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測量士試験顛末記

2022/08/09に公開約6,100字

はじめに

この記事は、測量士補試験受験を思い立ってから合計で1年4か月弱にもおよぶ、聞くも涙語るも涙の壮絶な物語です(そうなんか、初めて知ったわ)。

これまでGISを片手間レベルでも使ってきたり、基盤地図情報とかにも手を出したりしていた者としては、測量士という資格は気になっていました。とはいえ、手を出しにくそうだったのと、多分測量業に参入することはおそらくないので、長らく挑戦するつもりはありませんでした。

ところが、2021年4月ごろに思い立ち、まずは測量士補試験を受け、最終的には測量士試験に挑戦しようと考えました。

測量士/測量士補になる資格があると(登録不要)土地家屋調査士の午前試験が免除になるから、という資格マニア的な理由ではありません。

測量士試験合格(登録不要)で職業訓練指導員試験・測量科が受験できるようになるからです。というのも、同試験は系基礎学科、専攻学科、実技、指導方法の4科目からなりますが、指導方法のみ実施する県が多く、それ以外の3科目の免除がないと受験できないことが多いです。職業訓練指導員試験・測量科は、測量士試験合格をもって3科目が免除されますので、受験可能となります。資格マニアじゃねえかよ。

測量士補試験を受けた話

測量士補試験について

測量士補試験は、多肢選択式で28問出題されます。各問25点です。700点満点中450点以上(問題数で言うと28問中18問以上、得点率で言うと64%以上)で合格です。一般的な資格試験では、合格基準を得点率60%以上に設定していることが多いので、ややハードルが高くなっています。

700点満点としているのは、測量士試験の午前と合わせるためでないかと思います。

とにかく願書を出す

測量士/補試験を思い出したのが、たまたま願書受付期間中だったか、その直前でした。例年は1月に願書を受け付けて5月に試験を行うのですが、新型コロナの影響で、日程変更になっていたようです。

これは受けなきゃいけないと思い、国土地理院さん本院に行って受験願書を取得しました。警備員さんに願書が欲しいと言うと、来院者受付のあたりに置いてありまして、記帳と入館カード借受は不要でした。

この時点ではまだ測量士/測量士補のいずれを受験するか決めておらず、そもそも過去物も見ていませんでした。でも、すぐに願書を出さないといけなかったので、とりあえず合格率を見て判断しました。2019年で測量士試験で14.8%、測量士補試験で35.8%。測量士試験は結構な難関と判断し、測量士補試験を受けようと思いました。

試験当日

2021年9月12日、早稲田大学西早稲田キャンパスで受験しました。つくばエクスプレスで新御徒町駅に行き、都営大江戸線(飯田橋駅経由)に乗り換えて東新宿駅に行きましたが、どうでもいいことですね。

会場付近では、試験対策スクールがビラ配りをしていました。こういった光景を見るのは本当に久しぶりでした。数十年前に受験した公務員試験以来かも知れません。とりあえずウチワにするためにビラをもらうのが基本です。

出席率はかなり高かったと記憶しています。ほぼ空席なし。

試験の説明で、ちょっと驚いたことは一つ。中途退室は可能ですが、中途退室では問題集は持ち帰れないとのこと。これは測量士試験も同じです。自己採点をする方はご注意を。あと、このときの説明では、合格者の番号一覧は官報に公示しますと説明されていましたが、少なくとも2021年では官報公示はされなくなっていました。

測量士試験を受けるまでの話

2022年の測量士/測量士補試験の試験日は5月15日でした。これが通常の日程のようです。2022年1月に、今度は郵送で願書を取り寄せました。願書自体は測量士補試験と差はないので、特に滞るところもなく書いて提出しました。

それと前後して、測量協会さんが発行されている「受験テキスト」を購入。本格的な学習に入るはずでした。

測量士試験について

測量士試験は、午前は多肢選択で、28問出題され、各問25点、700点満点です。これは測量士補試験と同じです。

午後は記述式です。No1が必須で300点満点、No2からNo6のうち4題のうち2題を選択します。各題200点満点です。午後の合計は 300+2*200 = 700点満点となります。

午前の1問あたりの配点が25点と大きいのは、午前の満点と午後の満点を同じにするためだろうと思います。

合格基準は、午前で700点満点中400点以上(問題数で言うと28問中16問以上、得点率で言うと57%以上)かつ、午前と午後の合計で1400点満点中910点以上(得点率で言うと65%以上)で合格です。測量士補と同じく、合格率のハードルがやや高くなっています。

受験テキストを頭から読むと頭に入らない

ところが、受験テキストを最初から読んでいくと、頭になかなか入りません。ページ数がすごいので、このままでは多分間に合わない。あせってくる。でも今年は低温の期間が長くて、寒いとやる気が起きない…言い訳にしか聞こえないと思いますが、言い訳です。

そうこうしているうちに大型連休。来週には試験。

いい加減勉強しないとと思い、とりあえず受験テキストは捨てて、過去問を見る。当然分からないところが出てきます。調べなきゃいけない。どこに情報ある?「受験テキスト」だ!

思い返すと受験テキストは頭から読むより辞書的な使い方をした方がよかったようです。

結局、午前の過去問と午後No1の過去問だけを確認したところで時間切れ。午後選択は確認さえせずに受験に望むことになりました。

いざ受験

受験票は次のような感じです。名前と生年月日は消しています。

受験票

そして、2022年5月15日、東京大学駒場キャンパスで受験しました。つくばエクスプレスで秋葉原駅、JR中央緩行線でそのまま代々木駅、山手線に乗り換えて渋谷駅、さらに京王井の頭線で駒場東大前駅と乗り継ぎましたが、わざわざ書く話なのでしょうか。

とにかく、測量士補は午後から試験ですが、測量士は午前、午後と試験。

会場付近は、測量士補試験の時に見たビラ配りの方々が、一切、いらしゃいませんでした。

早稲田から遠いからか、別の入り口があって、そちらの方に人が多いからとか、よく分かりませんが、とにかくいませんでした。ウチワ無いじゃん…。

ともかく教室に入ると、記憶が確かでないのですが、半分いってないんじゃないかと思うぐらい出席率が低かったです。

午後はビラ配りがおられる

午後、コンビニで昼食を買って会場に戻ろうとすると、午前には一人もいらっしゃらなかったビラ配りの方がぽつりぽつりといらっしゃいました。

ここは、測量士補の一部も受験会場になっています。で、測量士補は午後。つまりビラは測量士補受験の方向けです。もっと言うと、合格後は土地家屋調査士に向かう方たちに向けたものなのではないかと思います。

午後は厳しい

午後は記述式試験。

久々に厳しい試験を経験しました。何と言っても時間が足りない。本当に足りない。

そして、最後の最後にNo4で回答していない小問を2つ発見。時計を見る。あと10分。これは無理、埋められない。とにかく、選択肢はそれっぽいのを埋めて、自由記述は適当に埋めて、なんとか全部埋める、が、自由記述部分は自分でも何書いてるか分からないレベル。採点された方も困られたかも知れません。

結局、午後1時30分から午後4時までの2時間30分間、時間一杯までいました。それも、測量士補試験や測量士試験午前のように問題集を持って帰るために待っていたのでなく、最後まで解答用紙に向かっていました。

受験を終えて

暗澹たる気持ちで帰宅の途に就きました。ああこれはダメだと。午後びっちり受験したダメージががっつり効いてきてましたし。

とりえず電車に乗って帰りました。とはいえ、1時間半も経てば、すっかり気分も良くなり、はじめっから無理なの分かってたもんね自己採点なんかしません自分から不合格ですって言えないからね来年頑張(以下略)

ダメと思っていた合格発表で変な声が出た

2か月後、測量士試験のことなどすっかり忘れていたようにしていましたが、単に不安の裏返しです。やはり頭の片隅にはありましたし、合否はやはり気になるところです。

そして7月5日。自己採点していないので合否が分からない状態で、合格発表をとりあえず見ました、9時丁度に。見る気満々やないか。ダメだったとか何だかんだ言っても、もしかしたら合格してるかも知れないという甘い気持ちがあるんですね。
ということで、誰もいないところで、自分のスマホからPDFを開いてみる。合格者の受験番号がずらっと並んでいる。1ページ目は北海道とかなってるから東京まで進める。で、ざっと見渡す。

自分の受験番号が…あった

覚えてないけど「おほぉ!」みたいな声だったと思います。漏れ出ました。

地理院さんに合格者名簿があるので見に行った

その日のうちに、地理院さんの本院に行きました。合格者名簿を見ることができるからです。

本当に合格していていいのか?今回ばかりは間違いではないか?と思ったからです。あと、地理院さんの中に一回入って見たかったのも正直あります。

受付で合格者名簿を見たい旨を告げると、来院者として記帳を促され、ネックストラップの貸出を受けて、階段上がって右行って左側、みたいな(詳細一切覚えてません)順路説明を受けて、その通りに行きました。
とりあえず名簿を見て、名前も正しく出ている。とりあえず、合格したのです。

あと、Twitterなどで「測量士/測量士補試験に合格したよ!」と書き、証拠に受験票とPDFの合格者番号一覧を写真に撮ってアップしている方がいらっしゃいますが、この名簿を見ると名前まではバレます。本名を知られたくないアカウントからは、受験番号を公開しないほうがいいです。本名バレを防ぎつつ受験番号をするなら合格発表から1ヶ月経ってからにしましょう。合格者名簿が閉じられます。

合格発表後に点数を見る気になる

いい加減な自己採点では落ちている

不合格を自分に突きつけたくないので自己採点したくなかったけど、合格したのなら大丈夫なので、ここでやっと自己採点を始めました。

配点は先に書いた通り、午前が700点、午後No1が300点、選択は各題200点で2題なので合計400点、全て合わせて1400点満点です。合格基準は910点、得点率65%です。

午前は多肢選択なのできっちり点が出ます。550点で、80%をやや切るかんじでした。

午後はざっくりとしか見ませんでした。No1は60%程度かなと思いました。No3は、おそらく25%程度で、何やってんだレベル。No4はそこまでひどくないものの、60%程度と思いました。自己採点というにはいい加減すぎませんかと言われたら、うんその通りですねとしか言えないのですが、ともかくこれぐらいだろうということで集計すると

550 + (180 + 50 + 120) = 550 + 350 = 900

910点で合格なので落ちとるがな

合格しても点数は教えてくれる

昨年の試験から不合格になった人には点数が送られているそうですが、合格者には送られていません。それでも点数を知りたい場合には、保有個人情報開示請求が可能とのこと。国土地理院さんにはご迷惑をおかけしますが、請求してみました。

マイナンバーカードの署名用キーが生きていれば e-Gov から出せます。申込書と身分証明書を送りました。

2週間で全開示決定を頂き、2日後 (普通郵便なので標準)に開示決定通知と申込書が送られてきました。

2回目の申込書は、事務所で閲覧するか、複写物の手渡しか、複写物の郵送かを選択するためのものです。また、送られてきた文書の中に送料の参考額が書かれていて、それ相当の切手を同封して、申込書に必要事項を記載したうえで送ります。e-Gov経由でも郵便切手が必要で送付する必要があるため、申請書も郵送の方がやりやすいです。

2回目の申込書送付のあとしばらく待っていると、複写物が届きました。

恥ずかしいけど見て下さいみたいな点数

午前が 550/700 = 78.6%
午後 No1 が 162/300 = 54%
午後 No3 が 70/200 = 35%
午後 No4 が 128/200 = 64%

合格基準が 65% で、超えているのは午前だけ。おまけで午後No4。この結果を素直に見ると、午前の貯金で逃げ切ったかんじです。そして、合計がちょうど910点。ギリギリです。

なんか微妙に思われるかも知れませんが、合格は合格、地理院さんが微妙な成績だけどまあ測量士になってもいいと認めて下さったのです。これでいいです。来年受験し直して今年より高い点数を取るとかいった向上心はありません。特に午後試験はつらいです。

登録しないと測量士ではない

測量士補試験の問題でよく出てくるのですが、学歴や試験合格、実務経験で測量士/測量士補になる資格を得られても、あくまで「…になる資格」です。測量士/測量士補の資格を得るには登録が必要です。

登録免許税は測量士補で15,000円、測量士で30,000円です。測量士/測量士補として作業に従事する方にとっては高くないと思いますが、従事する予定が全く無いので二の足を踏んでいます。とはいえ出せない額ではないので、うーんどうしよう。

おわりに

いかがだったでしょうか。

今後測量士試験を受けられる方に特に申し上げたいのは次の3点です。

  • 午前でしっかり稼ぐ
  • 午後は時間に追われて疲れる
  • ダメもとでも受験だけはしてみる

この記事で知るべきことは、このセクションだけで、ここから上はほとんど知っておくべきこともないでしょうし、特になにより、私の得点は忘れて下さい、恥ずかしい。

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