神戸でKobe.tsというTypeScriptコミュニティを立ち上げた話
Kobe.tsとは
TypeScriptとその周辺知識についての勉強会を開催していくコミュニティです。
なので、フロントエンドに限らず、node.js, Deno, Nest,js, Freshなどのバックエンドや、Firebase,Cloudflare,VercelなどのSaaS、npm,pnpm,Biome,tailwindCSS,Figmaなども取り扱うトピックの範囲です。
記事執筆時点でですが、立ち上げから3週間で既にメンバーが80人になりました。
神戸在住な方に限らず、ぜひメンバーになるボタンだけでも押していってください!!!
なぜ神戸?
生まれてこのかた約30年、ずっと神戸に住んでいるからです。おそらくこれからも住み続けます。
そう断言できるのは、もちろん私が神戸を気に入っているからというのもありますが、職場が神戸にある妻と結婚したからです。
ソフトウェアエンジニアとしての性が染み付いてきたのか、そう決まると自分がこれからソフトウェアエンジニアとして生きていく場所をより良くしたいと思わずにはいられなくなりました。
また結婚と合わせて、ここ数年東京や地方の大きなカンファレンスに参加してるうちに「神戸をもっと盛り上げないと!」となったのもあります。
エンジニアコミュニティだけでなく、それ以外のコミュニティ・企業と一緒に神戸を元気にしたい
今年は月刊PHPカンファレンスと言われるほどたくさんのPHPカンファレンスが全国で開催されました。
自分は関西、小田原、香川、福岡と参加しましたが、どのカンファレンスも個性があって素晴らしいものでしたが、なかでも特にPHPカンファレンス小田原から受けたインスパイアがとても大きかったです。
大前提としてPHPカンファレンスというテックイベントでありながら、開催にあたって小田原のお店や施設と協力して街全体で魅力を伝えて良くしていこうという一体感がすごく良かった。
カンファレンス当日には移住相談までやっていて、ソフトウェアコミュニティとして当日のトークだけでなく継続的にコミュニティが盛り上がっていくような試みで、なんて素晴らしいのだろうと思いました。
こうしてソフトウェアエンジニアが地方に増えれば必然的にレベルも上がっていく。面白いトークを持ってる人が増える。そうなるとソフトウェアエンジニアのレベルアップに繋がる。
PHPカンファレンス小田原は現状年一回のビッグイベントですが、Kobe.tsは1,2ヶ月ごとにずっと開催を続けていって、いずれは年一回大きなイベントをやりたいなと考えています。基本的に何事においてもミニマムスタートが好きなんです。
関西(Kansai)とつけてひとくくりにしがちだけど、最初からその命名をするのは少し違和感を感じる
神戸、大阪、京都でエンジニアコミュニティが活発になったうえで、各地のコミュニティの連携の便宜のために括るのは良いと思うのですが、最初から「関西」とつけるのは、個人的には少し違和感があります。
個人的かつ穿った価値観かもしれませんが、一括りにしたコミュニティにしてしまうと地域ごとの個性を出す機会を失っている気がするのです。
先に小田原を引き合いに出して話したように、まずはやっぱり各地でソフトウェアエンジニアコミュニティ以外のお店・企業と一緒に盛り上がっていきたい。
エンジニアリングを勉強したりするだけじゃなく、食事、観光果てには移住というところまで視野に入れてコミュニティというものを作っていきたい。
そんな考えがベースにあるので、最初に関西と一括りにしてしまうとそこまで地域の特性にフォーカスできないなと思ってしまうのです。
まずはより小さな範囲から始めて徐々に大きくしていくということをソフトウェアだけでなく、イベントや他の事象についても当てはめてしまうからそう思うのかもしれません。
ところで、また少し視点を変えた話ですが大きなイベントを開催するにしても、コミュニティが盛り上がってるように見えないとスポンサーは集まりません。
それは当然で、スポンサーというのは人が集まることが見込めるからお金を払ってまで自社の宣伝をするという仕組みなので、盛り上がっていないところには当然スポンサーは集まりません。
するとどういうことが起こるかというと、「AWS Summit」や「Google Cloud Next」のようなビッグイベントはいつまでも東京開催のままです。
そんな現状を変えるために、「神戸も盛り上がってるんだよ!」ということを胸を張って色んな人に言えるように、そして認知してもらえるようにしたいです。
現状神戸では参加者が常に20人近くいて、かつ技術的な内容にフォーカスしたLT会が盛んに行われている会は自分が知っている限り見受けられません。
それを神戸では自分がやります。
大阪、京都、その他の場所ではまた別の人が是非やっていただければよいかと思いますし、Kyoto.jsやUmeda.go, nakanoshima.devのような大先輩コミュニティもたくさんあります。
その結果、「"関西"全体としてもりあがってるじゃん!!」という風に認知されれば、関西のソフトウェアエンジニアコミュニティとして成功なんじゃないかと思います。
そのため最初から"関西"と付けてしまうと、関西の各地域ごとに盛り上がってるように見えづらいので、抽象度を下げてはっきりと"神戸"と言い切りたかったというわけです。
発表の場の選択肢を増やすため
先日@luccafortさんのこんな記事を拝見しました。
東京は数が多いので薄く広くの戦略をしても面白いトークが聞けるけど、地方都市は面白いトークを持っている人を見つける必要があるんですね。 なので、「面白いトークを発表できる場があるぞ!」と宣伝することで面白い話の種を持っている人が遊びに来てくれる、そういうところからチャレンジできるといいかなって思ってます。
この記事を読んで、記事で触れられている"面白いトークを発表できる場"を増やすことにも貢献したいと一層思いました。
特にまだコミュニティの少ない神戸という地域に選択肢を増やしたい。
これはもちろんKobe.tsがその場になれば良いと思いますし、所属企業の力を借りられることがあれば、出来る限りのことはしたいです。
また副作用的な話ですが、そう考えるようになってから東京の大きなカンファレンスの楽しそうな様子を伺っても、ジェラシーを感じたりもしなくなりました(笑)
めっちゃ行きたいことに変わりはないですが😅
「自分の使命は神戸のエンジニアコミュニティを盛り上げること。隣の家が賑やかであっても、自分の家が賑やかになることはない」と考えているからだと思います。
(もちろんコミュニティが盛り上がっているのはとてもいいことだと思っています)
なぜTypeScript?
一番の理由は、Java,PHP,Kotlin,TypeScriptとやってきた結果、これからのエンジニア人生の軸をここに置きたいと自分が思ったからです。
コミュニティ運営の面から見れば、TSは使われ方が幅広いので発表の場として自由度が高そうなのもあります。
ひとつ軸を置きながらも、テーマの範囲が広いのはコミュニティとして魅力的です。
- フロントバック両方ありえるので、周辺技術も多い
- フロントならReact, Next.js
- バックならNest.js, deno
- 他周辺技術
- Figma
- TailwindCSS
- npmなどパッケージマネージャ
- Linter
- Formatter
- git
- Vercel
- 果てはIaC
それから全国的に見てもまだあまりコミュニティとして出てきておらず、特に神戸で始めれば今ならファーストペンギンになれるという打算もありました。
自コミュニティ外の同志も増えてきました
最初に話したように、ソフトウェアエンジニアリングを軸にしながらも、それ以外の食事、観光も含めて神戸全体として良くなっていってほしい。盛り上がって欲しい。
そのためにはエンジニアだけが関わっていくのではなく、いろんな会場や業種の方とも交流できればよいと考えています。
先日参加したこちらのイベントLTでその旨をお話しさせていただいたところ、主催者の藤原さんやHACK BARの井出さんにも強く賛同いただけました。
今後は会場をお貸しいただいたり、ステッカーなどの頒布にご協力いただけそうです。
一方でKobe.tsとしてはこれまで培ってきた人間関係を活かして、採用の機会や店舗利用の機会につなげられるのではないかと考えています。
やはり神戸を盛り上げるのなら神戸にいる人と力を合わせる以外にないなと思った瞬間でした。
このようにKobe.tsは、Kobe.ts単体で活動していくわけではなく、活動を後押ししてくださる心強い同志も現時点でいらっしゃったりします。
こだわりたいところ
開催地は基本神戸
散々神戸を盛り上げたいと言ってきているので、開催地は基本神戸とすることを貫きたい。
というかこの前提が崩れた時点でKobe.tsはKobe.tsでなくなってしまうはず。
神戸に来てもらうために、大阪・京都で告知も兼ねてたまに開催するというアクションは取ろうと思っています。
そのため勉強会の時間は、休日はランチ後、平日はディナータイム後になるように設定するようにし、神戸のおいしいお店情報を提供しています。
これにより勉強会のためだけに神戸にくるのではなく、神戸のおいしいお店を楽しんでいただければよいと考えています。
もちろん逆もアリで。「神戸のおいしそうなお店へ行くついでに勉強会で話してみるか」という気軽な参加も大歓迎です。むしろそれくらいのノリで来て欲しい。
ずーっと無料
神戸が盛り上がればよいと思いながらも、一番の土台に置いておきたいのはやっぱり"TypeScriptとその周辺知識の勉強会"です。
だからこそ、その勉強会としての場を提供するにあたってお金をいただくと今までもこれからも考えていません。
懇親会など勉強会の一部ではあるものの娯楽の部分についてはもちろんお金は頂きますが、勉強会本体の維持のためにはずっと無料を貫きたいと考えています。
有料にしてしまうとそれだけでハードルが上がってしまうので。それに、「お金払ってるのにxxx…!」という感情を持たれるのも嫌です。
あくまで勉強は自分の意思でするものであって、サービスとして提供しているものではないというのはKobe.tsのスタンスとしてはっきりさせておきたい。
ちゃんとLTやソフトウェアエンジニアリングの勉強がメインになるように
会の後の懇親会はもちろん勉強会の一環として有意義だと考えています。
けれども、例えばBBQ単体で開催するといったような交流目的オンリーな回は、Kobe.tsとしては開催しません。
これもあくまで土台の目的は"TypeScriptとその周辺知識の勉強会"だからです。
また周辺知識の発表も兼ねているというのは、@magnoliakさんが主催されている吉祥寺.pmを意識しています。
Kobe.tsを作るにあたってmagnoliakさんには個別にお時間をいただき、色々とコミュニティ運営のいろはを教えていただきました。この場を借りて改めてお礼申し上げます。
ここではそのいろはを明記しませんが、きちぴーをご存じの方であれば随所にその特徴が出てくることと思います。
その他、活動としてやってること
機会さえあれば、関西のオフラインLT会へ参加して宣伝しています
関西でイベントをするとなったときに、「誰に声を届けたいか?」を常に考えています。
そのためには、インターネットや東京やそれ以外の場所での人が多く集まるカンファレンスでお話しすることも必要ではありますが、それ以上に重要なことがあると考えています。
それは、「関西でイベントをする場合、一番にきてほしいのは関西在住のエンジニア。であれば、関西の勉強会で声をかけていかないと意味がない!」ということです。
なので、自分はKobe.tsの主催者ではありますが、関西エンジニアコミュニティの一員でもあるわけで、そのためには関西のオフライン勉強会にはたくさん参加しています。
そして、それはもちろん宣伝のためでもありますが、それを抜きにしてもたくさん大阪・京都・神戸のオフラインLTに登壇しています。
記事を書いている2024年6月は週一で登壇・参加していました。7月もこのペースで登壇・参加することになりそうです。
これは、主催だけして「はいおしまい」ではなく、真に神戸(だけでなく関西の)エンジニアコミュニティが盛り上がって欲しいと思うからこそ、LT発表者に困っている会でまずは自分が誰よりもLTをしようと思っています。時間が許す限りですが…。
地方でコミュニティを主催&積極的に登壇してみて思うのは、勉強会は発表者には常に飢えているということ。発表者がいないと勉強会は成立しないということです。
それがわかるからこそ、積極的に発表するようにしています。結果的にソフトウェアエンジニアとしての自分にも還元されますしね。そのあたりの話は別の記事に書きました。
コミュニティが発表者に困ってない場合は、もちろん参加者としてジョインしています。できることならば、より若い人たちが発表する機会が多くあるべきだと考えています。
いろいろグッズも作ってます
ステッカーやカードは既にHACK BARさんにおいていただいてます🙌
Tシャツ
カード
ステッカー
ネックストラップ
Zenn Publicationを作っています
根底にあるのは勉強会なので、コミュニティで技術記事なども書ければよいなと思って作っています。
また自分がテック記事を書くにあたって、ただ記事を出すだけでなくKobe.tsのことも宣伝できればよいと考えています。
もし「一緒に書いてもいいよ!」という方がいらっしゃいましたらこちらからZennのアカウントIDを教えてください。
Qiita Organizationを作っています
同じくQiitaにもOrganizationを作っています。
Qiitaにも作っているのは、Zenn派とQiita派どちらも取り込みたいと思っているのもありますが、一番はアドカレをやりたいからです。
こちらも、「一緒に書いてもいいよ!」という方がいらっしゃいましたらこちらからZennのアカウントIDを教えてください。
おわりに
まとめると、こんな感じで大きくしていきたい。
- TSとその周辺知識を深める。
- その結果、エンジニアコミュニティの醸成に繋がる。
- その結果、エンジニアコミュニティ以外に、神戸のお店や企業が元気になる。
- その結果、面白い話を持った人が神戸に来てくれる
- 最初に戻る
まずは「ソフトウェアエンジニアがいて、熱心に勉強してるんだよ!」っていうのを伝えるための土壌を作りたい。
そして神戸に限らず、全国から参加してほしいと思っています。ソフトウェアとしてレベルアップするためにはたくさんの人の知見があるほうがいいですし、繰り返しになりますが面白い話を持ってる人に神戸で発表してほしいからです。
時間があったり、旅行のついでにふらっと参加してほしい。
その時一緒に開催してる神戸のお店・企業さんのいいところを知って欲しい。
そんなわけで、共感していただける方は是非こちらからメンバーになるだけでも押していただけますと嬉しいです🙏
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