イベントに向けて思考整理(その1:誰がWeb3とか言い出したんだ!)
Web3.0の話をしよう!というイベントを企画させて頂きました。2022/1/24開催予定です。会場にいらっしゃった方にはささやかなプレゼント(Web3.0に関するプロダクトのグッズ)も検討しています。ぜひお申し込みください。企画自体は11月から考えていたのですが、しかし、2021年末頃からWeb3に言及されたBlogやニュース記事が非常に多く出てきており、こんな状況で「さて何を話そうか」と色々考えているのです。(ちなみに2020年末くらいは「NFT」が多く言及されていた記憶です)Yahoo!ニュース的記事と同じことをイベントで話しても全然イベントのValueがないですよねぇ、どうしましょうねぇ。ということで、当日に向けて自分の思考を整理する記事を毎週更新していこうかなと考えています。ちなみに日々私が感じていることのほとんどはこちらのBlogにまとまっていました。自分の知識を更新しなければ面白いイベントはつくれないぞ、がんばれ、自分!!!
さて、イベントに向けてスライドを作りながら疑問に思ったのは「あれ、そもそもBlockchainは手段であって、目的ではないんじゃないのかなぁ」ということでした。それじゃあなんでBlockchain=Web3.0と言われるようになったのか、そもそも誰が "Web3.0" なんて言葉を使い始めたのか...
こちらの記事(Web3.0について全く知らない方はぜひご一読ください)によると、 "Web3.0" の提唱者はGavin Wood氏とのことです。こっちの記事でも "Gavin WoodがWeb3という言葉をつくった" と紹介されています。Gavin Wood氏はWeb3 Foundationの創始者であり、Ethereumの共同創始者、Polkadotの共同創始者でもあります。このGavin Wood氏がはじめて "Web3" という概念を提唱したのが2014年4月17日。そのBlog記事のタイトルは「ĐApps: What Web 3.0 Looks Like」このときすでに "DApps" というワードも使われています。ちなみにGavin Wood氏がはじめてBitcoinについて知ったのが、2011年、その後改めてその概念に触れて新たな可能性を感じ取ったのが2013年。ということで、以下が世界ではじめて "Web3.0" という言葉が放たれた文章の概要です。
ĐApps: What Web 3.0 Looks Like
- それ以前から自身の情報を任意の企業に預けることの危険性は認識していたが、スノーデン事件以降は預けている情報が安全である保証は一切なくなった。企業がBigDataに依存したビジネスモデルを持っていることを考えると情報が意図しない形で使用される可能性を否定することはできない。
- 既存のWebの技術はGoogle Drive, Facebook, Twitterなどその他多くの クラウドベースのアプリケーションをつくりだしたが、社会とテクノロジーのインタラクション(相乗効果)のためにはこれらの技術は新たに作り直される必要がある。
- Web3.0、あるいは "Post Snowden Web" と呼ばれるものは、すでに利用しているWebを再構築したものである。公開すべき情報は公開され、合意されたものは台帳に記録され、プライベートであるべき情報は公開されない。コミュニケーションは常に暗号化され、エンドポイントとしては常に仮のIDのみが利用される。IPアドレスなど追跡可能なものは一切使用しない。政府や企業は信用できないので、事前に想定したことを数学的に強制させるシステムを設計する。
- Web3.0の4つの要素は「静的なコンテンツ公開/static content publication」「(通信のための)動的メッセージ/dynamic messages」「(コンセンサスエンジンによる)管理者を必要としないトランザクション/trustless transactions」「統合ユーザインターフェイス/integrated user-interface」である。
- Web2.0ではWeb3.0的なコンポーネントを利用しているケースも多く、緩やかに変化していくだろう。真のWeb3.0プラットフォームとなるEthereumは投票サイトや取引所など、取引の証拠を提供するサイトによって使用されるようになる。これらのサイトはend-to-endのセキュリティと管理者を必要としないインタラクションを提供するWeb3.0ブラウザに移行することになる。
うんうん、、なんかわかったような気になってきたぞ! 以下、個人的な感想です。
- Web2→Web3への移行としては個人的にはトランプ当選時のアメリカ大統領選挙とかGDCRPとかがターニングポイントだったのかなと思っていたけれど、それ以前のスノーデン事件がWeb3の思想の出発点になっていた。
- P2Pという観点でWeb3.0はWinny/Napsterに似たものを感じていたけれども、思想のベースとしてBitTorrentに触れられている。
- Web3ブラウザがキーの一つとして語られている。Web3ブラウザのあるべき姿がこのとき既に言及されている。なにをもって「Web3.0ブラウザ」と呼ばれるのか、改めてしっかりと考えなければならない。
- そしてWeb3.0という概念自体なんなのか、もう一度見直してみようかしら。でも今日は疲れてしまったわ。
掘ってみれば色々と見つかるものです。面白いですね。ということで引き続きWeb3.0ヒストリーを追いかけます!
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