G検定の勉強におすすめの参考書・問題集
概要
先日 2025 年 3 月 7 日(金)〜3 月 8 日(土)に開催された G 検定(JDLA Deep Learning for GENERAL 2025#2) を受験し、合格することができました。
勉強のために 2 冊の参考書と 3 冊の問題集を使ったので、それぞれの教本について自分なりのレビューを残したいと思います。
特徴やおすすめ度、どの順番でこなすのが良いか?といった観点からレビューしていきます。
また、私の合格体験を元におすすめ勉強法の記事も作成していますので、参考までによろしければこちらもご覧ください。
こちらと併せて、少しでも G 検定の受験を考えている方の参考になれば幸いです。
また JDLA 公式がG 検定の合格者が学習に使用した教材のランキングを公開しているため、こちらも参考になるかと思います。
参考書
(1) 深層学習教科書 ディープラーニング G 検定(ジェネラリスト)公式テキスト 第 3 版
おすすめ度:★★★☆☆
唯一の G 検定公式テキストです。
先ほど紹介したG 検定の合格者が学習に使用した教材では合格者の 69.03% と圧倒的な 1 位を取っています。
ページ数は実質約 400 ページ(残りはコラム的なものや索引)で、文字が大きめなため今回おすすめする教本でもボリュームは控えめです。
おそらく AI 初学者が最初の一冊として手に取ることを想定しており、とりあえず通しで読んでみる分にはおすすめです。
Amazon のレビューでも指摘されていますがいろいろと問題もあり、私が読んだ中で気になったのは
- 解説が足りておらず、これ一冊で試験範囲をカバーすることができない。
- 記述が冗長でまとまりがない箇所がある(特に序盤の第1章と第2章)。
- 章末問題の解説が簡素で、あくまでテキストの理解度の確認にしか使えない。
- 章末問題の問題のすぐ下に解答が載っているため、先に答えが見えてしまう。
といった部分でした。
それでも唯一の公式ということ、最初の一冊としては読みやすいことに価値があると思います。
私にとってはこれが 2 冊目の参考書だったので記載の薄さに不満を感じましたが、G 検定の勉強へのとっかかりとしてはいいかもしれません。
(2) ディープラーニング G 検定(ジェネラリスト)最強の合格テキスト[第 2 版]
おすすめ度:★★★★★
私の G 検定学習はこの一冊を中心に進めました。
先ほどの公式テキストと比較してもボリューム・詳細度ともに優れており、これ一冊で試験範囲全体を網羅的に学習することができます。(やや少ないですが数理統計学の例題や解説まであります)
テキスト中のキーワードは赤字で書かれているため、付属の赤シートを使えば擬似的に穴埋め問題として復習に使うことができます。
テキストだけでなく図表や例示も充実しており、私のように AI やディープラーニングという概念に初めて触れる方でも飲み込みやすいように工夫されています。
章末問題やその解説も充実しているためこれ一冊でそこそこの数の問題をこなすこともできますし、後述する同シリーズの問題集の方と合わせれば試験の予行演習としてかなり心強いです。
公式テキストより文字が細かく 458 ページあるため最初の参考書としてはややハードルが高いかもしれませんが、試験前に一通りこなしておくべき一冊かと思います。
(私の初めての参考書は公式テキストではなくこちらでした。図表が多く解説も詳細なので、こちらから入門してもいいと思います。)
問題集
(1) ディープラーニング G 検定(ジェネラリスト)最強の合格問題集[第 2 版]
おすすめ度:★★★★★
先ほど紹介した参考書「最強の合格テキスト」と同シリーズの問題集です。
ちなみにこちらで 2 冊セットで購入できます。
表紙にもある通り 332 問(+模擬試験 2 回分)を収録しており、さらに解説も充実しています。
こちらも参考書と同様キーワードが赤文字になっており、付属の赤シートを使って理解度をチェックすることができます。
解説ページは問題ページの 2〜3 倍あり、問題にもよりますが選択肢ひとつひとつに解説がついていたり、テキストとして使用できるほど詳細に解説されている箇所もあります。
参考書と問題集でチャプターが対応しているので、参考書を読む → 問題集を解くの順でこなして記憶を定着させることもできますし、問題集の方で理解できないところがあったら参考書に戻って解説を読むと大体は理解できるようになります。
このように参考書「最強の合格テキスト」と組み合わせることでかなり網羅的に勉強することができるのですが、参考書と対応しているということは逆に言えば同じ表現・同じ角度でしか学習できないということでもあります。
例えば本番で少し違う表現を使われたり違う角度からの問題を出されるだけでつまずいてしまう要因になり得ます。
よってこの 2 冊に頼り切ることなく、別の視点で出題してくれる問題集を、少なくともう一冊はこなしておくことをお勧めします。
(2) 最短突破 ディープラーニング G 検定(ジェネラリスト) 問題集 第 2 版
おすすめ度:★★★★☆
こちらも十分な問題量と充実した解説を持つよい問題集です。
問題ごとに「重要度」が ★〜★★★ で示されているため、残された時間と相談しながら最後の追い込みに使うことができます。
基本的には試験本番を想定した問題ですが、たまに読者の理解を促すためのテキストのような問題も出題されます。
解説は図表も付いており丁寧ですが、たまに難解なこともあり、これ一冊で理解すると言うよりは他の参考書や問題集と組み合わせながら読み進めるのがおすすめです。
解説の表現や角度がこれまで紹介した 3 冊とほどよく重複しておらず、試験本番に向けて立体的な視野を手に入れるのに役立ちます。
(3) 徹底攻略ディープラーニング G 検定ジェネラリスト問題集 第 3 版
おすすめ度:★★★☆☆
問題はほとんどが試験本番形式であり、かつ問題数が多いです。
数理統計学こそありませんがそれ以外の分野に関してそこそこの数の問題数があり、かつ巻末に 200 問の総仕上げ問題集が付属しています。(制限時間が 120 分で 200 問なので旧仕様ですが模擬試験が一回分付いていることになります)
問題はもちろん巻末の総仕上げ問題集の方にも解説がついており、テキスト中心に丁寧に説明されています。
ただし図表は少なく、あくまで AI の基礎概念は理解している人向けの解説といった印象です。
なので本番前にささっと解いて問題に慣れたり、わからない箇所を潰すような仕上げ学習に利用できる一冊かと思います。
模擬試験
これまで紹介した参考書・問題集には模擬試験が付属しているものもあり、自分の実力を測ることができます。
- 最強の合格テキスト:模擬試験 1 回分ダウンロード可能
- 最強の合格問題集:模擬試験 2 回分ダウンロード可能
- 徹底攻略ディープラーニング G 検定ジェネラリスト問題集:巻末に 200 問の総仕上げ問題集が付属
さらに以下の 2 つの模擬試験はネット上で無料で受験できます。(いずれも会員登録や利用申請が必要です)
- ディープロ G 検定 模擬試験
- G 検定模擬試験 set1
私は時間がなかったためディープロの方のみ受験しました。
解説こそありませんが、正答率や間違えた問題の解答を見ることができるため、現時点の自分の実力を測ることができます。
(ちなみにディープロの問題数は 200 問と旧仕様なので注意が必要です。)
最後に
以上が私の体験を元に作成したおすすめの参考書・問題集レビューになります。
一番おすすめなのが最強の合格テキストと最強の合格問題集のセットで、この2冊を中心に勉強していくのが一番体系的に理解できるのではないかと思います。
私のこなした順番は以下の順でした。
- 参考書(2) ディープラーニング G 検定(ジェネラリスト)最強の合格テキスト[第 2 版]
- 問題集(1) ディープラーニング G 検定(ジェネラリスト)最強の合格問題集[第 2 版]
- 参考書(1) 深層学習教科書 ディープラーニング G 検定(ジェネラリスト)公式テキスト 第 3 版
- 問題集(2) 最短突破 ディープラーニング G 検定(ジェネラリスト) 問題集 第 2 版
- 問題集(3) 徹底攻略ディープラーニング G 検定ジェネラリスト問題集 第 3 版
しかしこの順番だと公式テキストのとっつきやすさを生かしきれないこと、また先に最強の合格テキストを読むと公式テキストの記述が物足りなく感じることから、もし公式テキストを読むなら最初にするのをお勧めします。
以上、 G 検定の受験を考えている方の参考になれば幸いです。
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