に検索結果のリストを表示するのではなく、
ユーザーの質問に対して直接的な回答を生成します。
これは、ユーザーが求める情報をより迅速かつ正確に得られることを意味し、
Googleの検索エンジンが提供してきたサービスの根幹を揺るがしかねない存在です。
情報収集の効率化
ChatGPTは、膨大な量の情報を学習しており、
複雑な質問に対しても自然な文章で回答することができます。
これにより、ユーザーは複数のウェブサイトを巡回して情報を集める必要がなくなり、
Google検索の利用頻度が低下する可能性があります。
2. AI技術における競争激化
技術革新の加速
ChatGPTの登場は、生成AIという新たな技術分野における競争を激化させました。
Googleも自社のAI技術開発(Geminiなど)に力を入れているように思いますが、
ChatGPTの進歩は、GoogleがAI分野におけるリーダーシップを失う可能性を示唆しています。
新たなビジネスモデルの創出
ChatGPTのような生成AIは、
従来の検索エンジンとは異なるビジネスモデルを生み出す可能性を秘めています。
Googleは、この新たなビジネスモデルに対応するため、
自社のAI技術をどのように活用していくべきかという課題に直面しています。
Webクロール時間の減少とそれに伴う広告収入の減少という側面
より具体的には、ダイレクトに影響を与えたのはこの部分ではないかと思っています。
従来、Googleは膨大なWebページをクロールし、
その情報を基に検索結果を表示することで、ユーザーの検索意図に合った情報を提供してきました。
そして、検索結果に表示される広告から収益を得るというビジネスモデルを確立していました。
しかし、ChatGPTのような生成AIの登場により、このモデルに変化が生じつつあります。
検索エンジンビジネスへの影響
ChatGPTの登場により
以下のような状況に直面することで基幹ビジネスの収益低下が懸念されます。
-
Webクロール時間の減少
- ユーザーがWebページを直接閲覧する機会が減るため、GoogleがWebページをクロールする頻度も減少します。
-
広告表示機会の減少
- ユーザーが検索結果ページにとどまる時間が短くなり、広告をクリックする機会が減る可能性があります。
-
広告収入の減少
- 広告表示回数やクリック数が減少すると、それに伴い広告収入も減少します。
Googleの脅威となる理由
ビジネスモデルの根幹を揺るがす
Googleの基幹ビジネスモデルは、
Webページをクロールし、その情報を基に広告を表示するという構造の上に成り立っています。
ChatGPTのような生成AIの登場は、このビジネスモデルの根幹を揺るがしかねない存在です。
競争の激化
ChatGPTの成功は、他の企業にも生成AIの開発を促し、
検索市場における競争を激化させています。
AI検索エンジンのperplexityなどが良い例かと思います。
Googleは、この激しい競争の中で生き残るために、
新たなビジネスモデルを模索する必要が出てきているように思います。
Googleの対応
Googleもただ手をこまねいているわけではなく
ChatGPTの登場を機に、自社のAI技術開発を加速させています。
- Bard/Geminiの発表
- ChatGPTに対抗する生成AI「Bard/Gemini」を発表し、検索エンジンとの連携を進めています。
- 検索エンジンの機能強化
- 検索結果にAIが生成した回答を表示するなど、検索エンジンの機能を強化しています。
これから大きな変化を起こしそうなもの
SearchGPTが公開される予定です。
情報を迅速かつ正確に取得するための新しい方法として、
従来の検索エンジンの限界を超える可能性を持っています。
そのため、Googleや他の検索エンジン企業にとっても大きな競争相手となり得る技術です。
同じような既存サービスであるperplexityの利用者が急激に伸びていることからも、
大きな影響を及ぼすことが予想されます。
「SearchGPT」とは
OpenAIのGPT(Generative Pre-trained Transformer)技術をベースにした
検索エンジンまたは検索アシスタントの概念を指します。
伝統的なキーワードベースの検索エンジンと異なり、自然言語処理技術を用いて、
ユーザーが自然な言語で質問やクエリを入力すると、
それに対して適切な回答や情報を提供するものです。
機能や特長
1. 自然言語理解
SearchGPTはユーザーが自然な言語で入力した質問や要求を理解し、
それに基づいて適切な情報を提供します。
例えば、「今週末に東京でおすすめの観光地は?」といった質問にも適切に応答できるとされます。
2. 文脈理解
質問の文脈を理解する能力があります。
これにより、続けて行われる関連する質問にも適切に応答することができます。
3. 対話型インターフェース
会話形式でのインタラクションを可能にし、
ユーザーが追加の質問やフォローアップを行いやすくします。
4. 情報の要約
複数の情報源からの情報を要約し、ユーザーに分かりやすい形で提供することができます。
5. パーソナライズ
ユーザーの過去の検索履歴や好みに基づいて、より関連性の高い結果を提供することが可能です。
おわりに
GoogleがChatGPTを脅威と感じるのは、
Webクロール時間の減少とそれに伴う広告収入の減少が、
Googleのビジネスモデルの根幹を揺るがしかねないためです。
Googleは、この状況に対抗するため、
生成AIの開発や検索エンジンの機能強化など、様々な取り組みを進めていますが、
SearchGPTの登場などでまた大きな変化が訪れるかもしれません。
広告をパーソナライズ化することで
マスメディア広告のビジネスモデルを破壊したgoogleが
よりパーソナライズ化された新たなビジネスモデルにより
岐路に立たされているように見えるのは、栄枯盛衰を感じますね。
chameleonmeme.com/ きっかけは、偶然同じ現場で働いていたエンジニア3人の 「もっと仕事にのめり込んだり、熱中したいよね」という雑談でした。 営業から開発、サービスの提供まですべての工程を自分たちの手で行い、 気の合う仲間と楽しく仕事をすることで熱中するためにチームをスタートしました。
Discussion