エージェント型AIでのコーディングが変える開発の未来 ーウェブの風に吹かれても (2025年4月20日)
エージェント型AIでのコーディングが変える開発の未来
こんにちは!
ウェブを吹き抜ける風に乗って、今日も未来のかけらを拾い集めました。
今回は「エージェント型AIによるコーディング支援の進化」について、自分なりに感じたことをまとめます。
今日の風向き
最近、AIによるコーディング支援ツールが急速に進化しています。特に注目すべきは「エージェント型コーディング」と呼ばれるアプローチです。エンジニアとして日々コードを書きながら、同時に心理支援の現場にいる私にとって、このテクノロジーは単なる効率化ツール以上の意味を持ちます。AIが単なるコード生成だけでなく、ファイルの読み書き、コマンドの実行、Gitの操作など、より包括的な開発支援を行える様子は、まるで「協働者」としての姿を見せ始めているようです。人間工学と心理学の視点から見ると、これは単なる自動化ではなく、人間とAIのアフォーダンスが互いに引き出される関係性の構築過程に見えます。
気になった記事たち
Claude Codeのベストプラクティス
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Claude Code Best Practices(Anthropic公式)
- Claudeをコーディングアシスタントとして最大限に活用するためのガイドライン
- エージェント型コーディングの概念とその可能性を紹介
- 単なるコード生成を超えた、意図的に低レベルでオープンな設計哲学
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Claude Code Best practices for agentic coding
- コーディングタスクを成功させるための実践的なワークフロー
- 「考える」コマンドを使った拡張思考モードの活用方法
- TDD(テスト駆動開発)アプローチとの組み合わせによる効果
これらの記事を読みながら、私はナラティブアプローチで使われる「外在化」の技法を思い出しました。問題を自分から切り離して「考える」という行為をAIに促すことで、自分自身も問題への新しい視点を得られる。これは心理支援の現場でクライアントと共に行うプロセスに似ています。
効果的なエージェント型コーディングのための重要な原則が見えてきます:
- 調査と計画を先に行う:コードを書く前に、関連ファイルを読み込み、問題に対するアプローチを計画する
- 拡張思考モードの活用:複雑な問題では「think」「think hard」などのキーワードを使って深い思考を促す
- 明確なターゲットを設定:テストケースや視覚的なモックなど、評価可能な目標を提供する
- 反復的な改善:一度で完璧を目指すのではなく、フィードバックを得ながら段階的に改善する
特に注目すべきワークフローの一例:
1. 関連ファイルの読み込みをClaudeに依頼
2. 問題へのアプローチを計画するよう依頼(「think」キーワードを使用)
3. 解決策をコードで実装するよう依頼
4. 結果をコミットし、プルリクエストを作成するよう依頼
このアプローチは、SSTでいう「状況の認識→計画立案→実行→振り返り」のサイクルに通じるものがあります。人間の認知プロセスを模倣しつつも、AIならではの特性を活かした協働の形がそこにあります。
Model Context Protocol(MCP)とその拡張
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upstash/context7-mcp: Context7 MCP Server
- Model Context Protocol(MCP)を活用したライブラリドキュメントの検索ツール
- 古いトレーニングデータに基づく間違った情報や存在しないAPIの幻覚を防ぐ
- 特定のバージョンに対応した最新のドキュメントとコード例を提供
MCPは、LLMが外部ツールやデータソースにアクセスするためのオープンプロトコルです。Context7はこれを活用して、AIに最新の正確な情報を提供し、コード生成の質を向上させます。
時間的展望の観点から見ると、これはAIに「現在」という時制を与える試みとも言えます。過去のデータに閉じこもるのではなく、常に最新の情報と接続することで、より適切な未来(コード)を生成できるようになる。私たちの支援現場でも、クライアントの「いま・ここ」を大切にしながら未来を共に描いていくプロセスに似ています。
インストール方法も簡単で、CursorやWindsurfなどのMCPクライアントの設定ファイルに以下のような設定を追加するだけです:
{
"mcpServers": {
"context7": {
"command": "npx",
"args": ["-y", "@upstash/context7-mcp@latest"]
}
}
}
明日への予感
エージェント型コーディングは、今後さらに進化していくでしょう。特にMCPのようなプロトコルを介した外部ツールとの連携により、AIの能力は飛躍的に拡張されるはずです。この進化の先に見えるのは、単なる効率化ではなく、人間とAIの新しい協働関係です。
私は臨床現場で、「わかり合えない」と思っていた人同士が、ある瞬間に共鳴し合う場面を何度も目撃してきました。エージェント型AIとの協働においても、そうした「まれにわかり合える一瞬」が訪れる。コードを通じた対話の先に、新しい理解と創造の形があるのではないでしょうか。
あなたは今日、AIとどんな対話を交わしましたか?その対話は、あなたの未来をどのように変えようとしていますか?
今日の風は、人間とAIの境界を優しく溶かしていく春の風。
You are my past. I might be your future.
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