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SELECT ... FOR UPDATE句 とは?
SELECT ... FOR UPDATE 句は、SELECT 文で指定した行を排他ロックし、他のトランザクションによる更新や削除をブロックする機能です。主に、更新や削除を行う前にデータの一貫性を保ちたい場合に使用されます。
構文
SELECT ...
FOR UPDATE
[NOWAIT]
[SKIP LOCKED]
[ORDER BY ...]
オプション
- NOWAIT: ロックを取得できない場合は即座にエラーを返します。(デフォルト)
- SKIP LOCKED: ロックを取得できない場合は、ロックされている行をスキップします。
- ORDER BY ...: ロックを取得する行の順序を指定します。
ロックの種類
- 行ロック: 指定した行のみをロックします。
- 共有ロック: 読み取りのみ許可するロックです。他のトランザクションによる読み取りは許可されますが、更新や削除はブロックされます。(デフォルト)
注意点
- ロックを取得したトランザクションがコミットまたはロールバックされるまで、ロックは保持されます。
- ロックを取得したトランザクションが長時間実行されると、他のトランザクションの処理をブロックしてしまう可能性があります。
- デッドロックが発生する可能性があります。
- InnoDB テーブルのみで使用できます。
例
以下の例では、users
テーブルの id = 1
の行を排他ロックし、その行の name
と email
を更新します。
BEGIN;
SELECT * FROM users WHERE id = 1 FOR UPDATE;
UPDATE users SET name = 'Taro Yamada', email = 'taro.yamada@example.com' WHERE id = 1;
COMMIT;
代替手段
- 悲観的ロック: トランザクションを開始する前にロックを取得します。
- 楽観的ロック: UPDATE 時にロックを取得し、競合が発生した場合は再試行します。
- バージョン管理: データベースがバージョン管理機能を提供している場合は、バージョン管理を使用してデータの一貫性を保つことができます。
まとめ
SELECT ... FOR UPDATE 句は、データを更新や削除する前にロックを取得し、データの一貫性を保つことができる便利な機能です。
ただし、ロックを取得したトランザクションが長時間実行されると、他のトランザクションの処理をブロックしてしまう可能性があるため、注意が必要です。
状況に応じて適切なロック方法を選択してください。
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