業務フローのI/FとしてZapier Chrome Extensionを利用する方法
はじめに
Zapier(Zap)のトリガーにはスケジュールや、Webhook、SaaSのイベントなど様々なタイプがありますが、Chrome Extension経由で実行する方法があります。
以下にこのZapier Chrome Extensionの特徴と設定方法についてまとめます。グッド
Chrome上からツールをスイッチすることなく処理を呼び出せるので、リクエストに応じて定期的に実行しているような作業に適していますし、文字列情報をパラメタとしてインプットできる点も使い勝手がよいです。
モット
現時点ではパラメタは単純な文字列のみのため、選択式のプルダウンや日付情報などが扱えるようになるとさらに使い勝手がよくなりそうです。
また、通常のZapの場合実際に呼び出されたデータを使ってテストができますが、Chrome Extensionの場合常にZapierが用意したダミーデータでしかテストできない点も改善が待たれます。
設定手順
シンプルなシナリオとしてZapierにユーザーを招待する
Chrome Extensionを作ってみます。
- 新しくZapを作成し、トリガーに
Zapier Chrome extension
を選択します。
- Eventには
New Push
を選択します。
- 任意のパラメタを設定できます。わかりやすいように
email
とします。
- テストすると
Sample Text for "email"
がパラメタに設定されます。
- 続いて受け取ったメールアドレスをZapierに招待するアクションを設定します。アクションリストから
Zapier Manager
を選択します。
- Eventには
Create Team Invitation
を選択します。
-
Invitee Email
にはパラメタとして受け取ったemailを指定し、招待先のTeamを選択します。
- なお、この段階ではパラメタに設定された値は
Sample Text for "email"
なので、Testは必ず失敗します。気にせずSkip test
で次に進みます。
- これで招待は完了したのでこのままでも利用できますが、Chrome Extensionにレスポンスを返すこともできます。
Zapier Chrome extension
アクションを追加しイベントにはReplay to Chrome
を選択します。
- Message TitleとMessage Detailsにレスポンスの詳細を設定します。
- これで準備ができました、実際にZapier Chrome Extensionから招待してみます。Zapier Chrome Extensionをまだインストールしていない場合は以下からインストールしてログインします。
https://chromewebstore.google.com/detail/zapier/ngghlnfmdgnpegcmbpgehkbhkhkbkjpj?pli=1 - 準備ができたらZapier Chrome Extensionを起動し、先程作ったZapを起動してメールアドレスを入力して
Send
をクリックします。
- 実行後しばらくすると先程設定したレスポンスが表示されます。
バリデーションを追加
続いてパラメタのバリデーション処理を入れていきます。
- 先程作ったZapで受け取ったemailをValidationするアクションを追加します。方法はいくつかあります。特定ドメインが指定されているかといったところまでチェックしたい場合には Code by Zapierを使う必要がありますが、今回はノーコードで実現するため、Formatを使います。
- EventにはTextを選択します。
- Transformには Extract Email Address を選択します。このアクションはInputで渡されたデータからメールアドレス形式のデータを抽出することできるためこれを利用します。
- Inputにはトリガーのemailを指定します。
- Testを実行すると以下の表示になります。前回もそうですが、基本的にTestで利用できるデータはZapierが用意したダミーデータのみでありメールアドレス形式ではないため必ずこうなります。
- そこで試しにInputに有効なメールアドレスを指定してテストすると、以下のようにそのメールアドレスがそのまま返されます。この値を使って処理を分岐させます。
- 次にZapの末尾に Paths by Zapier アクションを追加します。本当はフローの途中に入れたいのですがPathは最後にしか追加できないためやむなしです(後でステップを移動すれば結果は同じです)
- 追加するとPath AとPath Bが標準で追加されるのでまずはメールアドレスとして有効なパターンを設定していきます。
- Path Aの Path rulesをクリックして後続処理の条件を設定します。Only continue if...で先程のFormatで返却されたOutputを指定して Exists を選択します。
- 続いてActionですが予め生成されたActionは不要なため削除します。
- すでにZapierアカウントを招待しレスポンスを返すアクションは設定済みのためPath rulesの下にドラッグして移動させます。これでメールアドレスが有効なパターンが完成したのでPath Aの3点リーダーをクリックしてその旨コメントしておきます。
- 続いて Path B を設定していきます。Path rulesをクリックして先程とは逆に Outputに対して Does not existを条件に指定します。
- この場合のアクションとしてはChrome Extensionにエラーメッセージを返せばOKなので、予め配置されているアクションを選択してZapier Chrome extensionを選択します。
- Eventには Reply to Chrome を選択します。
- Actionで返したいメッセージを指定すればOKです。
- 最後にPath BをRenameして完成です。
まとめ
以上、Zapier Chrome Extensionの設定手順の紹介でした。
活用シーンとしては、例えば社内で利用するサービスに対するアカウント発行を行う業務があったとします。
この業務では申請が届いた時点で無条件で発行できるパターン、予実など他の情報と照合して確認するパターン、その他バリデーションを行うパターンなどが考えられます。
そのようなケースで申請内容をブラウザで参照し、人がチェックした上でそのままChrome Extensionで後続処理を呼び出すといった業務フローがノーコードで実現できます。
基本的にはZapierで設定可能なZapはすべて呼び出すことができるため、他にも様々なシーンで活用できると思います、参考になれば幸いです!
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