HonoでCORS対応をする
はじめに
前回の記事の通り、 個人的に作っていたプロジェクト のサーバ側を Cloudflare Workers に移行している
移行したのはいいものの、いざ本番にデプロイをしたら CORS 系のエラーが発生していて設定を追加するまで色々と調べて実装したので、今回はそのまとめをする
CORS ミドルウェアを使う前のエラーと対応
まず、CORS 対応する前に起きていたエラーは以下の通りだった

訳すると、こんなことが書かれている
-
http://localhost:3000(フロント側)からhttp://localhost:8787/graphql(サーバ側)で取得するアクセスが CORS ポリシーによってブロックされている -
preflightリクエストへの応答がアクセス制御チェックで通らない -
Access-Control-Allow-Originヘッダが存在しない - CORS 対応しない場合は
no-corsを設定する
今回対応したいのは 特定の許可されたオリジンからのリクエストにのみレスポンスを返す ことだったので CORS 対応をする
どんなことをするかというと、HONO の Doc の CORS Middleware をほぼそのまま対応する形になる
公式 Doc を参考に対応するコードは以下だった
import { Hono } from 'hono'
import { cors } from 'hono/cors'
︙
app.use(
'/graphql',
cors({
origin: ['https://rod.expfrom.me', 'http://localhost:3000'], // 本番と開発環境のURL
allowHeaders: ['X-Custom-Header', 'Upgrade-Insecure-Requests'],
allowMethods: ['POST', 'GET', 'OPTIONS'],
exposeHeaders: ['Content-Length', 'X-Kuma-Revision'],
maxAge: 600,
credentials: true,
})
)
︙
対応としては単純だけど、 CORS ミドルウェアを導入することで今回の対応は終わる…
はずだったが、まだエラー解消されていない箇所があったため、さらに対応をする
CORS ミドルウェアを使った後のエラーと対応
CORS ミドルウェアを導入したけど、どれでもエラーが発生していた

訳すると、こんなことが書かれている
-
http://localhost:3000(フロント側)からhttp://localhost:8787/graphql(サーバ側)で取得するアクセスが CORS ポリシーによってブロックされている -
preflightリクエストへの応答がアクセス制御チェックで通らない
どうやら preflight は公式 Doc 通りの実装だけでは解決しないようだった
preflight リクエストについて
こちらのブログを見ると preflight リクエストがどんなことで、解決するためには何をしたらいいのかについて書かれていた
また、MDN の Doc にも定義自体は書かれていた
そして、 preflight リクエストとは以下の条件で発生するものらしい
- CORS (Cross-Origin Resource Sharing) の中でブラウザが自動で飛ばすリクエスト
- 特定の条件を満たすと Chrome の Network タブなどに OPTIONS という HTTP Method でリクエストが投げられていることが確認できる
- Web Server と API Server の Origin が違うような場合に発生する
-
単純リクエストと呼ばれるリクエスト以外の通信をおこなう際に,通信おこなう前にブラウザが自動で送信する
今回の場合、 単純リクエスト ではなかったため、 preflight が発生していた
単純リクエスト の種類については以下のようだ
- GET, HEAD, POST メソッド
- 自動で付与されたヘッダー以外、特定のヘッダーのみが付与されている
- Accept
- Accept-Language
- Content-Language
- Content-Type
- DPR
- Downlink
- Save-Data
- Viewport-Width
- Width
- Content-Type ヘッダーで特定の値のみが与えられている
- application/x-www-form-urlencoded
- multipart/form-data
- text/plain
preflight リクエストの対応
今回は、本番環境で POST メソッドで通信する際に、Content-Type を application/json にしてリクエストしていたことが原因だった
そのため、 単純リクエスト に含まれず、 preflight リクエストが飛んでいた
解決方法としてリクエストのヘッダーに Content-Type を追加することで、 単純リクエスト以外 の場合でも通信ができるようにした
Content-Type はセーフリクエストヘッダーとして定義されているため、本来は allowHeaders に設定する必要はないが、 application/json にしてリクエストすることを許可するために設定する
HONO で書く場合はこのようになる
import { Hono } from 'hono'
import { cors } from 'hono/cors'
︙
app.use(
'/graphql',
cors({
origin: ['https://rod.expfrom.me', 'http://localhost:3000'],
allowHeaders: ['X-Custom-Header', 'Upgrade-Insecure-Requests', 'Content-Type'], // ここに追加
allowMethods: ['POST', 'GET', 'OPTIONS'],
exposeHeaders: ['Content-Length', 'X-Kuma-Revision'],
maxAge: 600,
credentials: true,
})
)
︙
これで、CORS エラーをすべて解決できた
さいごに
CORS エラーが起きたとき、最初は戸惑っていたが、 HONO 側で対応するためのミドルウェアを提供してくれていて安心していた
しかし、 preflight リクエストという条件については今回初めて出くわしたこともあり、勉強になった
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