【Grasshopper】材質や色を同時にベイクする
この記事はGrasshopper(以下GH)のBake(ベイク)時に、GHで定義した材質や色等をそのままオブジェクトに適用し生成する方法を紹介する。
背景
基本設計などの初期デザイン段階において、GHでデザインする時間が主になると、時短のため、GH上で直接オブジェクト色や材質の設定をし、プレビューコンポネント [Custom Preview] で確認しながら全体の方向性を決めていくことが多くなる。
通常は、「さあ、デザインが決まった」というところで、Rhino上にオブジェクトをベイクし、Rhino上で材質設定などのレンダリング準備へと続くのだが、GHで材質などの設定を済ませている場合は、デフォルトのベイクでは材質や色がオブジェクトに適用されないので、材質設定の作業が二度手間になることがある。ここで、「GHのプレビューそのまま材質や色等を同時にBakeできないものか」、という要求が自然とでてくる。
GHオブジェクトに属性をつけてベイクするための方法の一番手っ取り早い方法として、以前であればC#で書かれた非常に便利なGH軽量カスタムコンポーネント "bakeattributes "があった。スクリプトはGiulio Piacentino によって書かれたもので、今でも手には入るが、Rhino 7では機能しなくなってしまったようだ。 本目的達成のための方法は "bakeattributes"が使えていた当初から他にもいろいろあったが、"bakeattributes" はその利便性で一番であった。材質ごとにレイヤーをつくりそこにオブジェクトを振り分けてくれたり、そもそもプラグインではないのでプラグインへの依存性が低く、他者とのGHファイル共有の際容易であるという利点があった。
方法
この記事で取り上げているのは、その代替方法であり、ドキュメンティング系のGHプラグイン Humanや FABTOOLSの使用によるもので、ぜひ参考にしてほしい。
当目的に関して、2つの使用後の結論を最初に述べるとHumanの使用をおすすめする。
評価の基準は、あくまでー上述のようにーまだどういう材質を使用するか決まっていない初期デザインの段階で、Rhinoの材質設定を通過することなく、如何にフローレス且つ気軽に材質を作りGH上でデザインしていくかという過程を重視する。
そういった点では、"Human"は材質設定時の利便性という点で勝っていた。 "FABTOOL"の場合、先にRhino上で材質を設定し、それをGHのジオメトリーにあてがう方法のようだが、そもそも材質の自動生成がされないところで不便だし、プラグイン自体の更新が最近はされていないのか部分的に機能しない部分があった。"Human"はそういうことがなかった。もちろん、使用目的が変われば "FABTOOL"が好まれる場合もあるとは思うが、この記事ではその使用の詳細は取り上げない。
アルゴリズム
GHファイルダウンロード
※Human を先にインストールしてから使用する。
上に共用したGHファイルは“Human”を使用し、当目的を実行するためのアルゴリズムによるものである。具体的な手順は、以下のダイアグラムに明示している。基本は1つのサーフェイスをUVで分割し多量の小さなパッチを作り、それらパッチの数量分のインデックスによる色範囲(グラディエントxドメイン)で材質をつくり、その材質とともにオブジェクトをベイクする。
また、以下はHumanの使用法を解説してくれている参考URLである。より詳しい情報はこちらを参考にして欲しい。
VAS Variations of Applied Systemからの抜粋
デザイン, 建築, 景観, 都市, コンピュテーショナル・デザイン, ジェネレティブ・デザイン, アルゴリズミック・デザイン, システム, 複雑系, 形態デザイン, 数学, ライノ, グラスホッパー, 遺伝的アルゴリズム, クリエイティブAI, バイオミミクリー, 生体模倣建築
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