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CastingONE開発振り返り2023

2023/12/31に公開

はじめに

こんにちは、CastingoONE岡崎です。
年の瀬ということで、今年もCastingONEの開発チームの1年を振り返ってみようと思います。

プロダクト

まず今年のCastingONEは2020/11にリリースしたv2.0.0から約3年ぶりのメジャーアップデートであるv3.0.0をリリースし、プロダクトとして更に大きな価値を作っていく節目となる年にもなりました。 
これまでv2の開発では主に採用CRMの機能として顧客の持っている求人や求職者のデータをより簡単に取り込んでもらったり網羅的に管理しやすくする機能、MA機能の一貫として配信機能の強化などに注力して開発を行ってきましたが、v3開発ではATS(Applicant tracking system)として採用管理までプロダクト内で完結できるような機能を作り始めています。
すでに一部の求人媒体からの応募を自動でCastingONE上に取り込み面談日程まで調整する機能などがリリースされており、導入企業の採用担当者がより少ない工数で良い人材を採用できる世界に一歩近づいたなという印象です。
CRM領域の機能もまだまだ作りたい機能が山積みでガンガン開発を行っていますが、CRM領域として今年リリースした機能の一番の目玉としてはカスタムCSVという機能でしょうか。これは顧客が利用している他システムでエクスポートしたCSVを編集せずにそのままCastingONEのプロダクトにデータとしてインポートする機能で、リリース直後から工数がとても減ったと嬉しい声が多く届いています。

また、今年の後半にはプロダクトビジョンを策定しはじめました。まだ細かい文言等fixしていないところがあるので軽い紹介に留めますが、CastingONEが長期的に目指すのは

非正規雇用労働者の採用を行う全ての採用担当者が「効率的に良い人材の採用を行えている」と実感している世界

になります。
去年の振り返りでも、開発ロードマップの大幅な見直しを急に行った話を書きましたが、今年も開発着手直前に開発優先度をトップダウンで下げた機能が何個かありました。
開発優先度を変更すること自体はとても良いことだと思いますが、なんとなく開発優先度が上がっていたものをなんとなく下げるみたいな開発は誰も幸せにならないので避けたいところです。
もちろんそこまで雑な運用はこれまでもやっていませんが、うちの場合は、もともと派遣業界特化型のSaaSとして作り始めたものが、徐々にターゲットを広げてきた経緯があり、最終的に何を目指しているのか曖昧になってしまっていた部分が大きいと感じたのでプロダクトビジョンを決めようと動いた形です。これからの開発ではビジョンを常に意識した開発ロードマップやプロダクトバックログを作っていけたら良いかなと思っています。
またビジョンに関してはどうやって作っていったか等も含め年明けにでも詳細を紹介できたらと思います。

組織

今年の開発組織もたくさんの心強いメンバが新たに加入してくれました。人数でいうと、1年で16人から30人に増えました🎉

開発組織として一番大きなトピックは、CastingONEとして初のプロダクトデザイナーのジョインです。
ジョイン直後から今までできていなかったUI/UXの改善をゴリゴリ進めてくれていますし、開発フロー自体も大きく変わっています。
デザイナー不在時代はチームのスプリントプランニング開始時点では開発アイテムのUI/UXデザインや画面イメージがない若しくはPdMが作った本当に簡易的なものしかないという状態で、簡単な機能ならそれでも一定うまくプランニングや開発が出来ていましたが複雑な機能も増えてきている中で、イメージがわかなかったり認識が人によってズレたりしてプランニングにめちゃめちゃ時間がかかる、開発の手戻りが頻繁に発生するなど割りと限界が来ていました。
デザイナーのジョインによって、プランニング開始時点で実現したいことの認識が合いやすくなり、より本質的な議論に時間が避けるようになりました。
ただ、先日別記事CastingONEのLeSS(Large Scale Scrum)運用についてで書いたように、3チームのLeSSで開発する全てのUI/UXを2名のデザイナーに横断で担当してもらっているので、全ての開発において理想的なUI/UXの検討を行うことまでは手が回っていなかったり、デザインシステム等を整えてこの先UI/UX負債を作りづらい開発にシフトしていく基盤作り的なところはまだまだこれからというところです。
少しでも興味持ったり話くらいは聞いてやっても良いぞという方は是非気軽に僕なり他のメンバーにお声がけください!

開発の進め方

この1年も去年導入したLeSSで引き続き開発してきましたが、LeSSの中でのイベントのやり方や細かい開発フローはたくさんアップデートを行ったので個人的に印象に残っているものを何個か紹介します。

スプリントレビューのCS参加

これまで、毎週のスプリントレビューを開発チーム全体で行っていましたが、今年の9月からカスタマーサクセス(CS)チームにも参加してもらうように変えました。過去何度かCSチームにもスプリントレビューに参加してもらいたいみたいな議論はありましたが、スケジュール的に厳しい等の理由で実現していませんでした。
リリースした機能がお客さんにあまり使われないケースが少し出てきたこともあり、もっとユーザ目線を取り入れたい気持ちがこれまで以上に強くなってきたので、まずはベストエフォートで商談等被っていないCSメンバーだけでも参加してくれるように依頼してスプリントレビューのCS参加が始まりました。
これまで開発チームからは出なかったようなユーザ目線のフィードバックを多く反映できた状態でリリースできるようになり、これに関してはもっと無理してでも早く始めるべきだったなと思っています。また、CSチームだけでなく、開発チーム自体ももっとユーザ目線に立てるように顧客/市場理解を強めていきたいと思っています。

QA期間のテスト実行を開発チーム全体でやるように変えた

CastingONEでは各リリース前にQA期間を設けていて、Testrail上で管理しているテストケースのうちリリースごとのテスト計画で必要と判断したテストケースを全てPassさせてからリリースしています。
QA期間のテストは基本的にQAチームが担当しており、「このままだとリリース間に合わない!」みたいな状況になったときにエンジニアやPdMがヘルプで入る感じでやっていましたが、7月からそのフローを見直し、QA期間突入と同時にエンジニアやPdM含む開発チーム全員で分担して一気にテスト実行を行うようにしました。
これにより、これまで3週間以上かかっていたテスト実行1週目を1週間弱で終えることができるようになり、定めているリリースサイクルを乱さずにリリースができるようになりました。
テストケースに関しては、去年末時点では2023年末までに既存テストケースの80%を自動化する計画でしたが、諸事情により今年は思ったように進められず、12月から改めて自動化プロジェクトを再始動させました。
これまで一部導入していたフィーチャートグル等の運用も本格的に進めているので、再始動したテスト自動化もしっかり進め、来年は更にリリースサイクルを速めて高速な価値検証を回していく所存です。

おわりに

長くなってきたのでこれくらいにしますが、今年もCastingONEの開発はプロダクトも組織も大きく変化した1年だったように思います。特にこの1年は新しくジョインしてくれた優秀なメンバーによるアイデアや提案がチームや開発フローを改善させることが多かったなと思います!
最後に来年の抱負として、特に力を入れたい2点を書いておきます。

開発生産性と品質の可視化

この1年でも開発部内で色んな施策を行った結果として開発生産性やプロダクト品質はかなり向上したなと思っていますが、実は今それらを定量的に計測しているものがない状態です。少しずつ準備は始めていますが、来年はこれらを計測して時系列で追えるようにし、さらに良くするための適切な施策を打てるような組織にしたいなと思っています。

プロダクト価値へのこだわり

先程も少し触れたように、リリースした機能があまり使われていないケースが今年頭くらいからチラホラ出てきています。これは割りと難しい問題だと思っていて、何か一つ変えれば解決する問題ではなくて、少なくとも、

  • 開発チーム全体の顧客/市場理解の向上
  • プロダクトビジョンと顧客要望の良い感じのバランシング
  • 機能の利用モニタリングやインタビューを通したプロダクト機能の飽くなき改善

等を高いレベルで実現する必要があると思っています。来年はこういうことが当たり前に出来ている開発組織にしたいですし、僕個人としてもこの辺りを整えるためにリソースの多くを使う予定です。

CastingONEの開発チームに少しでも興味を持った方は是非カジュアルにお話をさせてください!
それでは皆様、良いお年を。
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