サブネットマスクって何?/24とかの意味も解説 Part.2
☆IPアドレスシリーズ Part.2
前回のおさらい
前回の記事でIPアドレスの基本について書きました!!
「IPアドレスはインターネット上の住所」って話でしたが、今回はもう一歩踏み込んで「サブネットマスク」について解説していきます。
これ、ネットワーク設定で絶対に出てくるやつなんですが、意外と「なんとなく255.255.255.0って書いてる」って人も多いんじゃないでしょうか。
サブネットマスクって何なの?
一言で言うと、「ネットワークの範囲を決めるもの」です。
住所で例えてみる
IPアドレスを住所に例えるなら、サブネットマスクは「どこまでが町名で、どこからが番地なのか」を決めるルールみたいなものです。
例:東京都渋谷区神南1-2-3
町名の部分:東京都渋谷区神南 ← ネットワーク部
番地の部分:1-2-3 ← ホスト部
IPアドレスも同じように「ネットワーク部」と「ホスト部」に分かれてて、その境界を決めるのがサブネットマスクなんです。
具体例で理解してみよう
よくあるパターン
IPアドレス: 192.168.1.100
サブネットマスク: 255.255.255.0
これを2進数で見てみると
11000000.10101000.00000001.01100100 :IPアドレス
11111111.11111111.11111111.00000000 :サブネットマスク
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ネットワーク部 ホスト部
サブネットマスクの「1」の部分がネットワーク部、「0」の部分がホスト部を表してます。
つまり、、
- ネットワーク部:192.168.1(この範囲は同じネットワーク)
- ホスト部:100(この部分で個別の機器を識別している)
同じネットワークにいるのは?
上記の例だと、以下のIPアドレスは全部同じネットワークにいることになります。
192.168.1.1 ← ルーター
192.168.1.100 ← PC
192.168.1.101 ← スマホ
192.168.1.254 ← プリンター
CIDR記法(/24とかの意味)
サブネットマスクを毎回「255.255.255.0」って書くの、面倒じゃないですか?
そこで登場するのがCIDR記法(サイダー)です!🥤
/24の意味
192.168.1.0/24
この「/24」は「上位24ビットがネットワーク部」という意味です。
IPv4は、第四オクテットまであり、各オクテットが8ビットずつになっています。
255.255.255.0 = 11111111.11111111.11111111.00000000
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8. 8. 8. 8
24個の1 + 8個の0 = 32ビット
つまり、、、
- /24 = 255.255.255.0
- /16 = 255.255.0.0
- /8 = 255.0.0.0
よく使われるパターン
/24 → 255.255.255.0 (254台まで接続可能)
/16 → 255.255.0.0 (65,534台まで接続可能)
/8 → 255.0.0.0 (16,777,214台まで接続可能)
なんで必要なの?
1. 効率的な通信のため
同じネットワーク内の通信は直接できるけど、違うネットワークへはルーターを経由する必要があります。
同じネットワーク内:
192.168.1.100 → 192.168.1.101 (直接通信ができる)
違うネットワーク:
192.168.1.100 → 192.168.2.100 (ルーターを経由して通信)
2. セキュリティのため
ネットワークを分けることで、アクセス制御がしやすくなります!
営業部門: 192.168.1.0/24
開発部門: 192.168.2.0/24
サーバー: 192.168.100.0/24
それぞれのネットワークに分割することでセキュアな環境を構築することが可能です!
実際の計算をやってみましょう
問題:192.168.1.50/28 の場合
/28ということは、上位28ビットがネットワーク部です!
Step1: サブネットマスクを求める
/28 = 上位28ビットが1、下位4ビットが0
11111111.11111111.11111111.11110000
= 255.255.255.240
Step2: 問題のIPアドレスを2進数にする
192.168.1.50 の最後のオクテット「50」に注目する
50 = 32 + 16 + 2 = 00110010 (2進数)
Step3: ネットワーク部とホスト部に分ける
IPアドレス: 192.168.1. 0011 0010
サブネットマスク: 255.255.255. 1111 0000
^^^^ ^^^^
↑ ↑
ネ ホ
ッ ス
ト ト
ワ 部
ー
ク
部
Step4: ネットワークアドレスを計算
ネットワーク部だけを残して、ホスト部を0にする
0011 0000 = 48 (10進数)
→ ネットワークアドレス: 192.168.1.48
Step5: ブロードキャストアドレスを計算
ネットワーク部は同じで、ホスト部をすべて1にする
0011 1111 = 48 + 15 = 63 (10進数)
→ ブロードキャストアドレス: 192.168.1.63
Step6: 使用可能なIPアドレスの範囲
ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスは特別な用途で使われるので、実際には使用できない。機器に割り当てできるのは
192.168.1.49 〜 192.168.1.62 (14個)
計算のコツ
IPアドレスの最後のオクテット(50)を2進数にすると
50 = 00110010
/28なので、上位4ビット(0011)がネットワーク部
下位4ビット(0010)がホスト部
ネットワーク部を10進数に戻すと:
0011 0000 = 48 → ネットワークアドレスは192.168.1.48
よくある設定例
家庭用ルーター
IPアドレス: 192.168.1.1/24
DHCP範囲: 192.168.1.100〜192.168.1.200
小規模のオフィス
ネットワーク: 192.168.0.0/24
ルーター: 192.168.0.1
サーバー: 192.168.0.10
PC群: 192.168.0.100〜192.168.0.200
中規模企業
全体: 10.0.0.0/16
営業部: 10.0.1.0/24
開発部: 10.0.2.0/24
総務部: 10.0.3.0/24
サーバー群: 10.0.100.0/24
まとめ
サブネットマスクのポイント
- ネットワークの範囲を決めるルール
- IPアドレスをネットワーク部とホスト部に分ける
- CIDR記法(/24)で簡潔に表現できる
- 効率的な通信とセキュリティのために重要
最初は分かりにくいかもしれませんが、慣れれば「あ、/24だから254台まで繋げるな」みたいに直感的に分かるようになります。
次回予告
次回は「ネットワーク設計の基本」について書く予定です。
実際にオフィスや自宅のネットワークを設計するとき、どんなことを考えればいいのか、IPアドレスの割り振りはどうするのか、などの実践的な話をしていきます。
IPアドレスシリーズ
- IPアドレスって何?基本編
- サブネットマスクとCIDR記法(この記事👈)
- ネットワーク設計の基本(次回予定)
- ルーティングの仕組み
- VLANとネットワーク分割
質問やコメント、お待ちしています!
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