Laravel Podcast - 2024年9月
2024/09/11 Matt Stauffer x Taylor Otwell
Laravel Podcast Episode 16
Intro
Matt)
やあ、みんな。
Laravel Podcastへようこそ。ホストのMatt Staufferだよ。
Taylor)
Taylor Otwellだよ。よろしく。
Matt)
そうだね、ここにいられて嬉しいよ。本当にPodcastの時間が大好きなんだよね。
今日はいつもの収録タイミングじゃないんだけど、先週君が大きな発表をしたじゃん?
Laravelに5700万ドルの投資があって、Laravel Cloudの発表とか色々話してくれたんだよね。
それで、その後すぐにQ&Aセッションもやったんだけど、もっと長く質問に答えてほしかったって感じた人もいたみたいなんだよね。
だから僕はみんなに、「まだ質問があるなら、週末にでも考えてみてね」って声をかけたんだ。
で、数日経ってからいくつか新しい質問も届いたから、その質問をいくつかTaylorに聞きたいと思ってる。
でもその前に、まずリスナーのみんなに話しておきたいことがあって。質問の中にすごく共通していた部分があったんだよね。
技術的な質問や、例えばVS Codeの拡張機能についてとか、そういう話もあったけど、それは後で触れるとして。
大半の質問は、みんなの不安や心配に関するものだったんだよね。
「このニュースを聞いて、こうなるんじゃないかって心配してる」とか、「この発表が僕のキャリアや仕事に影響を与えるんじゃないか」っていう内容がすごく多かった。
だから、Taylorに事前に確認してもらって、今日の最初の部分はその不安に関する質問を解消することに焦点を当てようと思ってるんだ。
「これが心配なんだよね」っていう質問をTaylorに聞いてみて、それについて明確な答えをもらおうって感じだね。みんなの心配事をTaylorに直接聞いて解消していこうって考えてるんだ。
そして、他にもいくつか質問があるんだけど、みんなに伝えておきたいのは、Laravelはこの13年間すごく安定してきたんだよね。
今は新しいことが起こってて、新しいことには不安や不確実さがついてくるのは当然のことだと思うんだ。
Laravelがみんなの生活にとって大きな存在だったら、もしLaravelがなくなったらどうなるんだろうって考えるのも当然だよね。
だから、こういう心配や不安を持つのは本当に当然のことだと思うんだ。
だからこそ、そういう質問にしっかり答える場を作りたいと思ったんだよね。
多くの質問は、「こうなったらどうしよう」という不安がベースになっていたんだ。
だから、その不安についてTaylorにしっかり答えてもらおうと思うんだよね。
じゃあ、Taylor、準備はいい?
Taylor)
うん、準備できてるよ。やろうか。
Accelによる投資を受けた理由
Matt)
よし、じゃあ始めよう。
予想通りだけど、Laravel Cloud自体に対する不安を持ってる人は誰もいなかったんだよね。
誰も「Laravel Cloudが僕のビジネスを壊すかも」みたいには思ってなかったんだ。
不安の中心は、Laravel Cloudへの投資がForgeやVaporみたいな他のサービスや、セルフデプロイメントにどう影響するのかってことや、Laravelという組織自体への投資がフレームワークの将来や、開発者としての体験にどう関わってくるのかって部分だったんだよね。
それで最初の質問は、何が投資を受ける動機になったのか、特にLaravel自体はすでに収益性があったのに、なぜ投資を受け入れようと思ったのか、ってところだよね。
投資を受け入れることでのメリットとデメリット、そして今までの状態のままでいるのとはどう違うのか、っていう質問だよ。
Taylor)
うん、いい質問だね。
結局のところ、Laravelに関して、一人で作れるものは全部作り切ったかなって思ったんだよね。
自分が夢見てたものは全部トライした感じだった。
Forgeはその一つで、Laravel Cloudみたいなものを作ろうとした初期の試みだったんだけど、フルマネージドなプラットフォームを作るリスクを取るのは避けてたんだ。
本当は2014年にLaravel Cloudみたいな完全に管理されたクラウドインフラを作りたかったんだけど、それは一人では絶対に無理だって分かってたから。
だから、最終的に一つの分かれ道に立たされたんだ。今まで作ってきたものをこのまま続けるか、それとももっと野心的なプロジェクトに挑戦するかってね。
その野心的なプロジェクトにはもっとたくさんの助けが必要で、リスクもあるけど、Laravelのエコシステム全体にとっては大きな報酬があるんじゃないかって思ったんだ。
もちろん、みんなでそれを実現できることを期待してるんだけどね。
だから、インターネットで「TaylorならLaravel Cloudを一人で作れたはず」って言ってる人も見かけるけど、実際にはそうじゃないんだよね。
確かにLaravelは成功してるし、僕が運営してる時もすごく収益性はあったんだけど、Laravel Cloudを作るのは本当に大きな挑戦なんだ。みんなが思ってる以上に大変なんだよ。
自分のインフラを運営して、データベースを管理したり、ファイルストレージやキャッシュ、キューを管理するっていうのは、かなり複雑なんだ。
それに加えて、GDPRやSOC 2の対応、DMCAの通報対応、プラットフォームの悪用対応とか、全部やらなきゃならない。
だから、実際のところ、僕一人では無理だったんだよね。
それで最終的に、Accelと一緒にやることを選んだんだ。
チームを拡大して、Cloudみたいな素晴らしい新しいプロダクトを作ったり、これからもっといろんなものを作るためにね。
それだけじゃなくて、Laravel Forgeみたいな既存のものも改善し続けるつもりだし、まだ終わりじゃないんだよ。
つまり、要約すると、僕が目指しているのは、このコミュニティにふさわしい素晴らしいプラットフォームを作ることだってこと。
そのためには、Accelとパートナーシップを組むのが一番いい方法だと思ったんだよね。
彼らは、開発者に好かれる素晴らしい企業をたくさん作ってきた実績があるからね。
TaylorがLaravelを手放す可能性
Matt)
なるほど、OK。
それに関する質問の一つとしてよくあるのが、「TaylorがVC(ベンチャーキャピタル)の投資を受けて、最終的にはLaravelから手を引いてしまうためなんじゃないか」っていうものだよね。
「VCの投資が入ったってことは、Laravel全体を他の企業に売却しようとしてるんじゃないか」っていう疑問もあるみたいなんだ。
つまり、「Taylorがしばらくの間は残るけど、最終的には去るための準備なのか」っていうことなのか、「Taylorはこれからもずっとこのプロジェクトに関わり続けたいのか」っていう質問なんだよね。
Taylor)
うん、僕はLaravelを去るつもりは全くないよ。
このプロジェクトを最後まで見届けたいし、Laravelを引き続きサポートして、フレームワークをしっかりと管理していきたいんだ。
それに、Laravel Cloudプラットフォームのローンチを成功させて、その先もさらに進めていきたいと思ってる。
だから、僕のカレンダーに「2026 exit Laravel 」みたいな予定が書いてあるわけじゃないんだよね。そんな考えすらないんだ。
Matt)
なるほどね。
Taylor)
実際、そんな感じじゃないんだよね。
今までと同じようにビジネスを進めてるけど、ただチームが大きくなったし、目標も大きくなってる。
だけど、「もう辞める」なんて考えは全然ないよ。
Laravelは僕が本当に好きなことなんだ。
僕のキャリアの中で一番報われている部分は、間違いなくLaravelを作り上げてきたことだし、コミュニティのみんなと一緒にこのプロジェクトを作り上げてきたことが本当に素晴らしい経験だったんだよね。
だから、それをやめるつもりは全くないんだ。
それから、「最終的な目標は何?売却を目指しているの?」っていう質問に関してだけど、僕たちはそんな風には考えていないんだ。
そういう話題は会議でも出てこないんだよね。
僕たちの目標は、「LaravelとPHPのために、最高の会社を作ろう」ということなんだ。
それ以上のことは考えていないし、他の目的や野心があるわけでもない。
今のところは、とにかく最高のプラットフォーム、最高のフレームワーク、そして最高のコミュニティを作ることに全力を注いでるんだ。
Matt)
それは最高だね。
Taylor)
そうなんだよね。
それが僕もAccelも、みんながずっと集中してきたことなんだ。
Accelが求める見返り
Matt)
うん、それはちょうど次に聞こうと思っていた質問とぴったり合ってるんだ。
次の質問は、「Accelはこの投資から何を得るのか?」ってことなんだよね。
多くの人が言ってるのは、「Accelが5700万ドルを投資したのは分かるけど、それをどう回収するつもりなんだ?」ってことだよね。
もちろん、全部がAccelの投資ってわけじゃないけど、とりあえずそこに焦点を当ててみようと思うんだ。
それで、多くの人が「VC(ベンチャーキャピタル)はそれだけのお金を投入したら、そのお金を倍返しとか、10倍返しで回収しようとしてるじゃないか」っていう心配をしてるんだよね。
Accelが何を目指しているのか、そして彼らがLaravelに投資することでどんな価値を得ようとしているのか、少し話してくれないかな?
Taylor)
うん、いい質問だよね。
もちろん、最終的にはどんな投資でもリターンを期待しているものだと思うんだ。
だから、ベンチャーキャピタルの投資も最終的には何らかのリターンを期待しているのは間違いないよ。
でも、それは少なくとも今のところは僕たちの議題に上がっていることじゃないんだよね。
今、もしくは近い将来に話し合っていることではないんだ。
僕たちの全ての意識はLaravelを最高のものにすることに向いているんだよ。
結果は後からついてくるって感じでね。
だから、Laravelの取締役会で「どうやってリターンを得るか?」とか「リターン、リターン、リターン」って議論するようなことは今はしてないんだ。
今のところ、みんなLaravelをどれだけ素晴らしいものにできるか、そこに集中してるんだよね。
これまで作り上げてきたものをしっかり守り続けたいという気持ちはみんな同じだし、それについてはAccelと僕もすごく一致していると思う。
実際、時にはAccelの方が僕より慎重なこともあるんだよね。
Matt)
なるほどね。
Taylor)
Accelは、これまでLaravelが築いてきたオープンソースコミュニティを非常に大切にしてくれているんだよね。
というのも、それが彼らが最初にLaravelに惹かれた大きな理由の一つだったから。
情熱的なオープンソースの開発者コミュニティがあって、Laravelのタトゥーを入れる人までいるくらいなんだ。
そういうコミュニティが彼らにとっても魅力的だったんだよね。
LaravelはSentryのようなオープンソース企業とも協業してきた歴史があるし、SentryのプラットフォームのコードはGitHubで公開されているよね。
だから、彼らもオープンソースの価値を理解していて、コミュニティの重要性や、そのバランスをどう取るかってことも分かってるんだ。
素晴らしいオープンソースのものを作りながら、同時に持続可能で利益を生み出すビジネスをどう築くか、そのバランスを取るっていうのは、僕たちがずっとやってきたことだからね。
Matt)
うん、で、ちょっと話に割り込んで申し訳ないんだけど、必要ならこの部分はカットしてもらってもいいんだ…。
実は僕はVCやAccelに対してすごく批判的だったんだよ。
Accelは、この発表がされるずっと前からLaravelコミュニティに関わってたんだよね。
彼らは1年以上前からLaravelコミュニティを見ていて、僕は「こいつらは一体誰だ?僕たちの大切なコミュニティに何をしようとしてるんだ?」って感じで、ずっと疑問に思ってたんだ。
最近、僕が言ってたことの一つが、他の人たちからも上がってきたんだけど、「彼らは僕たちから何を望んでいるのか?」ってことなんだ。
君が「Accelはオープンソースコミュニティの価値を理解している」って言った時に、ある人たちは「そうだね、彼らは僕たちからお金を絞り取ろうとしてるんだ」っていうふうに捉えたんだよね。
でも、僕が最近見た意見で僕の視点を少し変えたのは、オープンソースソフトウェアコミュニティにビジネス価値を見出している人たちは、必ずしもオープンソースの利用者、つまり開発者を主なターゲットにしているわけじゃないってことなんだ。
実際には、オープンソースソフトウェアを使っている企業が、築くパートナーシップが潜在的なターゲットになってるんだと思うんだよね。
つまり開発者たちは企業向けにアプリを作っていて、その企業には予算があって、でもその予算が今は十分に活用されていないって感じなんだよ。
なぜなら、多くのプラットフォームは.NETのようなエンタープライズ向けの世界をターゲットにしているからさ(.NETは今オープンソースかもしれないけど、言いたいことは分かるよね?)。
そんな感じなんだよ。
Taylor)
うん。
Matt)
オープンソースって、新しい開発がたくさん行われている場所であり、成長がすごく進んでいる場でもあるんだよね。
それを、ただ「たくさんの開発者がいるからお金を絞り取ろう」と見ているわけじゃないんだ。
正直に言うと、最初は僕もそれを理解できていなかったんだ。
だから、「そうだね、僕たちオープンソースの開発者からお金を取ろうとしてるんだね」って感じだったし、「僕たちはオープンソースだからお金なんてないよ」って思ってた。
でも、少なくとも僕がこれまでに感じたことから言えば、彼らは何かを作ろうとしているんだ。
Taylor)
うん。
Matt)
僕たちが開発に参加している企業たちが、「ああ、自分たちでホスティングソリューションをDIYで作らなくても、公式なものが使えるんだ」って感じで利用できるようになるんだよね。
そこに彼らVCにとってのチャンスがあるんだ。
Taylor)
うん、面白いよね。心配している個人開発者にとっては、実際にはLaravelをプロダクション環境にデプロイするコストがより手頃になるんじゃないかと思ってるんだよね。
Laraconのようなイベントで聞くのは、Forgeの機能では足りなくて、自分たちでKubernetes環境を構築している企業がたくさんいるって話なんだ。
彼らはForgeよりも大きな規模で運用しているけど、PHPやLaravelに特化したホスティングソリューションは今まで存在していなかったんだよね。
だから、Cloudの発表にすごく興奮してくれていて、複雑なインフラを誰かに任せたいということで、喜んでお金を払ってくれる企業も多いんだ。
だから、みんなにとってメリットがあると思うし、それが目標なんだ。
Laraconの講演でも言ったけど、僕は全員が小規模プロジェクトや個人プロジェクトをLaravel Cloudで簡単にデプロイできるようにしたいんだ。何も考えずにすぐに使える感じにね。
最終的には、これまでのLaravelアプリケーションのデプロイ手段と比べて、むしろコストを削減できるようになるんじゃないかと思ってるんだ。
それが本当に楽しみだよ。
個人開発って、Laravelの初期からのコンセプトに戻ることでもあるし、Laravelの中心的なテーマの一つでもあると思うんだ。
つまり、一人の開発者がウェブアプリを作って、それをリリースできる力を持つってことだよね。
そしてその実現がこれまで以上に簡単で、たぶんこれまで以上に手頃な価格でできるようになると思ってるんだ。
AccelはLaravelを保有しているのか?
Matt)
いいね、それを聞けて嬉しいよ。
で、ForgeとVaporについて話を移したいところなんだけど、今は我慢して、まずは核心部分を片付けようと思うんだ。
あと3つ質問が残っているから、それを終わらせてからそっちに移るね。
次の質問は、Accelの投資に関してだけど、「Accelは今Laravelフレームワークを所有しているの?」ってことなんだ。
Taylor)
そうだね、Laravelフレームワークは今でもMITライセンスのオープンソースソフトウェアだから、誰でもいつでもフォークして自分で変更して公開することができるんだ。
だから、「AccelがMITライセンスのオープンソースプロジェクトを所有している」っていうのは正しくないと思うよ。
Laravelフレームワークは、Laravelという会社ができる前から存在しているものだし、分かるよね?僕が作ったオープンソースプロジェクトなんだよ。
Matt)
なるほど、そうだよね。
Taylor)
そう、LaravelはGitHubにMITライセンスで公開されているからね。
だから、Laravelにビジネス的な要素が加わる前から存在しているものなんだ。
Laravelセルフデプロイ(Laravel Cloudを使わずにデプロイ)の将来性
Matt)
さて、次の質問はホスティングに関するものが2つあるんだ。
で、最初の質問だけど、実は僕もあまり詳しく知らないから、他の人たちが言っていることをそのまま繰り返す形になるけどね。
「VercelがNext.jsのデプロイに関して、いろいろと問題を起こした」って感じで言ってる人が多いんだけど、それに対してどう対応するのかってことだよね。
そして今は「Open Next」っていう別のプロジェクトもあって、みんなが望んでいた方向には進んでいないって感じがあるみたいなんだ。
この話題について君はどう感じてる?
この質問は次の質問とも関連してるかもしれないけど、「セルフデプロイメントはどうなるのか?」って感じだね。
Taylor)
うん。
Matt)
Laravelのセルフデプロイメントのサポートは、Cloudの登場で今後減っていくのか、それとも引き続きサポートされ続けるのか?
Taylor)
うん、僕はVercelの専門家じゃないけど、みんなが言ってることは分かるよ。
そして、僕の答えとしては、LaravelやPHPはJavaScriptとは全く違うんだってことかな。
PHPはJavaScriptとは異なる歴史を持っていて、Next.jsは比較的新しいものだよね。
Next.jsは、おそらく一番人気のあるReactフレームワークだと思うけど、Vercelが登場した時点では、Next.jsアプリをデプロイして管理するための確立された手法がまだあまりなかったんだ。
それに比べて、PHPは20年以上の歴史があって、その間に大規模なプロダクション環境でデプロイされ続けてきたんだよ。
だから、PHP開発者に「私たちのプラットフォーム以外でデプロイするのは複雑すぎるよ」なんて言うことは通用しないんだ。
というのも、PHPアプリをデプロイしてスケールさせるのは、もう20年以上続いていることだからね。
Vercelの場合、Next.jsアプリをデプロイするための唯一の選択肢のような存在だったし、今でもその面はあると思う。
Next.jsのより高度な機能を使いたいなら、Vercelを使うのが一番簡単だよね。
それが良いか悪いかは人それぞれだけど、PHPとは全然違うテクノロジーだし、全く別の状況なんだ。
だから、Laravel Cloudを開発している間、「LaravelをLaravel Cloud上でしかデプロイできないようにするにはどうすればいいか」なんて考えたことは一度もないよ。
それは技術的にも実現不可能だと思うし、そもそもそんなことは優先事項として出てきたことすらないんだ。
僕たちは本当に、Laravel CloudをLaravelアプリにとって最高のプラットフォームにすることに全力を注いでいるんだ。
「Laravel Cloudにユーザーをロックインしよう」なんて考えは出てきたことがないし、実現できるとも思っていないよ。
僕たちはLaravel Forgeをまだサポートしていて、実際に来年の初めに向けてForgeに対してもやりたいことがたくさんあるんだ。
すごくワクワクするようなことがあるよ。
だから、僕たちは引き続きそれにコミットしているし、それが他の会社と僕たちの違いだとも思う。
フルマネージドなサービスとセルフマネージドなサービスが共存できると感じているんだ。
僕たちは「自分でクラウドアカウントを持ち込むセルフマネージドのデプロイメントプラットフォーム」と「フルマネージドされたクラウドプラットフォーム」の両方を提供できるユニークな立場にいると思うんだ。これを1社で提供するケースはあまりないんじゃないかな。
Matt)
うん。
Taylor)
だから、まあ、結局のところ、全く違う状況だし、違うテクノロジーなんだよね。
Laravelをそういう形で機能制限してロックインするのは、難しいというか、そういうものではないんだよ。
Matt)
そうだよね。
で、もし「Forgeのサポートがなくなったらどうなる?」っていう質問についても言えることなんだけど、Forgeがサポートをやめたら、それを真似しようとする競合が一気に増えるだろうね。
実際、Forgeが存在している今でも、同じようなサービスを作ろうとしている人たちはいるんだ。
だから、もしForgeがサポートを失ったら、Laravelが公式に手を引いたとしても、その市場シェアを奪おうとする人たちは常に現れるはずなんだよ。
Taylor)
うん、実際、僕たちはForgeにすごくワクワクしてるんだ。
チームもかなり熱が入っているよ。
Forge専任のチームがいて、僕たちの収益の大半はForgeから来てるんだ。
だから、このプロダクトを守り続け、進化させることに対してとてもコミットしているんだよ。
僕たちも毎日Forgeを使っているから、どこが使いにくいかとか、改善したい点も分かってるしね。
実際、舞台裏ではもうすでにその改善に取り組んでいるよ。
Laravel Vaporの将来
Matt)
いいね、それは次の質問にうまくつながるよ。
多くの人が、「Forgeのことはよく聞いたけど、Vaporの将来についてはあまり聞いていない」と言ってたんだよね。
Forgeは今後もサポートが続くとして、VaporユーザーはCloudに移行する準備を始めた方がいいのか、それともVaporも引き続きサポートと開発が進められているのかな?
Taylor)
もちろん、Vaporも引き続きサポートしているよ。
ただ、今はほとんどの意識がForgeやCloud、そしてLaracon Australiaで発表予定の他のプロダクトに向いているんだ。
Vaporは素晴らしいプロダクトだと思ってるし、僕自身すごく気に入ってるよ。
多くの面で、Vaporでやりたいことはある程度やり尽くしたって感じなんだ。
だからと言って、Vaporユーザーが移行する必要があるとか、緊急事態ってわけじゃないんだけどね。
ただ、今はForgeやCloudに一番ワクワクするアイデアがあるから、そっちに力を入れているんだ。
でも、僕たちもVaporで本番環境の運用をしてるし、Vaporを廃止する予定も、Vaporをオフにしてユーザーに移行を強制する予定も全くないよ。
それは僕たちのロードマップにはないことなんだ。
Matt)
そうだよね。
君たちがどのサービスでも本番環境で運用していると聞くと、それがそのツールの将来に対する自信につながるよね。
Taylor)
そうだね、それに今「cloud.laravel.com」にアクセスすると、Vaporで動いているアプリケーションにアクセスしてるんだよね。
まさに、入れ子構造(インセプション)みたいな感じで、全部繋がってるんだ。
Laravel ForgeからLaravel Cloudへの移行
Matt)
まさに、亀が亀の上に乗ってるみたいな感じだよね?
全部が繋がって動いてるって感じで。最高だね。
さて、あといくつか質問して、今日はこれで終わりにするよ。
Laravel ForgeからLaravel Cloudにプロジェクトを移行するのはどれくらい簡単なんだろう?
Taylor)
そうだね、このことについてはかなり考えてきたんだ。
大規模なエンタープライズの顧客向けには、もっと手厚いサポートを提供することに関心があるね。
小規模なインストールの場合には、ForgeのアカウントをCloudにリンクして、できる限りプロジェクトの情報を自動で取り込むシステムを作ることで、移行をできるだけ簡単にしたいと考えているよ。
一つの難関はデータベースだよね。
データベースの移行は通常楽しくも簡単でもない。
でも、もちろんバックアップしてCloudデータベースにリストアすることもできるし、もしForgeのデータベースをそのまま使いたいなら、CloudアプリケーションからForgeのデータベースに接続することもできると思うよ。
だから、これについてはドキュメントチームやカスタマーサクセスチームが、アプリケーションを移行したい場合にベストな方法を提供できるようにする予定なんだ。
もちろん、Day 1から移行を強制されるわけではないし、長期的にもその必要はないんだけどね。
ただ、移行のベストプラクティスを開発して、できる限りサポートしていきたいと思っているよ。
Matt)
移行方法のYouTube動画が最初の週に17本くらい出てきそうだよね。
Taylor)
ああ、間違いないね。
Laravel CloudはLaravel以外もサポートするのか?
Matt)
では、最後のLaravel Cloudに関する質問だよ。
Laravel CloudはLaravel以外のアプリケーションもサポートするのかな?
Taylor)
それは間違いなく僕たちの視野に入っていることだよ。
もちろん、Laravel以外で次にサポートしやすいのは、他のPHPアプリケーションだね。
たとえばSymfonyとか、もしかしたらWordPressとかね(笑)。
他の人気のあるPHPフレームワークやCMSも、当然サポートすることに興味があるよ。
特にStatamicはLaravelベースだから、サポートにはすごく関心があるね。
Laravel Cloudにはもっと大きな野心があるんだ。
馬を追い越さないように(=まだ急がないけど)、来年に入ったら、Cloudで他にどんなものが動かせるのかを探っていくつもりだよ。
JavaScriptのマイクロサービスやGo、ElixirのアプリをCloudで動かしたいという人がいるなら、僕たちはそういうものをLaravelアプリと一緒に動かせるようにしたいと思ってる。
たとえば、Nuxt.jsのフロントエンドとLaravelのバックエンドをCloudに一緒にデプロイできるようにね。
でも、これに関してはまだ早い段階で言うべきではないかな。
リリース当初のLaravel Cloudでは、Laravelのデプロイに集中しているけど、その後は汎用的なPHPや他のツール、プラットフォームにも対応していく予定だよ。
その先では、他の言語もLaravel Cloud上でどうやって動かせるかを探っていくことになると思う。
実際、Laravel Forgeでもすでに多くの人がNodeアプリをインストールして動かしてるからね。Laravel Cloudでも同じようなことを探っていく予定だよ。
VS Code以外のエディタサポートについて
Matt)
さて、もう一つ質問があるんだけど、Laravelをもっと使いやすくするためのVS Codeの拡張機能について話してたよね。
それについて、「じゃあPHP Storm用の公式拡張機能はどうなの?」って聞いてくる人がいたんだ。さらに「Sublime Textはどう?」とか、僕もつい「Coda、Vim、NeoVim、Emacsは?」って思っちゃったんだけど、どういう状況なんだろう?
なぜVS Codeが主要なプラットフォームになったのか、他のエディタ向けに計画はあるのか、それについてどう考えているのか聞きたいんだ。
Taylor)
僕たちが考えたのは、ウェブ開発コミュニティ全体の流れを見て、VS Codeが特に他のエコシステム、特にJavaScriptの分野で非常に人気があるということだったんだ。
新しい開発者にも人気が高い理由は、VS Codeが無料で、拡張機能などが充実しているからだと思う。
だから、まずはVS Codeに向けて素晴らしい体験を提供することを目指したんだ。
もちろん、他のエディタも探っていきたいけど、たぶんその場合はLSPを通じて実現することになるだろうね。
LSPを使えば、基本的に全てのエディタに一度に機能を提供できるから。
ただ、それは今の僕たちにとっては少し大きな技術的な挑戦なんだ。だけど、その方向には興味があるし、ちゃんと認識しているよ。
今はVS Codeに集中しているのは、新しい開発者向けの最大のユーザー層がそこにいると考えているからなんだ。
Matt)
そうだよね。
それについてツイートもしたんだけど、みんなに伝えたいことがあって、それはLaravelの長期的な目標の一つが特に最近、「PHPを再び人々の最初のプログラミング言語にすること」だってことなんだよね。
昔はそうじゃなかったけど、今はそれが目標の一つなんだ。
それがここ1年の君たちの目標や優先事項、動きをすごく理解しやすくすると思うんだ。
例えばブートキャンプを出たばかりの人や、これからブートキャンプに行く人、あるいは大学を卒業したばかりの人に「プログラミングを始めたいんだけど」と言われた時に、LaravelやPHPを使って、彼らにとって開発をできるだけ簡単にするためのストーリーを作るっていうことなんだよね。
だからVS Codeの決定もそのパズルの一部だと考えているんだけど、そういうことだよね?
Taylor)
そうだね、僕たちがやっていることはすべて一つの統一された目標に向かっているんだ。
それは、LaravelとPHPをウェブアプリを作るための第一の選択肢にすることなんだよ。
Laravel CloudからVS Codeの拡張機能に至るまで、すべてがその目標に基づいて動いているんだ。
つまり、LaravelとPHPは、生産的にアプリを開発してリリースするための素晴らしい方法なんだってことを広めるためなんだ。
僕たちはいくつかの駒をうまく動かすことができれば、個人開発者からスタートアップを始めたい企業、大きなアイデアを実現したい企業まで、LaravelとPHPを選ぶような状況に戻れるんじゃないかと思ってるんだ。
だから、それに向けて僕たちは取り組んでいるんだよ。
VS Codeの拡張機能やLaravel Cloudが一見バラバラに見えるかもしれないけど、それらはすべてこの一つのストーリーの一部なんだ。
Matt)
うん、それは納得だね。
ファイル構造の変更や、SQLiteが最初からデフォルトで使えるデータベースになったことと一致してるよね。
始めるためのステップが少なくなって、より簡単にスタートできるようになってる。
HerdはValetよりもインストールが簡単だしね。
だからValetもそうなんだけど、始めるためのステップが少なくなってるんだよね。
それは本当に素晴らしいことだよ。
Taylor)
そうだね。
Outro
Matt)
OK、これで僕が用意した質問は全部終わりだよ。
大きな発表の後に週末を過ごしてみて、何か他に話しておきたいことや発表したいことはあるかな?
今日はこれで気分は良さそう?
Taylor)
特にないかな。
今週、Laraconでデモしたいくつかの機能をリリースする予定だよ。
defer関数や並行処理の機能、ローカルの一時URLなんかね。
これらは多分水曜日にリリースされると思うよ。
週末に全部ドキュメントを書き終えたから、ぜひ楽しみにしておいてね。
それらを試してみて、感想を聞かせてくれると嬉しいな。
Matt)
いいね。
僕も試してみるのが楽しみだよ。
それじゃあみんな、今日も一緒に過ごしてくれてありがとう。
また次回。
Taylor)
じゃあね。