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React単体とReact×Next.jsの違い

2024/09/27に公開

概要

React単体とReact×Next.jsは、どちらもReactをベースにしたアプリケーション開発に使用されますが、いくつかの重要な違いがあります。ここでは、それぞれの違いを具体的に比較していきます。

1. レンダリング方法

React

Reactは主にクライアントサイドレンダリング(CSR)を行います。これにより、初期表示はHTMLが空で、JavaScriptが実行された後にコンテンツが表示されます。この方式は、初回のロード時間が長くなりがちで、SEOには不利です。

Next.js

Next.jsはサーバーサイドレンダリング(SSR)や静的サイト生成(SSG)をサポートしています。SSRではサーバーで事前にHTMLを生成し、初回表示が高速でSEOにも有利です。また、SSGではビルド時に静的なHTMLを生成し、さらにパフォーマンスを向上させます。

2. ルーティング

React

Reactにはデフォルトのルーティング機能はなく、React Routerのようなサードパーティライブラリを使ってルーティングを管理します。設定は手動で行い、ページごとにルートを作成します。

Next.js

Next.jsはファイルベースのルーティングを採用しており、pagesディレクトリにファイルを配置するだけで、自動的にルートが作成されます。例えば、pages/about.jsは/aboutというURLに対応します。

3. ページ生成の仕組み

React

クライアントサイドで動的にページを生成します。SEOには不利で、初回表示が遅い場合があります。データ取得や表示処理には追加の工夫が必要です。

Next.js

Next.jsはページごとにSSR、SSG、ISR(インクリメンタル静的生成)を使い分けることができ、アプリのパフォーマンスやSEOを最大化することが可能です。

4. APIルート

React

ReactではAPIエンドポイントを作成するために、外部のバックエンドやAPIサービスが必要です。例えば、Node.jsでサーバーを構築するか、外部APIを使用します。

Next.js

Next.jsにはAPI Routesという機能があり、pages/apiディレクトリにエンドポイントを作成することで、簡単にAPIを構築できます。これにより、フロントエンドとバックエンドを統合したアプリケーションを容易に作成できます。

5. パフォーマンス

React

クライアントサイドレンダリングにより、初回ロードが遅くなる場合があります。大量のデータを扱うアプリケーションでは、特にパフォーマンスの最適化が必要です。

Next.js

Next.jsは初期表示を高速にするために、SSRやSSGを活用します。また、自動コード分割により、必要なJavaScriptのみをロードするため、パフォーマンスが最適化されます。

6. SEO(検索エンジン最適化)

React

クライアントサイドレンダリングのため、SEO対応が難しいです。JavaScript実行後にコンテンツが表示されるため、検索エンジンクローラが正確にコンテンツを認識できないことがあります。

Next.js

サーバーサイドレンダリングや静的サイト生成を使って、クローラが正しいHTMLを取得できるため、SEOに非常に有利です。ページごとのメタデータ管理も簡単で、SEO対策がスムーズに行えます。

7. 開発環境とプロジェクトの構造

React

プロジェクトの構造やビルドツールの設定は自由ですが、設定が煩雑になることがあります。SSRや静的ページ生成を実現するには、追加の設定やサードパーティツールが必要です。

Next.js

Next.jsはReactに加えてSSR、SSG、ルーティング、APIルートなどが組み込まれており、設定がシンプルです。フルスタックな開発環境をすぐに整えられます。

まとめ

React単体: クライアントサイドレンダリングに特化しており、自由度が高いが、SSRやSEOには追加の設定やツールが必要。
Next.js: SSR、SSG、APIルート、SEO最適化が容易で、パフォーマンスに優れたフルスタックフレームワーク。初期設定もシンプルで、開発が容易。

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