2022年最も人気のあるプログラミング言語
はじめに
2022年度にGitHub上で最も人気がある(利用されている)プログラミング言語が発表されています。The top programming languagesによると、JavaScript、Python、Javaが3強を占めました。
本稿では、私の雑感を交えながらこの記事について紹介したいと思います。
2022年度ランキング
簡単な言語の特徴とともに、2022年度のランキングをまとめてみました。
順位 | 言語 | 静的型付け | 動的型付け | オブジェクト指向 | 関数型 | 手続き型 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | JavaScript | ◯ | ◯ | △ | ◯ | |
2 | Python | ◯ | ◯ | △ | ◯ | |
3 | Java | ◯ | ◯ | △ | ◯ | |
4 | Typescript | ◯ | ◯ | △ | ◯ | |
5 | C# | ◯ | ◯ | △ | ◯ | |
6 | C++ | ◯ | ◯ | ◯ | ||
7 | PHP | ◯ | ◯ | △ | ◯ | |
8 | Shell | ◯ | ||||
9 | C | ◯ | ◯ | |||
10 | Ruby | ◯ | ◯ | △ | ◯ |
※ここでの特徴は一般的なもので厳密性にかけるかもしれませんがご容赦ください。
根強い人気のJava
記事にもあるように、1995年にJavaが誕生してから30年近くの年月が経ちましたが、いまだに根強い人気の言語になっています。2022年でもJavaScript、Pythonに続いてTop3に留まっています。私自身、ここ数年はJavaから離れており、他の言語の隆盛で廃れた印象を勝手に抱いていたのですが、数字で見るとやっぱり強いという感じですね。
Javaは一時低迷期と思われた時代もありましたが、本編で紹介されているこの記事にもあるように、以下の点がJavaのターニングポイントとして挙げられています。
- 2014年にJava8がリリースされ、関数型プログラミングが導入されたこと
- 同じく2014年にSpring Bootがリリースされたこと
- 2018年からリリースサイクルが6ヶ月になったこと
- 2019年のOracleJDKの有償化に伴う各ベンダーが提供するOpenJDKの隆盛
- KotlinやScalaなどのJVMエコシステムの繁栄
今後もJavaの繁栄は当分続きそうな勢いですね。
衰退傾向のPHP
長らくTOP3からTOP4の地位を占めていたPHPですが、近年はその勢いを失いつつあります。2022年はついに、7位まで低下しました。記事ではその原因については触れられていませんが、私なりの勝手な推測は以下の通りです。
- SPAの隆盛によりバックエンドをPHPで実装するメリットが感じられない
- Cloud開発に向いていない。特にクラウドシェア1位のAWSでのサポートが手薄い
- PHPの言語機能が弱い・古い(イメージ)
この現象傾向は続きそうですね。とは言え、PHP8.2がリリースされたばかりです。WordPressやFacebookなどを考慮すれば、すぐに廃れるということはなさそうです。PHPerの端くれとしては頑張って欲しい...
TypeScriptの急上昇
近年TypeScriptの進展には目を見張るものがあります。2017年の10位から、2020年には4位に躍り出て、2022年もその勢いを保っています。以下のような要因が考えられるのではないでしょうか?
- VueやReactなどのSPAの流行
- AWS/CDKをはじめとするIaCでの採用
- 静的型付け+型推論へのプログラミング言語の流れ
私自身、TypeScriptはSPA開発やCDKで利用していますが、型推論で型を省略でき、その上で型チェックの恩恵を受けることができるのは大きいと感じています。
安定のPython
Pythonは2019年から3位の座を譲っていません。やはり、機械学習やAIの台頭に依るところが大きいのでしょう?記事でも以下のように言及されています。前年比で22.5%向上しているようですね。
Python continued to see gains in its usage across GitHub with a 22.5% year-over-year increase driven, in part, by its utility in data science and machine learning.
やっぱり強いJavaScript
JavaScriptは2014年以降、TOPに君臨し続けています。
- ブラウザで動作する言語のデファクトスタンダードであること
- 初心者でも簡単に学習できること
- Vue/ReactなどのSPAでの利用
- AWS/Lambdaをはじめ、クラウドベースで利用しやすい
などの理由があるのではないでしょうか。バックエンド開発者でもデザイナーでも誰しも一度は経験する言語だと思います。
Rubyの低迷
私自身、Rubyの経験がないのであまり印象はないのですが、一時はRailsなどが流行していた時期もありました。ただ、ここ数年は10位の座に甘んじているようです。Railsの考え方が他の言語やFWにも波及した結果、相対的に地位が低下したような感じでしょうか?ま、トップ10位なので甘んじているという表現が適切かどうかは分かりませんが...
2022年度に最も成長した言語
HCLという言語が50%以上の伸びを見せています。私自身はHCLという言語を初めて知ったのですが、IaCの普及によるところが大きいです。私もAWSのCDKを近年はよく利用しています。
次に、Rustも50%以上成長しています。安全性の高さと信頼性が人気の一因のようですね。
まとめ
今回はThe top programming languagesをご紹介しました。
- 30年近くの歴史を持つJavaが今でもTOP3の一角を占めています。
- PHPはここ数年凋落傾向にあるようです
- TypeScriptは近年急上昇しています
- Pythonは機械学習やAI効果で根強い人気を誇っています
- ブラウザのデファクトスタンダードということもあり、JavaScriptは盤石といったことろでしょうか
- Rubyは一時の人気から低迷しているようです
- 2022年に最も成長した言語はHCLとRustが挙げられます
ローコードツールやOpenAIの発展もあり、プログラマという職業が今後どういう方向性を辿っていくのかその未来を予想するのは非常に難しいです。もしかすると、近くシンギュラリティを迎え、AIがプログラミングするというようなこともあるかもしれません。その時代には、AIに人気のプログラミング言語TOP10などのランキングが発表されるのでしょうか・・・?
Discussion