[2025年12月12日] OpenAI 王の帰還……か? (週刊AI)
こんにちは、Kaiです。
相変わらず年末進行でバタバタしておりまして、今回も少し短めになります。すみません。
Gemini3.0を受けてOpenAIがコードレッドを発令したと話題になっていましたが、早速カウンターであるGPT-5.2がリリースされました。つい先ほどのことなのでまだ十分に試せてはいませんが、特にProモデルでは長時間Reasoningの威力が遺憾なく発揮されているように思われます。
(Geminiは賢い人が表面的にざっと資料読んでそれらしいこと言ってるような印象の時があるんですよね……)
そのほかにもOpenAIはディズニー提携やAdobe連携など、矢継ぎ早に弾を繰り出しています。いずれもすぐに効果があってユーザ側が実感できるようなものですね。一方、Googleも次々に発表を行っています。MCPを全サービスに導入(すでにMapやBigQueryはリリース)して、エコシステム全体をネイティブにAI接続できるように舵を切っています。
また、Gemini2.5をベースとした新TTSもかなりのものです。普通のナレーションなどであれば、十分これで実現できる印象です。Deep Researchエージェントはまだ真価が分かりませんが、先述のGemini3.0があんまり考えない問題を解決するなら大きいメリットを得られそうです。
クリスマスが近づいて各社Holidayモードかと思いきや、ますます競争が過熱しています。というか追いきれないので発表固めないでほんとに。
ということで今週のトピックスいってみましょう。
注意事項
- 直近収集したAIおよびWeb系の記事やポストが中心になります
- 私のアンテナに引っかかった順なので、多少古い日付のものを紹介する場合があります
- 業務状況次第でお休みしたり、掲載タイミングが変わったりします
AI新着モデル、サービス、アップデート
OpenAI: GPT-5.2シリーズ
驚愕のベンチマーク。私は複雑なタスクではGemini3.0系が出てもずっとGPTを推していましたが、ベンチでもすぐに逆転。 (ベンチマーク)
OpenAI: ディズニーが出資、キャラ使用で提携
これすごい意思決定ですね。どう頑張ってもAIによる生成の流れは止められないので、自分も源流に入ることで押さえるという戦略なのでしょう。日本の権利者の動きはむしろ逆になっているので、今後に注目。 一方Googleはオサラバとのこと。
OpenAI: ChatGPTでPhotoshop、Acrobat、Expressが無料で利用可能に ~「Adobe Apps for ChatGPT」提供開始
いやこれもすごい。ふわっと画像生成するのではなくて、外部ツールと連携して正確な動作を実現。
Google: すべてのサービスに生成AIと接続できるフルマネージドなMCPサーバを提供、まずはGoogleマップやBigQueryなどから
エコシステム全体を外部AIからも利用できるようにするという方針。既にエコシステムを持っている場合のレバレッジがエグいことになってきています。
Google: Gemini2.5のTTSモデルアップデート
めちゃくちゃ自然。息遣いやつばを飲み込む音も再現されており、感情も豊か。注意して聞けばAIだと何とか判別できますが、もはや人間と大きな差がない。 (お試し)
Google: 「Gemini Deep Researchエージェント」発表 「Gemini 3 Pro」搭載で長時間自立稼働
ちょっとまだ試せてません……Geminiに感じた「こいつ頭いいけどあんま深く考えてないな」感が払しょくされるかどうか。
Mistral: 新オープンウェイトモデルを公開
Mistral!Mistralじゃないですか!貴重な米中以外のプレイヤー。小さいほうのモデル、24BでSWEベンチ68というのは割と驚異的。GPT-OSS-120Bをかなり超えています。
その他AI系話題
Codex CLI が Skills をサポート
Claudeで使えたSkillsを、Codexもほぼ同じ仕様で導入。Skillsって何だっけ?という方もこの記事でおおむね理解できる内容になっています。
Playwrightのソースコードに見る、自動テストを自動で書く技術
面白い。PlaywrightでのE2E自動化は当社でも導入し始めていますが、その裏側でどういう技術が確立されていったのかを考察した内容です。
エンジニアの「絵で説明して」問題、Nano Banana Pro(Gemini 3 Pro Image)でどこまで解消できるか試してみた
個人的にはこの用途であればNotebookLM一択だと思ってます。顧客提案資料は難しいですが、社内説明資料ぐらいならプロンプトの工夫だけでほぼ使えるものが出てきます。
TypeScript 向けの AI フレームワーク TanStack AI を試してみた
当社はBedrock経由でClaudeを利用しているので、Bedrock仕様に準拠していますが、素で書く場合にはシンプルで使いやすそうですね。
実践フルAIコーディング
めちゃくちゃ詳細に書かれた、「エンジニアがフルにAIでコーディングするには?」という内容です。ほぼ全て同意ですし、「あるある」的な経験ネタもたくさん含まれていて、AIエージェントコーディングを現場導入するには必読という印象です。
ただ、これって「エンジニアが自分の作業品質を保ったままAIに代替作業させる」ということなのですよね。いつの日か、私たちはそこからも手を放す必要があるんだと思っていたりします。
Geminiのゼロクリック脆弱性により、攻撃者がGmail、カレンダー、ドキュメントにアクセス可能
類似の問題は当社の以前のブログでも指摘していました。RAGになると確かに対象ドキュメントが膨大になる可能性があるため、表面化しづらいのでしょう。 (当社ブログ)
Antigravity を使って自作 WEB アプリの脆弱性診断を行ってみたメモ
いいですね、個人開発のシンプルなサービスに対して、簡易的なチェックを行うならこれで良さそう。
Google Antigravity を使い込んで感じた5つの活用ポイント
今のところ、AIベースIDEも乱立状態。さてどう集約されていくやら……。
WEB開発系話題
Reactにおける共通コンポーネント設計のアンチパターン
実コード例を出してくださっているので、わかりやすい。
その他一般テック話題
YAMLを数行変えただけでGithub Actionsの料金を70%削減できて実行時間まで減った話
これは知らなかった。ですが……うーんサードパーティ製か……CI/CDにがっつり組み込むには、セキュリティ面と継続性のリスクでかなり気になりますね……。
「新しい相関係数」について
すごい、こんな基本的な概念についてまだまだ進歩があるんですね。確かに通常の相関係数は使いづらいなと思うケースは実務上ありました。あとでちゃんと論文読んでおきたい。 (関連)新しい相関係数の理論的性質
We are hiring!
私の所属するAI技術開発室では、AIを応用した医療系サービスを手掛けています。先日は以下の「CareNet Academia」をリリースしました。
積極採用中ですので、こういった医療xAIの領域に興味のある方は、是非以下からご応募ください!
Discussion