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ふりかえりを価値あるものにするために、「アジャイルなチームをつくる ふりかえりガイドブック」をチームで読んでみた

2025/01/31に公開

お疲れ様です!株式会社 CastingONEで働いているフロントエンドエンジニアの岡本です。

今回は、チームで行うふりかえりの質を向上させるために、「アジャイルなチームをつくる ふりかえりガイドブック 始め方・ふりかえりの型・手法・マインドセット」をチームで読んでみた話について書いていきます!

https://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798168791

https://speakerdeck.com/viva_tweet_x/a-retrospective-guide

読もうと思ったきっかけ

弊社は開発体制にLeSSフレームワークを用いており、各チームでスプリントの終わりにレトロスペクティブを行って、スプリントのふりかえりを行っていました。

ふりかえり方法は、Notionを使って今スプリントの消化ポイントやベロシティの確認、スプリントの目標を達成できたかを確認した後に、Figjamを用いて今スプリントのよかったこと・うまくいかなかったことを付箋形式で各個人が記述&発表して、それらを元にKPTを行っていました。

方法自体は問題ないと思いますが、スプリントの消化ポイントの確認や目標達成できたかの確認で何を確認するべきなのかどのように確認すればいいのかなどが不明瞭で、ふりかえりの着地が曖昧なまま終わってしまうことが多々ありました。。

そのような状況で、チームメンバーがKPTのProblemとして、「良いふりかえりってなんだろう」という問いをあげてくれたことがきっかけで、チーム内で話し合いを行い、現状のようなふりかえりになってしまっているのは、良いふりかえりとは何かの共通認識がないという結論に至り、共通認識を持つために「アジャイルなチームをつくる ふりかえりガイドブック」をチームで読んでみよう!ということになりました。

読書会について

チームで読書会を行うにあたり、会社に書籍をPDFで購入してもらい、週1回1時間(45分読書タイム/15分感想戦)時間をとり、4回に分けて読書会を行いました。感想戦は以下のように、かんばんボードを用いて感想や疑問点、やってみたいことなどの気づきを共有するようにしました。

ふりかえり読書会のかんばんボード

読書会を通して得た知見

感想のかんばんボードで共有されたことをもとに、チームが読書会を通して得られた知見を一部抜粋してます。

まずはプラスに目を向ける

ふりかえりで一度マイナスを見つけるモードに入ると 、プラスを見つけることは難しくなる。まずプラスに着目することを心がけていけば、チームの良いところが少しづつ見つかっていき、「どこを伸ばしていけば良いか」 という前向きなアイデアが出やすくなる。

ふりかえりの期待値を上げない、小さく始めることが大切

ふりかえりのアクションは「必ず成功させないといけない」ものではない。「成功させる」ことを第一に考えて作ったアクションは保守的になり、成長の壁にぶつかる。失敗を恐れていては壁を乗り越えられない。

ふりかえりが問題を全部解決してくれると過度な期待を抱きがち。ふりかえりは最初から上手にはできない。 過剰な期待をしてしまうと、短期的にうまく行かないと「ふりかえりに価値はない」と感じてしまう。最初は上手くないかもしれないが、みんなで少しずつカイゼンしていくことが大切。

ふりかえりの質を上げるために、ふりかえりのふりかえりを行う

ふりかえりは「チームの活動をカイゼンする場」ですが、「ふりかえりそのもの」もしっかりカイゼンすることが重要。 ふりかえりをカイゼンすれば、チームに合った、より効果的なふりかえりが行えるようになる。

失敗したことを受容する。あるがままをチームで受け止める

ふりかえりでは、自分が関わった失敗があると、どうしても目を背けたくなってしまうが、失敗から逃げてしまうと、次のカイゼンに繋がらないだけでなく、同じような失敗を繰り返してしまう可能性がある。
大切なのは、あるがままをチームで受け止めること。チームとして「起こってしまった失敗」を一つの「出来事」として客観視して受けとめ、冷静に事象を分析する意識が大切。
「あるがままをチームで受け止める」という受容の精神で、自身やチームの現状を認識することを繰り返すと、「こういうときには自分やチームはこう考える・動く傾向がある」というメタ認知が生まれ、チームの成長を加速させる。

ふりかえり読書会後の変化

読書会を始めた効果はテキメンで、目に見えてふりかえりの質が向上しました!チーム内でふりかえりについて共通認識が芽生えたことにより、チームの議論がスムーズになり、より建設的な意見が出やすくなりました。
個人的にも、読書会以降は「良いふりかえりができているな」と実感する場面が増え、価値のある振り返りができていると感じています。また、以下のような点で特に変化がありました。

前向きなムードでふりかえりができるようになった

以前はスプリントの消化が悪いと、反省会のようになりがちでした。しかし、読書会を通じて「プラスに目を向ける」意識が芽生え、「消化は悪かったけど、この動きは良かった」「次のスプリントではこう工夫すれば改善できるかも」と、前向きなふりかえりができるようになりました。前向きなムードのおかげで、マイナス面に対しても建設的な意見が出やすくなり、チーム全体の成長につながっていると思います。

チーム全体でふりかえりに参加する意識が高まった

ふりかえりに対する意識が向上したことで、例えばこれまでファシリテーターが担っていた書記の役割を、メンバーが自発的に行うようになりました。その結果、「誰かが進行する場」ではなく「チーム全員で作る場」へと変化し、一人ひとりが主体的に参加するふりかえりが実現しているように思います。

ふりかえりのふりかえりを行い、質を向上させる意識が芽生えた

読書会以前は、ふりかえりのふりかえりをしておらず、ふりかえりのトライアンドエラーが出来ていませんでした。しかし、読書会を通じて「ふりかえりそのもの」も改善していくことの重要性を認識し、ふりかえりのふりかえりを行うようになりました。その結果、ふりかえりの質が向上し、より価値あるふりかえりができるようになったと思います。

おわりに

いかがでしたでしょうか?以上が、「アジャイルなチームをつくる ふりかえりガイドブック」をチームで読んでみた話についてのまとめです。ページ数はそれなりにありますが、イラストが多く読み進めやすいので、ぜひ読んでみてください!

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