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[2024年10月11日]機械学習・AIにノーベル賞(週刊AI)

2024/10/11に公開

こんにちは、Kaiです。
ノーベル賞!ノーベル賞ですよ!
ホップフィールドネットやボルツマンマシンは、確か自分の学位論文でも引用した記憶があります。まさかノーベル賞の対象になるとは驚きです。
ただ、以前からこの宇宙には自己組織化に関する未解明の原理があるという気がしていて、いずれ物理学と計算機科学は融合していくのではないかと思っていたので、納得感はあります。
ひょっとしたら自由エネルギー原理のような概念が発展して、生物学とも統合されていくのかもしれません。

化学賞もAlphaFoldに与えられ、AI一色となった今回のノーベル賞(以前の記事で「ノーベル賞級」と紹介しています)。ますますAIへの注目が高まっている中、今週のトピックスにいってみましょう。

注意事項

  • 直近収集したAIおよびWeb系の記事やポストが中心になります
  • 私のアンテナに引っかかった順なので、多少古い日付のものを紹介する場合があります
  • 業務状況次第でお休みしたり、掲載タイミングが変わったりします

スペシャルトピック

ノーベル物理学賞:ニューラルネットワークによる機械学習

いやーもうこれですね、AI界隈ざわついてましたが、驚き屋さんはお金にならないのかそんなに騒いでませんでした。研究者界隈は色々な見解や感想を発信しています。
https://www.jps.or.jp/information/2024/10/2024novelprize.php
https://www.nikkei-science.com/?p=74090

ノーベル化学賞:AlphaFoldによるタンパク質構造予測

こちらもAI。本当に、10年後には全ての分野でAIが受賞し、20年後にはAIモデルそのものが科学者として受賞するんじゃないか、なんて思ってしまいます。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsbibr/3/2/3_jsbibr.2022.3/_article/-char/ja/

Big Tech AIサービス

OpenAI: ChatGPT新機能「Canvas」

ClaudeでいうArtifactですね。テキストだけではなく、マルチモーダルの出力プラットフォームになっていくのでしょう。
https://note.com/npaka/n/n8bdf1c87c265

Anthropic: Claude新機能「Message Batch」

ChatGPTでいうBatch APIですね。もうお互いに機能を模倣しあっているのでどっちもどっち。Anthropicは近日中に大規模イベントでついに3.5Opusを発表するのではという予測も出てます。
https://docs.anthropic.com/en/docs/build-with-claude/message-batches

Bolt: システム全体を生成してデプロイまでできるAI

v0は単一コンポーネントのみでしたが、このBoltはバックエンドも含めて生成可能。しかもgithubのURLにbolt.newをつけるとそのソースを読み込んでスタートできる。そのままデプロイも可能。
少し触ってみましたが、確かにすごい。ただ一発で完全なもの、とはいかず試行錯誤は必要な印象です。
https://shift-ai.co.jp/blog/10383/
https://x.com/yoshi8__/status/1841985708606816336

ちなみになんとオープンソース。
https://github.com/stackblitz/bolt.new

その他AI系話題

プロダクトマネージャーのための検索推薦システム入門

「検索」と「推薦」のそれぞれについて、総まとめ的な内容。これをとりあえず読んでおけば全容は分かる、という感じです。参考図書が付いてるのはいい感じ。
https://speakerdeck.com/legalontechnologies/fe6ab6547641330050eff260a37274dc

STATE OF AI REPORT 2024

毎年出ている、AIビジネスのレポート今年版。投資家目線なので技術寄りではありませんが、概要だけでも読む価値はあります。
https://www.stateof.ai/

【beeFormer】推薦システムでのテキスト情報とインタラクションデータを組み合わせてTransformerを学習

新しい推薦手法として、テキストのEmbeddingsとインタラクションデータを統合して変数にするという提案。これ、普通に当社でもやってるんですが新規性あるのか……?
https://ai-scholar.tech/articles/large-language-models/beeFormer

AI Product Management

半年前の記事ですが、AIプロダクトを開発する際の注意点・リスクについてよくまとまっています。
https://www.svpg.com/ai-product-management/

LLMs Know More Than They Show: On the Intrinsic Representation of LLM Hallucinations

プレプリント。LLMの内部には真実性に関する情報が蓄積されており、ハルシネーション軽減に役立てられるとのこと。ただ、「確率の高いトークンを選択するため真実性が失われる」ってその通りなんですが、解決できるのかな?真実の情報が埋め込まれていたとしても抽出する手段がなければ無意味な気がします。
https://arxiv.org/abs/2410.02707

Vertex AI embeddingsにtask typeが追加

ポストに記事なみの長文が書かれているのでそちらが分かりやすいです。Embeddingsを利用する文脈を指定することで最適な生成を行える模様。
https://x.com/MLBear2/status/1842061296055025670

電話自動応答システムのQAのための自動応答システムを作った話

AIで自動応答する電話システムのテストのために、自動応答するAIに自動応答するシステムを作ったというお話。確かにこれであればリアルワールドでのテストを自動化できますね。
https://zenn.dev/ivry/articles/0e725ffec8bd0c

MLOps の処方箋ができるまで

MLOpsの書籍を出版した背景の課題意識や、出版までに取り組んだことの紹介。事例集なのでちょっと読んでみようかな。
https://speakerdeck.com/asei/mlops-nochu-fang-jian-gadekirumade

インフラだけではない MLOps の話

上の書籍の一部を紹介したスライド。
https://speakerdeck.com/icoxfog417/inhuradakedehanai-mlops-nohua-at-shi-li-dewakarumlops-ji-jie-xue-xi-nocheng-guo-wosukerusaseruchu-fang-jian-fa-mai-ji-nian

LLMマルチエージェントのフローエンジニアリングを支えるLLM Ops

ここまで教えてくれていいんですか?という、実際の事例に基づくLLMのフロー設計と継続的評価のスライド。Langsmithベース。
https://speakerdeck.com/pharma_x_tech/llmmarutiezientonohuroenziniaringuwozhi-erullm-ops

WEB開発系話題

Dockerが近年その優位性を失いつつある理由

まぁ、まだしばらく覇権ではあるのでしょう。後継サービスでも決定版と言えるものはない印象です。
https://qiita.com/ragged36/items/d0184f622e6f1975756d

Grafana エコシステムの活用事例 on ABEMA

Grafana単体だけではなく、数多くあるサービスエコシステムを使い倒すとこんなことが出来るよ、という事例の紹介。
https://speakerdeck.com/tetsuya28/grafana-ekosisutemunohuo-yong-shi-li-on-abema

社内システムのセキュリティ向上のため、Lambda + CloudFront + S3でインフラ基盤を再構築した話

全てがEOLになっているほど古いシステムインフラを最新構成に作り替えた際の記録。単なる移行ではなく、既存システムの問題点を検討した上で、それを潰す構成を検討した経緯が参考になります。
https://tech.uzabase.com/entry/2024/10/09/170239

ブルー/グリーンなAmazon ECSサービスのネットワーク設定を変える方法

これ、当社でも昔ハマったことがあったような……?
https://tech.enechange.co.jp/entry/2024/10/07/204649

フロントエンドのテスト戦略ってどうすればいいの?

フロントエンドで提案されているテスト群と、何をどう採用すべきかを検討した際の知見をまとめてくださっています。こういう視点で採用したんだという思考のトレースができるのがよいです。
https://zenn.dev/coconala/articles/f048377f314507

その他一般テック話題

クレジットカードを製造する技術

全然知らない内容だったので、純粋に面白かったです。なるほど、セキュリティコードってそういう用途だったんだ……。「重要な鍵情報は分割して別々の運送会社で物理輸送する」ってのも面白い。
https://speakerdeck.com/yutadayo/technology-for-manufacturing-credit-card

CareNet Engineers

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