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Blenderでぬいぐるみを作る方法

2023/09/02に公開

Introduction

Blenderは3D CG作成するソフトですが,いくつかのポイントを押さえることでぬいぐるみの設計にも使うことができます.今回は実例を交えながらその方法を書き留めていきます.

Modeling


まずはぬいぐるみにしたいものをモデリングします.今回はこちらのクジラのようなものを作りました.モデルはぬいぐるみにするので,基本的には風船のように1つの閉曲面である必要があります.一方で,耳やヒレなどの薄いパーツは中に綿を入れないので,板ポリとして作ります.

UV mapping

モデルが出来上がったら,unwrapでUV展開を行います.最終的には展開したUVマップを元にして型紙を作ります.unwrapはUVマップの計算方法の1つで,言葉通りモデルに巻きつけたラップを剥がした時の結果に近いものを出力します.立体裁断に近い方法です.ただし,歪みのない完璧な地球の地図が無いように,丸みのあるモデルのUVマップも完全に歪みの無いものはありません.型紙を組んだ時に求める形に近づけるには,いかに歪みの少ない型紙を作れるのかがポイントになります.

歪みはUV Editorウィンドウで,Display Streach (Area)をONにすると表示されます.黄色や赤いところが歪みが大きいところです.

Seam

歪みを少なくするには適切なSeamをつけることが大切です.Seamは縫い目という意味ですが.BlenderにおいてはUVマップの分割線(切れ目)という意味が大きいです.Edit モードでEdgeを選択するとSeamをつけることができます.デフォルトの設定ではSeamに設定されたEdgeは赤く表示されます.ちなみに,切れ目を入れた部分はUV展開した時に直線に近い形になっていると,あとで縫うのが楽になります.

(1)いろいろなSeamをつける,(2)unwrapする,(3)UVマップの歪みをチェックするという(1)--(3)を繰り返していい展開図に近づけていきます.
非常に参考になるので,くまのぬいぐるみなどが手元にあればよく観察してみてください.

Install plugin

UVマップを型紙の元データにするために,SEAMS TO SEWING PATTERNというプラグインを使います.
プラグインのサイトの説明にしたがって,インストールしてください.

Export pattern

プラグインを使って型紙データのソースを作ります.まず,"Seams to Sweing Pattern"コマンド使ってメッシュを展開します.

展開時の設定が出てくるので,適当な設定で展開します."Remesh"は処理が重くなることがあるので,最初は外しておくのをお勧めします.

うまく展開されると次のように平面がたくさん生成されます.

この平面を選択した状態で,"Export Sewing Pattern"コマンドでsvgを出力します.

デフォルト設定だと,こんな感じのsvgが出力されます.

Edit with Adobe illustrator

svgをAdobe illustrator(ベクター画像を編集できるソフト)で取り込みます.取り込んだら縮尺があっているか確認してください.この線は仕上がり線になるので,ここに縫い代を足した断ち切り線を追加します.仕上がり線を選択して,パスのオフセットを使います,オフセットは5mmにしておきます.

長い曲線で生地の対応がわかりにくい場合は,合印をつけておきます.

Sewing

型紙データができたら,あとは通常のぬいぐるみと同じです.等倍で印刷して,丁寧に布を切って,縫い合わせます.縫い合わせる際はBlender側の3Dデータで形を確認しながら縫っていきましょう.

例に出したくじらのぬいぐるみはラビットファーで作ってこんなものに仕上がりました.

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