RAGって何?ってならないようにざっくり理解しておく
RAGって何?
最近、「RAG」というワードをよく聞きますよね。
正式には 「Retrieval-Augmented Generation(検索拡張生成)」 と言うそうです。
この文字列だけ見ても、ぶっちゃけ「何それ?」となったので、ざっくり説明できるように、自分なりに理解をまとめておきたいと思います。
RAGとは、情報検索(Retrieval) と テキスト生成(Generation) を組み合わせたAIの技術です。
その名の通り、外部の情報を検索し、それをもとに回答を生成する仕組みになっています。
例えば、ネット上の最新情報や、社内にしかない情報を検索しながら、LLMが回答を作成する ことが可能になります。
つまり、一言で言うと、AIが学習済みのデータと、外部から得た独自情報を組み合わせて回答を生成する仕組み ということになります。
RAGを使うと何がいいの?
RAGは、単なる大規模言語モデル(LLM)よりも 新しさ、正確さ、専門性 などの面で優れていると言われています。
では、具体的にどういうところが優れているのでしょうか。
1. 最新の情報を活用できる 🚀
LLMは、一度学習したデータをもとに回答を生成するため、学習時点以降の情報は持っていません。
つまり、最新のニュースやトレンドに関する質問には回答できないということになってしまいます。
RAGなら、外部のデータベースやWeb検索を活用できるため、最新の情報を含めた回答 を生成できます。
例:「最近のAI技術の進展は?」と聞いたら、最新の論文やニュースを検索して回答してくれる。
2. より正確で信頼性の高い回答が得られる 🎯
LLMは、まれに「ハルシネーション」と呼ばれる誤情報を生成することがあります。
つまり、自信満々で誤った回答をしてしまうことが発生してしまいます。
しかし、RAGでは、外部のデータを検索し、その情報を根拠として回答を作るため、より信頼性の高い内容 になりやすいです。
例:医療や法律関連の質問に対し、最新の研究論文や法令データを参照して回答できる。
3. 専門分野や社内文書に特化した知識が活用できる 📚
LLMは一般的な知識を広く持っていますが、特定の企業のデータや専門分野の情報はカバーできないことが多いです。
RAGなら、社内文書や業界特化データを検索しながら回答を作れるため、業務に直結する知識を活かせる ようになります。
例:「この製品のマニュアルを見て解決策を教えて」と聞いたら、社内の技術文書を検索して適切な解決策を提示できる。
ファインチューニングとの違いは?
AIを活用するとき、RAGと並んでよく聞くのが 「ファインチューニング(Fine-Tuning)」 です。
ファインチューニングとは、一度学習したモデルに追加の学習を行い、特定の分野に最適化するプロセスのことです。
RAGとファインチューニングは、どちらも「AIの回答をより精度の高いものにする技術」ですが、このようにアプローチが異なっています。
RAGとファインチューニングの比較
RAGとファインチューニングを比較すると、以下のようになります。
RAG(検索拡張生成) | ファインチューニング | |
---|---|---|
仕組み | 外部データを検索し、その情報を活用して回答を生成 | 事前に追加学習させたデータを活用して回答 |
学習の必要性 | 不要(事前学習済みのモデルをそのまま使う) | 必要(データを用意して追加学習が必要) |
データの更新性 | リアルタイムで新しい情報を取り込める | 学習した時点の情報しか使えない |
カスタマイズ性 | 企業の社内データや最新情報を反映しやすい | 特定のタスクに最適化できる |
コスト・手間 | 比較的低コスト | 訓練データの準備・学習にコストがかかる |
おわりに
ざっくりRAGについてまとめましたが、外部データを検索しながら回答を生成できるという点が大きな強みだと思いました。
企業のナレッジ活用やリアルタイムな情報提供にも有効で、ファインチューニングと比べても低コストかつ迅速にカスタマイズできるのも魅力的ですね。
これからのAI開発において、RAGは重要な技術のひとつとなっていくと思うので、今後の進化にも注目しつつ、上手く活用していきたいと思います。
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