CursorでWindsurfのMemory機能を模倣する - 生成AIにルールを作成させる
Windsurf には Memory 機能 があります。これは、情報や方法を Windsurf に「記憶」させることで、その後のコンテンツ生成ややり取りに活用できるようにする仕組みです。本記事では、 Cursor で Windsurf の Memory機能と似た運用を行うための手順を紹介します。
WindsurfのMemory機能
Windsurf では、Cascade(Cursor の agent
のような役割を担う機能)を使い、「○○を記憶して」と伝えるだけで簡単に Memory へ情報を保存できます。以降の対話やコンテンツ生成時に、Windsurf はその記憶を参照しながら回答や文章生成を行ってくれます。
例
- 「ここまでの作業手順をまとめて記憶して」
- 「○○ライブラリの使い方を調べて記憶して」
といった形で指示すると、その内容が自動的に Memory に保存されます。
Cursorでの類似運用方法
Cursor の場合は、まだ公式的に「Memory」という機能があるわけではありません。しかし、Project Ruleの仕組みを使って似た運用が可能です。以下の手順で "Memory" を作り、指示した事柄をプロジェクト内に保存するようにします。
1. Project Ruleで「Memory」用ファイルを作成する
Cursor 上で新しくルールを作成し、以下のような内容を記述します。
Rule Type は Manual を指定すると良いと思います。
# ルールを記憶する
指示された事柄について記憶をルールファイルとして作成します。
## 場所
.cursor/rules/
## ファイル名
アルファベットと数字とハイフンで構成された記憶のファイル名
## ファイル拡張子
mdc
## コンテンツ
以下のコードブロックの内容を記述する。frontmatter部分は後述するルールタイプごとに変化する
```
---
description:
globs:
alwaysApply:
---
# ルールタイトル
適切なMarkdownフォーマットを行ったルール内容
```
## ルールタイプ
ルールには以下のタイプがある。適切なタイプを選択する。
- Always: 常に利用される
- Auto Attached: 指定したglobに該当するファイルに利用される
- Agent Requested: 指定したdescriptionを解釈して利用するか決定される
- Manual: ユーザーが指定する
## frontmatter
frontmatterはルールタイプごとに変化する。適切なfrontmatterを記述する。
### Always
```
globs: *
```
### Auto Attached
descriptionを記述しない。globsを記述する。globsに複数のglobを指定する場合はカンマ区切りで記述する。
```
description:
globs: カンマ区切りのglob
```
### Agent Requested
descriptionの記述によりルールが適用されるか決定されるので、注意深くdescriptionを記述する。
globsは絶対に記述しない。記述するとAuto Attachedになってしまう。
```
description: 説明を記述
globs:
alwaysApply: false
```
### Manual
description・globsは記述しない。alwaysApplyにはfalseと記述する。
```
description: 指定しない
globs: 指定しない
alwaysApply: false
```
## 作成後の報告
ルールファイルを作成したら、以下の項目を報告する。
- 選択したルールタイプとその理由
- ルール内容の説明
-
場所
の指定で、.cursor/rules/
配下に保存することを示しています。 -
ファイル名
は、アルファベットや数字、ハイフンのみで構成します(例:my-rule.mdc
)。 - Rule Typeは適切に選択するように指示しています。
-
ルールタイトル
やルール内容
は、Markdown 形式で自由に書ける部分です。
2. agent からメモリを作成してもらう
Cursor の agent
で次のように指示します。
○○を記憶して @Memory
たとえば「ここまでの作業手順をまとめて記憶して」や「○○ライブラリーの使い方を調べて記憶して」といった要望を agent
に投げたうえで、最後(や最初)に「@Memory
」を付けるイメージです。すると、Cursor 側で自動的にプロジェクトルールが生成され、指定した内容を生成AIが独自に構成して .cursor/rules/
フォルダ内へ保存されます。
まとめ
- Windsurf の Cascade 機能では「○○を記憶して」と伝えるだけで、Windsurf 内部の Memory に情報を保存できます。
- Cursor では、Project Rules を “Memory” として活用し、
.cursor/rules/
以下にルールファイルとして保存することで、Windsurf の Memory に近い形の運用ができます。 - 記憶化したい内容があれば、Cursor の
agent
に対して「○○を記憶して @Memory」と指示します。
Windsurf と Cursor の機能は厳密には異なる部分がありますが、上記の方法で「Memory」を運用すると、やり取りが増えても過去の情報を継続的に参照しながら開発・対話を進めることができるようになります。ぜひ活用してみてください。
Discussion