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NoSQLとRDBの違いとデータ保管のベストプラクティス

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NoSQL(特にドキュメント型データベース)は、JSON形式のデータをそのまま「ドキュメント」としてストアするのが一般的です。RDB(リレーショナルデータベース)との違いや、NoSQLにおけるJSONデータの保管ベストプラクティスは以下の通りです。


NoSQL(ドキュメントDB)でのJSONデータ保管の特徴

  • データの自然な格納
    NoSQL(例:MongoDB)では、JSON(またはBSON)形式のデータをそのまま「ドキュメント」として保存します。RDBのようにテーブルやカラムを事前に定義する必要はありません。
  • 柔軟なスキーマ
    スキーマレス(スキーマ柔軟型)なので、フィールドの追加や削除が容易です。データ構造の変更が頻繁な場合や、半構造化データに適しています。
  • ネストや配列のサポート
    ドキュメント内にネストしたオブジェクトや配列を持たせることができ、RDBの外部キーや結合(JOIN)を使わずに1つのドキュメントで複雑なデータを表現できます。

ベストプラクティス

  1. 関連データの「埋め込み(Embedding)」と「参照(Referencing)」を適切に使い分ける

    • 埋め込み(Embedding)
      頻繁に一緒にアクセスするデータや、親子関係が密接な場合は、子データを親ドキュメント内に埋め込むのが効率的です。
      • 例:ユーザーとそのプロフィール情報
    • 参照(Referencing)
      独立して参照・更新されるデータや、多対多の関係は、IDなどで参照する形で分離します。
      • 例:ブログ記事とコメント(コメントが独立して更新される場合)
  2. ドキュメントサイズに注意

    • 1つのドキュメントが大きくなりすぎると、パフォーマンスやメンテナンス性が悪化します。適切な粒度で分割しましょう。
  3. インデックスを活用する

    • 検索やソートで頻繁に使うフィールドにはインデックスを張り、クエリ性能を向上させます。
  4. データのバリデーション

    • スキーマレスでも、アプリケーション側でデータのバリデーションを行うことで、データの一貫性を保ちやすくなります。
  5. RDBとの違いを意識

    • NoSQLは「JOIN」が苦手なので、関連データはできるだけ1つのドキュメントにまとめるか、アプリケーション側で結合処理を行います。

まとめ表

観点 RDB(リレーショナルDB) NoSQL(ドキュメントDB)
データ構造 テーブル(行・列) ドキュメント(JSON/BSON)
スキーマ 固定(事前定義必須) 柔軟(スキーマレス)
関連データ 外部キー・JOIN 埋め込み or 参照
データの柔軟性 低い(構造変更コスト大) 高い(構造変更容易)
パフォーマンス 複雑な結合・集計に強い 単一ドキュメントの高速アクセス

参考

例: ゲームのユーザープロフィールやアイテム、スキルや能力などは別々にわけるべきか?

1. 分けるべきか・まとめるべきか

分ける(テーブル/コレクション/ドキュメントごとに分離)

  • メリット
    • データ構造がシンプルになり、それぞれのデータの更新・参照・管理が容易
    • アイテムやスキルの種類・数が膨大になる場合、レコード数増加やパフォーマンス低下を防げる
    • 特定のデータのみを効率的に取得・更新できる
  • デメリット
    • ユーザーごとに複数のデータを横断して取得する場合、結合や複数クエリが必要(NoSQLではアプリ側で結合が必要になることも)

まとめる(1つのドキュメント/テーブルにネストして格納)

  • メリット
    • ユーザー情報を1回のクエリでまとめて取得できる
    • 構造が複雑でない場合、管理が簡単
  • デメリット
    • ドキュメントサイズが大きくなり、更新時の競合やパフォーマンス低下が発生しやすくなる
    • アイテムやスキルが頻繁に追加・削除される場合、柔軟性が損なわれる

2. ベストプラクティスの例

  • プロフィール情報(名前、レベル、アバターなど)はユーザーごとに1つのドキュメントで管理
  • アイテムやスキルは、種類や数が多い場合や更新頻度が高い場合は別ドキュメント/コレクションで管理し、ユーザーIDなどで関連付け
  • NoSQLの場合、アイテムやスキルは「配列やネストしたオブジェクト」としてプロフィール内に埋め込むことも可能だが、サイズや更新頻度で判断
  • RDBの場合、外部キーで関連付けるのが一般的

3. まとめ表

データ種別 分けるべきか? 理由・補足
プロフィール情報 まとめる 基本的なユーザー情報、頻繁に参照・更新
持ち物(アイテム) 分ける(種類・数次第) 種類・数が多い場合、更新頻度が高い場合に分ける
スキル/能力 分ける(種類・数次第) 同上

4. 参考ポイント

  • 「自身のデータのみ更新する」設計は、排他制御やパフォーマンス面で重要
  • レコード数が増えすぎない工夫(bit演算やフラグ管理など)も検討
  • NoSQLなら「埋め込み」と「参照」の使い分けを意識

結論

  • プロフィールはまとめてOK
  • アイテムやスキルは、種類・数・更新頻度が高い場合は分けるのがベスト
  • NoSQLなら「埋め込み」と「参照」のバランスを意識して設計する

参考

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