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NoSQLで不要な値にはnullを入れておくべきか?それともkey自体をなくした方がいいのか?
1. 不要な値に「null」を入れるべきか?
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RDB(リレーショナルDB)の場合
- テーブル定義上、全レコードが同じフィールドを持つため、「値がない」状態は「NULL」で表現します。
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NoSQLの場合
- 「スキーマレス」 なので、不要なフィールド自体をドキュメントから「省略(キーごと削除)」できます。
- 「null」を明示的に格納することも可能ですが、JSONのnull値が格納されるだけです。
2. key自体をなくす(フィールドごと省略)べきか?
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メリット
- データサイズ削減:不要なフィールドを省略することで、データ容量を抑えられます。
- 可読性向上:意味のあるデータのみが残るため、ドキュメントがシンプルになります。
- 検索・集計の効率化:不要なnull値が混ざることで、クエリや集計が煩雑になるのを防げます。
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デメリット
- アプリ側でのnull値処理が必要になる場合があります。たとえば「フィールドがない=null扱い」とみなすロジックが必要です。
- クエリや集計で「値がない」ことを明示的に扱いたい場合、キーがないと判定が難しくなるケースもあります(例:Elasticsearchでは「existsクエリ」で判定)。
3. まとめ表
ケース | nullを入れる | key自体をなくす |
---|---|---|
データサイズ | 大きくなる | 小さくなる |
可読性 | やや悪い | 良い |
クエリの簡潔さ | やや悪い(null考慮) | 良い(存在判定必要) |
アプリ側のnull処理 | 不要 | 必要 |
集計・分析のしやすさ | やや悪い | 良い(工夫必要) |
4. ベストプラクティス
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原則:不要なフィールドは「key自体を省略」する
- 特に大規模データやパフォーマンス重視の場合は推奨されます。
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例外:アプリやクエリでnull値の明示的な判定が必要な場合のみ「null」を格納
- たとえば、業務要件で「値がない」ことを明示的に区別したい場合や、集計・集約でnullを考慮する場合。
5. 参考:主なNoSQLの挙動
- MongoDB:フィールドを省略可能。クエリで「$exists」で判定できます。
- DynamoDB:null値を格納可能。キーごと省略も可。
- Elasticsearch:フィールドがない場合、ドキュメントはそのフィールドを持たない。
結論
NoSQLでは「不要な値」は「key自体を省略」するのが一般的なベストプラクティスです。
ただし、アプリやクエリで「値がない」ことを明示的に扱いたい場合のみ「null」を格納してください。
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