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Special-Purpose IP Addressを知る
- IPアドレスはICANNによって管理されているが、特定の目的のために予約されたIPレンジがいくつかある
- RFC3330で定義されている
- プライベートIP以外はあまり意識することがないため、復習を兼ねてまとめてみる
- 今回はIPv4(以降IP)アドレスのみ
前提(、歴史的背景)
アドレス表記
- 普段よく見るIPはドット付き十進法と呼ばれる
- 各数字は1オクテット(0~255)で表現され、先頭から第1、第2、第3、第4オクテットと呼ばれる
- 後ろにつくスラッシュで区切られて数字が続く場合はネットワークの範囲を表す
- IPアドレスを2進数に置き換えたときに、先頭から数えたbit数が固定としたときに残りのbitで表現できるアドレス範囲
- ex.
10.0.0.0/24
の場合
- 緑地がネットワーク部、青字がホスト部
アドレスクラス
- 当初のIPv4アドレスはA〜Eの4つのクラスに分けられていた。
- 各クラスで一定のアドレス空間ごとに配布されていた(クラスフル)
- クラスA:
0.0.0.0/1
(0.0.0.0 - 127.255.255.255)- 大規模NW用途。
/8
で配布
- 大規模NW用途。
- クラスB:
128.0.0.0/2
(128.0.0.0 - 191.255.255.255)- 中規模NW用途。
/16
で配布
- 中規模NW用途。
- クラスC:
192.0.0.0/3
(192.0.0.0 - 223.255.255.255)- 小規模NW用途。
/24
で配布
- 小規模NW用途。
- クラスD:
224.0.0.0/4
(224.0.0.0 - 239.255.255.255)- マルチキャストアドレスとして利用。ルータ同士の通信などで利用。
- クラスE:
240.0.0.0/4
(240.0.0.0 - 255.255.255.255)- 将来のために予約されたアドレス空間(未使用)
クラスレス
- 現在では利便性から、CIDR(Classless Inter-Domain Routing)で任意のビット数(ブロック)で配布している(クラスレス)
Private-Use Networks
-
RFC1918で定義
-
家庭や会社の組織単位でLANを構成するために予約されている
-
LAN内における端末同士の通信や、一つのグローバルIPを共有することができる
-
クラスA,B,Cから選出されたため、次の3つのレンジが予約されている
-
10.0.0.0/8
(10.0.0.0 - 10.255.255.255) -
172.16.0.0/12
(172.16.0.0 - 172.31.255.255) -
192.168.0.0/16
(192.168.0.0 - 192.168.255.255)
-
Link Local
- RFC3927で定義
- アドレス空間は
169.254.0.0/16
- 文字通り1対1で接続している端末同士で通信するために使われる
- 昔はクロスケーブルという専用のケーブルが必要だったが、最近のNICはストレートケーブルでも問題ない
- DHCPがないLAN環境下などでOSによって自動設定されるIPアドレス
- 先頭と末尾の
169.254.0.0/24
と169.254.255.0/24
は予約されているため割り当てられない
"This" Network
- RFC1700で定義
- アドレス空間は
0.0.0.0/8
- 自分自身を示すため、簡易サーバで起動するときに
0.0.0.0
を指定するのは、端末に割り当てられたすべてのIPアドレスを意味する
Limited Broadcast
- RFC919の7章で定義
- アドレス空間は
255.255.255.255/32
-
0.0.0.0
のブロードキャストアドレスで、端末が所属しているネットワーク全てへのブロードキャストを意味する
Loopback
- RFC1700で定義
- アドレス空間は
127.0.0.0/8
- 文字通り自分自身に返ってくるアドレス空間だが、基本
127.0.0.1
のみを使う
TEST-NET-1, 2, 3
- RFC5737
- アドレス空間は3つ
- 192.0.2.0/24
- 198.51.100.0/24
- 203.0.113.0/24
- 文章で例とし掲載するために予約されているため、実際に使われることはない
Shared Address Space
- RFC6598で定義
- アドレス空間は
100.64.0.0/10
- キャリアグレードNATと呼ばれる、通信事業者間でNATするためのIPアドレス
DS-Lite(Dual-Stack Lite)
- RFC6333で定義
- アドレス空間は
192.0.0.0/29
- DS-Lite方式でIPv4 over IPv6を実現するために利用される
- NTTフレッツ網でのIPoEとともに利用しているISPが多い
6to4 Relay Anycast
- RFC3068で定義
- アドレス空間は
192.88.99.0/24
- IPv4アドレスのみを持つホストにIPv6アドレスへ接続できるようにする6to4という方式で利用
Benchmarking
- RFC2544で定義
- アドレス空間は
192.88.99.0/24
- ネットワーク機器のベンチマーク時にで利用する
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