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「それ、パーソナライズでよくない?」神の一言で迷走していたFAQ構築がNotion AIで一瞬で解決し、エンジニアの安寧と世界平和が訪れた件

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はじめに

「あれ、この質問、前にもなかったっけ?」

日々の業務の中で、過去に解決したはずの質問に再び対応することで、集中力が途切れてしまう経験は誰にでもあるかもしれません。

この投稿では、社内質問対応の効率化を目指して複数のAI活用を試みた結果、最終的に Notion AIの「パーソナライズ機能」 に行き着き、課題を解決したプロセスをまとめます。

AI導入に際して私たちが直面した「壁」と、それをどう乗り越えたかの経緯が、同じ課題を持つ方の参考になれば幸いです。


⚠️ 課題:ナレッジが「埋もれる」構造

以前の私たちの部署では、以下のようなフローで質問管理をしていました。

  • 質問者が Slack ワークフローから質問を投稿
  • 内容が自動で Google Spreadsheet に記録
  • エンジニアが確認し、回答や修正を実施
  • 回答を Spreadsheet に追記

一見すると記録は残っているのですが、Spreadsheet は検索性が低く、欲しい情報にたどり着くまでに時間がかかるため、「過去の質問や回答が活用されず、同じ質問が繰り返されてしまう」 という問題がありました。

ナレッジは蓄積されているはずなのに、うまく活用されず、結果としてエンジニアが調べてから対応するようなことが続いていました。


👣 解決への道のりと「2つの壁」

この状況を打破するため、AIを活用して「過去のナレッジを自動で返す仕組み」の構築を試みましたが、理想の形になるまでにはいくつかの 失敗(ステイ) がありました。

🛑 試行1:通常の Notion AI(チャット)

まず、社内ドキュメントが集まっている Notion の活用を考えました。
FAQ 用のデータベースを作成し、AIにそれを参照させて回答させる方法です。

  • やったこと: Notion AI に「この DB を参照して回答して」とプロンプトで指示
  • 結果: 回答の精度は良好
  • 課題(ステイの理由): チャットを新しく立ち上げるたびにプロンプト(指示)がリセットされてしまうため、 「質問のたびに毎回プロンプトを貼り付けなければならない」 という手間が発生。これでは社内に浸透しないと判断し、一旦ステイしました。

🛑 試行2:Slack + Gemini(Google AI)

次に、質問の入り口である Slack での自動化を試みました。

  • やったこと: Slack 投稿 → GAS → Spreadsheet 参照 → Gemini が回答、というフローを構築
  • 結果: 過去の質問を読み込んで回答を返すところまでは成功
  • 課題(ステイの理由): 一問一答なら機能するものの、「会話の文脈」を維持するのが難しい点がネック。
    「それって具体的にはどういうこと?」といった 掘り下げた質問(深掘り) に対応できず、結局エンジニアが介入する必要があり、ここでもステイとなりました。

✨ 転機:社内の「神」からの助言と実践

Slack 連携も試し、Notion チャットも試し、あちらを立てればこちらが立たず……。
「プロンプト入力の手間がなく」かつ「自然な会話で深掘りができる」仕組みはないかと模索していましたが、完全に行き詰まっていました。

そんな状況を聞きつけ、Notion に精通しているメンバー(神)から、解決に向けたミーティングの機会をもらいました。

現状の課題(プロンプトの手間と文脈維持の難しさ)を相談すると、神からこんなヒントをいただきました。

「それなら、Notion AI の『パーソナライズ機能』がいけるかもしれない。他部署ではすでにカスタムコマンドを作って業務効率化してるので、同じように試してみようか」

パーソナライズ機能を使えば AI への指示を固定化できるとのこと。
実際にその場で試してもらった結果、チャットを新規で立ち上げてもプロンプトは初期化されず、正しく回答が返ってきました。

行き詰まっていた課題が、神のアドバイスひとつで、あっさりと解決しました。
ありがとう、神。


🛠 導入手順(サクッと2ステップ)

やることは単純。 「AIへの指示書ページを作って、設定画面で読み込ませる」 だけです。
長いプロンプトを設定画面にコピペする必要はありません。

Step 1:AIへの指示書ページを作る

Notion で新規ページを作成し、AI に守らせたいルールを記述します。
このページでプロンプトを追加修正すれば、精度の向上やルールの追加を一元管理できます。

あなたは部署内FAQのナレッジエキスパートです。
以下のデータベースのみを参照して回答してください。

【回答ルール】
1. 類似度が高い順に最大3件のFAQを提示する
2. データベースに存在しない情報は答えない
3. 不確かな場合は「わかりません」と答え、推測しない
4. 深掘り質問にも、同じDBのみを参照して回答する

参照DB:
(※ここにFAQのデータベースを「@メンション」してリンクさせる)

※サンプルなので実際のものとは異なります。

Step 2:パーソナライズでページを指定する

AI チャットを開き、指示書を読み込ませます。

  1. チャット画面のアイコンにカーソルを乗せて、 「パーソナライズ」 をクリック
  2. 設定画面にある 「エージェントのアイデンティティ」(または「カスタム指示」)という項目を探す
  3. Step 1 で作ったページを「@メンション」で指定

設定はこれだけ。
「エージェントのアイデンティティ」にページをリンクさせるだけで、AI はそのページに書かれたルール通りに動き始めます。


💡 導入して分かったメリット

  • 自然な深掘り会話ができる
  • プロンプト管理から完全に解放
  • ナレッジの循環が高速化
  • DB整備がそのままAI精度に反映される

🚀 これから取り組む「次のステップ」

パーソナライズの導入で質問対応の基盤は整いましたが、これはあくまで “スタートライン” に過ぎません。

今後は、より精度の高いナレッジ循環を目指して、次のような改善に取り組んでいく予定です。

1. Slack からの依頼を Notion DB に自動登録

現在は Spreadsheet で管理している内容を、Slack ワークフロー → Notion DB へ直接自動追加できるようにする構想があります。
質問の入り口とナレッジの蓄積先を一本化することで、管理の一貫性を保ち、AI が参照するデータの品質も向上させる狙いです。

2. データベース自体の整備と検索性の最適化

DB の構成と項目の見直し、タグの整理、表記揺れの統一など、AI が迷わないデータベースの整備を継続的に行います。
「AI の賢さ = DB のきれいさ」 なので、この部分は地味ですが最も効く改善ポイントだと考えています。

3. 回答テンプレートの改善・標準化

回答が読みやすく、誰が読んでも意図が伝わるように、回答フォーマット(テンプレート)を逐次改善していきます。
Notion AI の回答スタイルも、このテンプレートに合わせて調整することで統一感を保ちます。

4. カスタムコマンドによる精度向上

質問内容ごとに最適な回答ルールを適用できるよう、用途別のカスタムコマンドも増やしていく計画です。
シチュエーションに応じたきめ細やかな回答ができれば、AI による一次回答の範囲がさらに広がり、エンジニアの負担は大幅に軽減されるはずです。


🎁 まとめ

Notion AI パーソナライズの導入により、以下のような変化が生まれました。

  • 過去の回答は「埋もれたデータ」から「生きた知恵」へ
  • 質問対応が自動化し、ナレッジが循環
  • メンバーが本質業務に集中できる理想的な状態へ近づいた

ツール × チームの可能性

今回、Notion AI というツールの力で課題は解決しましたが、それ以上に重要だと感じたのは 「チームの存在」 です。

悩み続けていたら、この解決策にたどり着くのにもっと時間がかかっていたはずです。
知見を惜しみなく共有してくれるメンバー(神)がいて、部門を超えてフラットに相談でき、その場で一緒に解決策を模索できる。

便利なツールを使いこなすのは人間ですが、その人間を支え、可能性を広げてくれるのは 「チーム」であり、そうしたつながりを持つ「会社」という場 なのだと改めて実感しました。

AIの力と、チームの力。 この両輪があれば、開発環境は間違いなくもっと良くなります。

社内のメンバーが私に手を差し伸べてくれたように、この記事が世界のどこかで困っている誰かへの「手助け」になれば幸いです。 そうやって互いに支え合いながら、より良い開発の世界を広げていきたいですね。

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