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イベントに向けて思考整理(その2:Web3.0が支えるカルチャー)

2022/01/16に公開

毎週Blogを更新しようと思ったらあっという間に日曜日... 継続は力なり。しかし力をつけることのなんと難しいことか。Web3.0の話をしよう!というイベントを2022/1/24(月)に開催します。このイベントに向けた思考整理のBlog第二回目です。嗚呼、一日一日があっという間に過ぎてしまう。正月休みだってMatrix Resurrectionsしか映画は見に行けなかったし、このままでは何も準備をしないまま時が過ぎてイベント当日になってしまうぞ!がんばれ、自分!!

まずはじめに細かな点について

Web3なのか、Web3.0なのか

一般的には(Web3/ウェブスリー)と呼ばれることが多いです。マイナーバージョンが刻まれるのは一つ前のバージョンで "Web2.0" と呼んでしまったことが大きいです。あの頃は大きな概念にマイナーバージョンがついていたことがクールだったのです。今回のWebのメジャーアップデート(?)においてマイナーバージョンが省略されてWeb3/ウェブスリーと呼ばれがちなのは、一つは「その方が呼びやすいから」もう一つは「恐らくマイナーバージョンアップしないだろうから」だと思います。Web2.1.1とか、存在しなかったじゃないですか。ちなみに私はWeb3/Web3.0は入り乱れて記載しています。Web3/Web3.0どちらも私は "ウェブスリー" と呼んでいます。今思えばはじめからWeb3で統一するべきでした...

Web3と言われている別の概念(もう一つのWeb3)

Wikipediaを参照していてでてきたのですが、Blockchainを中心に形作られているWeb3とは全く別のWeb3があり、それは別名セマンティック・ウェブと呼ばれています。本当はこちらも少し調べてみたいのですが時間がないので私は触れられません...

ここからが本題。Web3カルチャーとは?

Web3.0について言及するときに、Blockchainやトークンエコノミーなど、なんでもいいのですが、話が限定的に語られてしまうと、納得感がありつつもどこかもったいない気がしてしまうのです。私の持論は「“Web” の冠がつくからには “Web3.0” はカルチャーを支えるインフラであるべきだ」というものです。例えばWeb2.0だったらスマートフォン/ソーシャルメディア/ストリーミングサービス/etc... 色々ありますがこれらは我々のライフスタイルを変えるカルチャーでした。(ちなみにストリーミングサービスに関しては一般的にはWeb2.0として括られないのですが、私の解釈としてはこれはWeb2.0なのです。)

ではWeb3.0が支えるカルチャーとは何なのか。まず前提としてWeb3.0の特徴は「公開されるべき情報は公開されていて」「公開されるべきでない情報は公開されない」です。

【公開されるべき情報】

  • 取引履歴「どのアドレスから」「どのアドレスに」「何が」「どれくらい/いくら」送信されたか
  • 「どのアドレスが」「何を」「どれくらい」保持しているのか

【公開/収集されるべきでない情報】

  • それぞれのアドレスを誰が保持しているのか/どのIPアドレスで取引されたか

Web3.0の概念が提唱された時点でBlockchainが存在していたので、かなりBlockchainの思想が大きいですが、でもここすごく面白いところだと思います。取引履歴が完全にオープンになっているけれど、取引に参加しているアドレスは個人情報には紐づいていないのです。Web2.0の世界観だとまず必要な情報を登録してユーザアカウントを作成し、レコメンデーションやターゲット広告を機能させるため、サービス利用情報はどこまでも追跡され、ときには登録サービス外の利用情報まで追跡されます。Web3.0の世界観では、ウォレットアドレスの作成は誰でも簡単に、何の情報登録もせずに済む行うことができます。(セルフカストディウォレットとか、ノンカストディアルウォレットとか、そんな呼ばれ方をしています。この二つも私は文脈関係なく入り乱れて使ってしまうと思いますが、どちらも同じものを指します。)

私の肌感として、ワクワクするようなWeb3カルチャーはこのノンカストディアルウォレットによって参加可能です。例えばNFTがその一つです。そしてこのNFTは今後Metaverseに参加するキーになります。どうですか、わけのわからないものが線で繋がるとワクワクしませんか?(この説明だけじゃワクワクしないか笑)NFTは一度足を踏み入れると、人によっては泥沼の所有欲に支配されてしまうほどの中毒性があります。私の「Web3か、そうでないか」の基準の一つは「いま(2020年台前半に)自分がワクワクできるかどうか」なのです。面白いカルチャーが発信されないのであればそんなものに新しいWebの冠をつけるではない。NFTも流行りだから買うのではなく、自分がワクワクするかどうかが購入する基準ではないでしょうか。

また別の観点で考えてみると、例えばソーシャルメディアアカウントにウォレットを接続してNFT対応するというアイデア。それによって、今まで匿名だったウォレットがソーシャルメディアの活動と紐づいてしまうことになります。あと、そもそもソーシャルメディアアカウントを持っていないと参加できないBlockchain。これもやはりBlockchain上のアクティビティがトラッキングされることに他なりません。それがダメとは言いませんし、ユーザがそれを面白いと感じてカルチャーが育っていくのならいいのですが、それがWeb3と呼ばれるようになるのかどうかということです。そうは言ってもまぁ、自分が購入したNFTのイメージをTwitterプロフィールにするのが文化ですからねー。難しい問題です。そう考えるとWeb2.0/Web3.0は背中合わせにこれからも歩み続けるでしょうね。

Blockchainの外にあるWeb3

そして話が戻るのですが、「公開されるべき情報は公開されていて」「公開されるべきでない情報は公開されない」もっとシンプルに、「ユーザのプライバシーを守りつつWeb体験を提供できる」という考え方に沿っていれば、BlockchainではなくてもそれはWeb3と呼びうるものになるのではないかと思うのです。いや、話が遠回りになってしまった。「Web3ブラウザとは何か」という話です。何をもってしてWeb3ブラウザと呼ぶことができるのか。ブラウザの機能とBlockchainはあまり関係ないのではないか。

まず一つ、Web3ブラウザはユーザトラッキングをブロックし、度を超えた(サイトを横断した)トラッキングをさせないこと。もっと平たく言うとユーザプライバシーの安全を(可能な限り)守ること。結構ここは大事なポイントだと思います。というのは、Dappsサイトの中には実はトラッカーが潜んでいることもあるのです。そうすると本来匿名であるべきウォレットアドレスがトラッキングの対象となり、他のブラウジング行為と結びついてしまうかもしれません。Web3の思想を踏襲するブラウザであればDappsにおけるトラッキングもブロックするべきなのです。

ただしそれだけでは物足りません。広告やトラッキングをブロックするだけでWeb3ブラウザになってしまうのかと。いやいや、Web3は新しいカルチャーを何か提示しなければつまらない。

Gavin Woodが提唱しているWeb3の概念には「参加しているユーザに報酬が与えられるべきでは」というものがあるのです。ブラウザの機能として、ユーザがそこに参加することでユーザが報酬をもらえる。こちらもやはりワクワクしますよね。ユーザデータが守られ(収集されず)、なおかつユーザの意思(オプトイン)で報酬が貰える。そしてDappsへのアクセスツールも標準装備されている。とりあえずはそんなところでしょうか。Web3ブラウザを謳うにあたってはやはりそれ相応のWeb3に対する研究がなされているんだなと、自分も後追いながら勉強してみると色々と感慨深くなってしまいます。

最後に少しMatrixの話

おそらくMatrix Resurrectionsを見に行った人はあまりいないと思うのですが、Matrixってそもそも「我々が普段生活しているこの世界は仮想現実である」という話ですよね。これってつまり、この現実世界はMetaberseなのである!という話じゃないですか?そうなると我々が最近動向を追いかけているMetaberseは Metaberse in Metaberseなのですよ!!今こそ全人類はMatrixを見直すべきだーー!でもスパイダーマンも見に行きたいぞ笑 今度のスパイダーマンはMultiverseだぞ笑

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