2024-11-12 Developer Productivity室のWeekly News
この記事ではDeveloper Productiity室内で直近1週間で注目したソフトウェアエンジニアリング、DevOps、開発生産性などに関連する記事を紹介します!
今週のトピック
2024年11月に発表された重要な技術ニュースとして、GitHub Actionsの大幅な変更(ubuntu-latest
のバージョン移行やArtifact actionsの終了)、Wasmer 5.0のiOSサポート導入、Istioのアムビエントモードが一般提供開始となり、さらに開発生産性向上に向けたイベントやフレームワークの紹介が行われました。日立のOpen Source Program Office設立やKubernetesの公式アカウント開設も注目されます。これらの動向は、エンジニアリングの効率化やコミュニティ強化に寄与し、今後の開発環境に大きな影響を与えるでしょう。各技術の導入と活用が求められます。
記事詳細
GitHub Actionsの重大変更通知
2024年11月5日、GitHub Actionsに関する重大な変更が発表されました。主な変更点として、**ubuntu-latest
**の移行、Artifact actions v3の終了、そしてフォークリポジトリからのプルリクエストのワークフロー検証が強化されることがあります。この内容を確認し、適切な対策を行ってください!
Ubuntuの変更とArtifactの終了
12月5日から**ubuntu-latest
がubuntu 24
**に移行され、これに伴い一部のパッケージが削除されます。影響を受けるパッケージのリストを確認することが重要です。また、Artifact actions v3は12月5日に終了し、関連するジョブが失敗する可能性があります。
プルリクエストの検証と新しいWebhook制限
GitHub Actionsは、フォークリポジトリからのプルリクエストに対して、AuthorとActorの両方の検証を必要とします。また、リポジトリごとにWebhookの制限が設けられ、10秒ごとに最大1500イベントがトリガー可能となります。これにより、システムの可用性が向上します。
これらの変更により、GitHub Actionsを利用する際には、特にワークフローの確認と更新が必要です。詳細については、GitHubの公式文書を参照してください。
WebAssemblyランタイム「Wasmer 5.0」のiOSサポート
Wasmer社は、スタンドアロンのWebAssemblyランタイム「Wasmer 5.0」のリリースを発表し、iOSのサポートを追加しました。これにより、iOSデバイス上でWebAssemblyの直接実行が可能になり、開発者に新たな選択肢を提供します。
従来、iOSではSafariブラウザ以外でのWebAssembly実行が制限されていました。Wasmer 5.0では、この制限が緩和され、インタプリタモードを通じてWebAssemblyを実行できます。この新機能は、V8やWAMRなどのバックエンドによって支えられ、高性能な実行環境を提供します。
さらに、Wasmer 5.0では、V8、Wasmi、WAMRなどのバックエンドを選択できるようになり、様々な環境での高いパフォーマンスが期待できます。これにより、Wasmerはより広範なデバイスやアプリケーションでの利用が可能となり、WebAssemblyの利便性が一層向上しました✨。
IstioのAmbient modeが一般提供開始!
Istioの最新バージョン1.24では、Ambient modeが一般的に利用可能となり、サイドカーを使用せずにサービスメッシュを実現できるようになりました。これにより、システムリソースの節約と操作の簡易化が見込まれています。
Ambient modeでは、アプリケーションと共にプロキシを配置することなく、明示的な構成変更やアプリケーションの再起動なしでメッシュにアプリケーションを追加できます。特に、名前空間をラベル付けするだけで自動的にその中の全トラフィックは相互TLSによって保護され、大幅なセキュリティ向上が実現します。
また、Ambient modeはL4(レイヤー4)とL7(レイヤー7)の機能を分離しており、これにより従来型のサイドカーモデルよりも段階的に機能を追加できます。運用コストを最大90%削減可能でありながら、複雑な機能も必要に応じて有効化できます。Istioに興味がある方は、ぜひ新しい機能をお試しください!✨
Developer Productivity Engineering Summit 2024 レポート
2024年11月6日に開催された「Developer Productivity Engineering Summit 2024」の振り返りイベントでは、メルカリやAbemaTV、Findyの専門家たちが集まり、開発生産性と最新のグローバルトレンドについて議論しました。Developer Productivity Engineering Summitには、MicrosoftやAtlassianなど、国際的に著名な企業が登壇しました。
イベントの概要
今回は、開発生産性を測るためのSPACEフレームワークや、Atlassianが提唱するVital Signsフレームワークに加えて、UberやGoogleが行っている生産性向上施策などが紹介されました。特に、開発文脈における定量・定性データの重要性が強調されました。
- Microsoftのセッションでは、AIが生産性に与える影響について言及があり、人間要素の重要性が再認識されました。
- Google社は多面的なデータ収集を行うことにより、開発者の行動を解析し生産性を可視化する方法を紹介しました。
日立、Open Source Program Officeを設立!
日立製作所は、新たに**Open Source Program Office (OSPO)**を設立し、OSSの戦略的活用を推進します。この組織は、60人からスタートし、将来的には100人規模に拡大予定です。OSSの利用促進やコミュニティとの連携を通じて、社会課題の解決やDXの加速を目指します。
OSSの普及が進む中、日立のOSPO設立は企業としての重要なステップであり、今後の取り組みが期待されています。経営戦略としてOSSを重視することで、新たな価値創造に繋げていく意義があります。🌟
KubernetesがBlueSkyに登場!
Kubernetesが新たにBlueSkyで公式アカウントを開設しました!プロジェクトに関する最新情報を、貢献者コミュニティから直接受け取ることができます。Kubernetesの公式アカウントは、SIG ContribExのContributor Commsサブプロジェクトによって管理されています。
このアカウントは、Kubernetesとそのエコシステムについての情報を共有するプラットフォームで、フォロワーの増加が期待されています。🚀多くのユーザーが歓迎のコメントを寄せており、活気あふれるスタートを切っています!特に「Kubernetesがやってきた!」という声が多く見られ、オープンソースコミュニティの盛り上がりが伝わってきます。
加えて、Kubernetesの使用方法やプロジェクトの最新ニュースをフォロワーに届けることで、さらに多くの人々とのつながりを深めていく計画です。これからの展開にもぜひ注目してください!💡✨
VSCodeの新機能「Copilot Edits」
2024年10月にリリースされたVisual Studio Codeのバージョン1.95では、Copilot Editsという新機能が追加されました。この機能により、GitHub Copilotは複数ファイルにわたるコード変更や生成に対応し、複雑な指示も受け付けることが可能になりました。✨
Copilot Editsでは、ユーザーが具体的な指示を出すことで、GitHub Copilotが自動でコードを調整してくれます。例えば、「メール、電話、住所を表示するコンタクトページを追加して」と指示すれば、必要なルーティングやファイルを自動で追加。また、「サイトのスタイル設定とテーマのサポートを追加して」と指示すれば、テーマ用のCSSも生成してくれます。これにより、これまで手作業で行っていた作業が格段に効率化されることでしょう。
この新機能の導入により、プログラマーは簡単に開発生産性を向上させることができるため、今後の進化が非常に楽しみですね!🚀
エンジニアリング活動の計測と可視化に向けて
エンジニアリング活動の計測と可視化は、組織のパフォーマンスを向上させる重要な手段です。FANTECHでは、FourKeysを用いて開発フローの見直しを行い、デプロイ頻度の向上にも成功しています。この取り組みによって、エンジニアは開発に専念できる環境が整備され、事業成果も増加しました。
FourKeysは、デプロイの頻度、変更のリードタイム、変更障害率、サービス復元時間の4つの指標でチームのパフォーマンスを測定します。特に、デプロイの頻度を追求することで、開発業務の透明化が図られ、指標の可視化によりエンジニアリングの成果が組織全体で共有されました。
開発生産性 Advent Calendar 2024
開発生産性 Advent Calendar 2024 は、開発者が自身の知識や経験を共有するためのプラットフォームです。このカレンダーは、開発生産性に関心がある全ての方が参加可能で、新たな学びや視点を提供します。参加者は、12月1日から24日の間で記事を投稿できます。
このイベントは、特に次のような分野に焦点を当てています:
- Four Keys(デプロイ頻度、リードタイム、変更障害率、MTTR)
- DevOpsの手法や行動改善
- 開発者体験や開発組織文化の向上
参加は簡単で、空きがあれば過去の日に記事を投稿できます。記事はQiitaだけでなく、他のウェブサイトからも受け付けています。
開発者の生産性に関するフレームワークの比較
本ウェビナーは、開発者の生産性を測定するためのさまざまなフレームワーク、特にDORAメトリクス、SPCEフレームワーク、DevExフレームワークについての概要を提供します。これらのフレームワークの違いや適切な選択方法について議論し、各フレームワークがどのように役立つかを探ります。
DORAメトリクスは、DevOpsにおけるパフォーマンスを測るための標準的な指標であり、主にリードタイム、デプロイ頻度、変更失敗率、平均復旧時間の四つから成ります。これにより、組織のDevOps能力を業界基準と比較しやすくなっています。一方、SPACEフレームワークは開発者の生産性を考えるための包括的な枠組みで、満足度やパフォーマンス、効率性などを含む五つのカテゴリーで構成されています。これにより、開発者の生産性を多角的に理解できます。
DevExフレームワークは、開発者体験に焦点を当て、彼らのフィードバックや主観的データを重視する点が特徴です。求める目標を明確にし、それに合った測定方法を選ぶことが重要です。DORA、SPACE、DevExは互いに独立しているのではなく、むしろ補完する関係にあります。開発者の生産性向上に向けた戦略を考える際には、これらのフレームワークを適切に組み合わせることが鍵となります。
コンテナランタイム「containerd 2.0」正式リリース
containerd 2.0が正式にリリースされました!これは、登場以来初のメジャーバージョンアップであり、1.xとの互換性を保ちつつ多くの新機能を搭載しています。これにより、コンテナ管理がさらに進化しました。
containerdは、コンテナランタイムの重要な基盤であり、以前からDockerに組み込まれていました。今回の2.0では、コア機能の安定性を重視し、ユーザーがますます多様化するユースケースに対応。具体的には、以下の新機能が追加されています:
- Sandboxサービスの安定版化による柔軟なコンテナ管理が可能に。
- Sandboxed CRIがデフォルトとして採用され、より安全な操作が実現。
- NRIとCDIがデフォルトで有効になり、Kubernetes環境でのリソース管理やデバイスサポートが向上。
これらの新機能により、containerdは今後も多くのユーザーをサポートし続けるでしょう!🎉
最後に
いかがだったでしょうか?みなさんが気になった記事はありましたか?他にもこれが気になったというトピックがあればぜひコメントで教えてください!
Discussion