Stickinessを高めるプロダクトデザインのためのカルチャーと体制@Spectrum Tokyo Meetup
こんにちは、花谷です。
先日Spectrum Tokyoさん主催のMeetup#21にて、「Stickinessを高めるプロダクトデザインのためのカルチャーと体制」というタイトルでLT登壇させていただきました。この記事では、そこで発表させていただいた内容を掻い摘んで紹介させていただきます。
まずは簡単に自己紹介。自分はこの会社の創業者・代表取締役という立場ですが、創業フェーズは専らPdM業務に勤しんでおりました。さらに言えば、最初の1年間はUIデザイナーとしてモックアップを作っていたり、お客様の解像度を上げるために最大で20社ほどCS担当をしておりました。これは全て、お客様にとって使いやすい、ひいては ”Stickinessの高い製品” を作るための取り組みでした。
しかし、事業が拡大するにつれて、自分自身がゴリゴリ手を動かして牽引していくのが難しくなってきたため、自分が手を動かす中で大切だと思ったこと・チームに引き継いで欲しいと思ったことを、『カルチャー(考え方)』と『体制(仕組み)』に落とし込んでいきました。
SaaSベンダーにとっての”Stickiness”
会社経営をしていると、多種多様なKPIを扱わなければならないのですが、殊SaaS企業において重要なのが『更新率』となります。更新率が低いとそれは実質「売り切り型」のサービスとなり、経営の難易度はかなり上がってしまいます。
そのため、この更新率をあらゆる角度から予測・モニタリングするわけですが、一般的な先行指標としては『オンボーディング完了までの経過時間』や『アクティブ率』がよく用いられます。これをプロダクトデザインの観点から良化させるとなると、「繰り返し製品画面に戻ってくる状態」や「業務オペレーションに溶け込んでいる状態」を目指すことになります。
特にBtoB SaaSにおいては、「業務オペレーションに溶け込んでいる状態」を生み出すことが非常に重要となります。
カルチャー:一次情報を重視
「業務オペレーションに溶け込んでいる状態」を生み出すために非常に大切にしていることの一つが『一次情報に触れること』となります。
BtoB SaaSが再現性ある形で売れ始め、解約率も一定水準まで下がってくると、機能改善・機能拡張を推進するのはお客様からの機能要望(VoC)となります。自分は過去、機能開発において様々な過ちを犯しており、「こんな機能があったら売れるのでは!」というアイデア駆動で機能開発を進めていた時期がありますが、誤った方法であると断言できます。BtoB SaaSにおいて未来のプロダクト像は、社内の人間ではなく、お客様が知っています。
そうなったときに、お客様の生の声、すなわち『一次情報』をどれだけ握れているかが、良いプロダクト開発ができるか否かの命運を握ります。
この『一次情報』を拾い上げるときに重要なのが、「機能要望だけを聞かない」ことです。すなわち、どういった背景でこの機能を要望しているのか、その機能があればどういったことが実現できるようになるのか、こういった背景まで深ぼることがとても大切になります。
所謂「UIはイケていているけど、UXが良くない」という状態は、ここの踏み込みが甘いときに発生すると考えています。
体制:一次情報の集約と活用
次に、この一次情報をプロダクト開発へと適用するための体制(=仕組み)についてですが、まず当社ではNotion上に『機能要望(一次情報)』というデータベースを構築し、カスタマーサクセスやフィールドセールスが常にお客様からいただいた機能要望を記入する運用を行っております。
過去4年間で、ここに起票された機能要望は1,200件近くなっており、毎週10件程度今も起票されています。
また、起票時のルールも設けており、先述した要望の背景をしっかりと記載するようなデータベース構造としています。
こうして蓄えられた機能要望をもとに機能開発の計画を立てていくのですが、機能開発チケットを起票する際に先ほどの機能要望を紐づけることで、PdMやデザイナーといった要求定義に近いロールの人だけでなく、エンジニアやQAといった構造上お客様から遠くなってしまいがちなロールの人も開発背景や顧客へのインパクトを意識した開発が実現できるようになります。
また、機能がリリースされた際に、当該機能をご要望いただいていたお客様に即時ご案内ができるというメリットもあります。
最後に
自分自身は少しずつ開発の現場から離れていっておりますが、Biziblの開発チームは、常にお客様の方を向いて、実直にプロダクト開発に臨んでいるという自負があります。
このカルチャーや体制を維持した上で、会社としてはお客様への提供価値を更に増やすべく、どんどんと新しいことを仕掛けていく所存です。
開発エンジニア、プロダクトデザイナーの仲間を大募集中ですので、カジュアル面談でぜひ当社のご紹介をさせてください!
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