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[2025年版] Steam にアップロードする(後編)

に公開

[2025年版] Steam にアップロードする(中編) の続きです。

  • Unity プロジェクトに SDK を導入(前編)
  • 実行環境(exe)を Steam クラウドにアップロード(中編)
  • Steam ライブラリからゲームプレイ(中編)
  • 番外編:ローンチ後、開発途中のロムを Steam に登録する(後編)
  • Steam で上手くいかない場合(後編)

番外編:ローンチ後、開発途中のロムを Steam に登録する

初期ローンチは default ブランチを使えばいいのですが、一旦販売してしまうと、

  • ユーザーは安定した default ブランチからインストール
  • 開発者は開発中のビルドデータをインストール

こういうケースには、新しいデバッグ用のブランチを作成することで対処します。

◆ SteamWorks

▼ private_branch

SteamPipe > ビルド

新しいアプリブランチを作成し、名前 private_beta、パスワード(必須)を設定してください。説明は任意です。

▼ app_build.vdf

"SetLive" "private_beta" を含めてください。

"AppBuild"
{
    "AppID" "XXXXXXX"  // AppID
    "Desc" "アップロードする理由を記載します"
    "BuildOutput" "D:/games/SampleGame/SteamLog"
    "ContentRoot" "D:/games/SampleGame/Build"
    "SetLive" "private_beta"  // これを追加する

    "Depots"
    {
        "XXXXXXX" "depot_build.vdf"  // DepotID
    }
}

更新した後、steamcmd を使って、ビルドをアップロードします。

▼ ブランチを設定する

SteamPipe > ビルド

新しくアップロードされたビルドに private_beta ブランチを設定してください。

◆ Steam

▼ Steam ライブラリの設定

ここまでは SteamWorks でしたが、最後に Steam のライブラリにて設定を行います。
ライブラリで、登録したゲームを右クリック > プロパティ。

ベータへの参加で「private_beta」を選び、先ほど設定したブランチのパスワードを入れ、「コードを確認」します。
成功すると private_beta が選択され、開発中のビルドがインストールできます。

Steam で上手くいかない場合

SteamWorks で登録したのに Steam に反映されない……そんな時は以下を参考にしてください。

◆ まずはキャッシュクリア

Steam > 設定 > ダウンロード > ダウンロードキャッシュをクリア
キャッシュをクリア ボタンを押します。

Steam が再起動し、ログイン画面になるので、再ログインしてください。
ライブラリを選択し、ゲームに正しく反映されているか確認しましょう。

◆ うまくいかない場合

それでもうまくいかなかった場合と、その対処をいくつか考えてみます。

▼ インターネットに接続されていません

これが表示された場合、大抵はキャッシュクリアすると正しく動作します。

▼ このゲームの起動中にエラーが発生しました:ゲーム設定が無効です

ContentRoot が間違っている

app_build.vdf と depot_build.vdf で Build フォルダーを正しく指定しているか確認してください。

ビルドに必要なファイルが不足している

FileExclusion で、本来必要なファイルまで除外している可能性があります。

起動オプションがない / 間違っている

インストール > インストール全般 にある起動オプションが、ゲーム開始に必要な exe と同じ名前になっているか確認してください。

▼ このゲームの起動中にエラーが発生しました:ゲームの実行ファイルが見つかりません

ContentRoot が間違っている

app_build.vdf と depot_build.vdf で Build フォルダーを正しく指定しているか確認してください。

ブランチを指定していない

アップロードした後、ブランチを指定し忘れているかもしれません。SteamPipe > ビルド でカレントが正しく設定されているか確認してください。

終わりに

SteamWorks は(他のストアにくらべると)結構使いやすいツールですが、それでも新しい用語や、知るべき概念がわからないうちは苦労しますよね。

それを乗り越え、自作のゲームが Steam から実行できるというのは、とても感慨深いものだと思います。
そんな喜びにたどり着ける、助けになれば幸いです。

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