📆

締切を設定すること、守ることの重要性

に公開

はじめに

「締切を守る」ことは、エンジニアとして成長し、信頼を築く上で不可欠な要素です。
当たり前のこととではありますが、本記事ではその重要性を改めて深掘りし、日々の業務に活かすためのヒントとして言語化しました。
たとえ締切が設定されていなかったり、甘い締切が与えられたとしても、自ら正しい締切を設定し、それを守ることが、自身の成長を加速させる鍵となります。

そもそも締切とは何か

SI(システムインテグレーション)の世界では、基本的には明確に納期というものがあります。これが締切としてイメージしやすいでしょう。守らなければお客様、自分の会社、プロジェクトのメンバー等、様々な人に迷惑をかけてしまいます。

自社サービスのようなプロダクト開発は、納品して終わりではなく、サービスが続く限り持続的に価値を提供しなければならないものです。
PO(プロダクトオーナー)やPdM(プロダクトマネージャー)から「いつまでにリリースしたい」というリクエストはあると思いますが、BizDevとの関係性が構築できていれば、何を作るかをきめてからは開発側でスケジュールをコントロールすることになると思います。

つまり、プロダクト開発における締切は「外から与えられるもの」だけでなく、「自分たちで設定できるもの」でもあります。だからこそ、その設定と管理が重要になってきます。

なぜ締切を設定することが大切なのか

1. 成功体験の積み重ねがやりがいにつながる

締切を設定して守ることは、やりがいの原動力になります。私は、やりがいというのは、与えられるものでも、どこかから湧いてくるものでもなく、結果を出して自分でつかみ取るものだと思っています。

例えば「◯◯件受注する」「◯◯までに社員を◯名採用する」といった目標を設定し、それを達成することはとても素晴らしいですが、様々な外部要因などもあるため達成できるかどうかは不確実です。でも締切は違います。一方、締切を守るということは100%自分の中でコントロールできるものです。

小さな締切を一つずつ守っていくことで、「今回もやり遂げた」という成功体験が積み重なりますし、一緒に働く周囲からの信頼感も得られます。この積み重ねが、自信とやりがいにつながっていくのです。

2. 限られた時間を効果的に使える

締切を設定し守ることで、長期的には進捗共有や進捗確認といった不要なコミュニケーションを減らす効果も期待できます。「いつ頃終わるの?」「あの件、どうなってる?」といったやり取りって、お互いにとってストレスですよね。

急な割り込みタスクなどで時間が取られてしまい、締切を守れなくなるようなこともあるでしょう。でも、そういった状況を予想し、コントロールできるようになっていくことこそが、セルフマネジメント能力の向上につながるものだと思います。

また人間には「単純緊急性効果」という心理的な傾向がありますが、締切を意識的に設定することで、この傾向をうまくコントロールできるようになります。

単純緊急性効果とは?

人間が、最終的な損得を無視して緊急性の高いタスクを優先してしまう心理的傾向のことです。

3. 結果的にプロダクトの品質も向上する

開発の世界では「時間をかければかけるほど良いものができる」と思いがちですが、実際はそうとも限りません。市場・顧客などの「外」を見ずに「中」だけで考えや設計を煮詰めても、要件が膨らみ、考えることや議論すべきことが増えすぎて、かえって本質を見失うことがあります。

適切な締切があることで、「本当に必要な機能は何か」「今回のスコープで実現すべきことは何か」という判断が研ぎ澄まされます。結果として、シンプルで使いやすいプロダクトが生まれることが多いのです。

締切設定のコツ:ちょっと厳しい中間目標を立てよう

デッドラインと中間締切を分けて考える

リリース日や納品日は「デッドライン」です。パーキンソンの法則や、夏休みの宿題を最終日にやる現象を思い出してください。デッドラインだけを意識した進め方だと、どうしても最後に詰め込みがちになり、よい進め方とは言えません。

パーキンソンの法則とは?

仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張するという法則です。つまり、与えられた時間が長ければ長いほど、仕事はそれに合わせて引き延ばされる傾向があります。

そこで重要なのが「中間締切」の設定です。最終的なデッドラインの前に、自分で中間的な締切を設定し、それを意識することで、余裕を持って仕事を進められます。

ちょっと厳しい目標がちょうどいい

同じことを同じ期間でやるだけでは成長につながりません。そこで私は、「ちょっと厳しいかな」と思うくらいの締切を設定することを意識しています。

厳しい締切に向き合うことで、「削れるものはないか」「絶対に優先すべきものは何か」という目利きが養われます。また、「もっと効率的に進める方法はないか」を考えて工夫する余地が生まれます。特に最近では商品企画、デザイン、開発など、様々な工程の作業をAIツールによってショートカットできるようになってきました。こういった新しい手法を積極的に取り入れる動機にもなります。

おわりに

締切を設定し、それを守ること。これは単なる時間管理の話ではありません。自分の成長をデザインし、チームに貢献し、良いプロダクトを生み出すための基本的なスキルです。

最初は小さな締切から始めてみましょう。例えば「今日中にこのバグを直す」「午前中にコードレビューを終わらせる」といった具合です。そして、それを一つずつ守っていく。その積み重ねが、きっとあなたの成長につながるはずです。

株式会社キャリオット

Discussion