ビットキーのSoftware QAが毎月行っている振り返り会を紹介します

2024/12/05に公開

はじめに

株式会社ビットキー Software QAアドベントカレンダーの2024年12月5日の記事は、2023年5月に入社しましたSoftware QAチーム所属 勝瀬隆一 が担当します。

今回はSoftware QAチームで行っている振り返り会について紹介させていただきます。

振り返りの重要性

ビットキーのSoftwareQAチームでは毎月一回、1時間の振り返り会を開催しています。

定期的な振り返り会は、チームの成長を促進させ、より良い成果を生み出すための重要な機会です。
成功や失敗から学び、互いに協力し合いチームワークを高めることで目標達成へと近づくと考えています。

メンバー同士が率直に意見交換、成功体験を共有することで、

  • 個人の能力やモチベーションの向上
  • 相互理解、チームワークの向上
  • 組織全体の活性化

にも繋がり、より良い組織文化を築くことに貢献しています。

さらに課題や問題点を洗い出し、具体的な解決策を検討して改善することで、よりよい組織体制にしていくことが可能となると思います。

チーム間の連携を強化したい、自己成長を促進したいと考えている方は、ぜひこの記事をご覧ください。

振り返り会の構成

ビットキーのSoftwareQAチームではKPT法を用いて振り返り会を行っています。

KPTとは、Keep(良かったこと)、Problem(問題点)、Try(次に試すこと)の3つの視点から物事を振り返り、改善していくためのシンプルなフレームワークです。

こちらを用いた4つの項目で振り返り会を進めていきます。

1.Good&Thank you&Learn

KPT法でいうとKに該当する部分です。振り返り会はまずこちらの項目から開始します。

「Good&Thank you&Learn」では、「業務やオフィスで起きた良かったこと」「チームメンバーに対しての感謝の気持ち」「できるようになったことや学び」を主な内容とし、3分間で書き出し発表します。

2.Problem

ここでは日々の業務やオフィスで過ごす時間の中で感じた改善した方がいいと感じたことや悩みを4分で書き出し発表をします。

3.Discussion

まずはProblemで上がった課題に対して、気になると感じた課題を1人2つ選び、

その中で多く選ばれた3つの課題についてディスカッションしていきます。

課題に対してメンバー全員で問題解決に向けた意見を出し合うことを目的としています。

4.Try

Discussionで議論した結果に基づいて、解決策を実行します。

これには振り返りに参加したメンバーらが、知恵を出し合いながら導き出したチーム単位での認識齟齬のないアクションとなります。

つまり、担当者が解決策を実行する上で、チーム内での認識齟齬は生まれないといったメリットがあります。

振り返り会だけではない!

Problemで上がっているがDiscussion内で議論しきれなかった課題をタスク化し、メンバーそれぞれに割り振って翌月までに解決させるという取り組みを導入しています。

例えば「タブの収納術を知りたい」といった些細な問題や「業務で使用する電池の調達依頼の明確なルールがない」といった重要な問題まで全てタスク化しています。

この取り組みを行うことによって、メンバーは以下のような能力を養うことができました。

1.行動力

  • 課題を放置しない: 問題をProblemとして捉え、具体的なタスクに落とし込むことで、「やらなければならない」という意識が生まれ、行動に移しやすくなりました。
  • 主体性の向上: タスクが明確になることで、担当者は「自分の仕事」として責任感を持って取り組み、主体的に行動するようになりました。
  • 迅速な対応: 翌月までに解決するという期限を設定することで、迅速な対応が促され、行動力が鍛えられました。
  • 改善意識の向上: 問題解決を通して、現状維持に甘んじることなく、常に改善を意識するようになりました。

2.連携・相談力

  • 情報共有の促進: タスクの進捗状況や課題を共有することで、メンバー間の情報共有が促進され、連携が強化されたと感じています。
  • 相談しやすい環境: 課題解決に向けて、メンバー同士で相談し合う機会が増え、相談しやすい環境が生まれたと感じています。
  • 多様な視点の獲得: 他のメンバーの意見やアイデアを聞くことで、多様な視点を取り入れることができました。
  • チームワークの向上: 協力して課題解決に取り組むことで、チームワークが向上したと感じています。

3.課題解決力

  • 問題分析能力の向上: 課題をタスクに分解する過程で、問題の本質を分析する能力が養われると思います。
  • 論理的思考力の向上: 解決策を考える際に、論理的に思考する力を鍛えることができました。
  • 解決策実行力の向上: 具体的なタスクとして落とし込むことで、解決策を実行に移す力が身につくと思います。
  • 評価・改善能力の向上: 翌月までに解決するという期限を設定することで、結果を評価し、改善を図る習慣がつきました。

振り返り会のメリットとデメリット

振り返り会を通じて、私自身がこの取り組みの価値を強く実感しています。
同時に、チーム内での経験や他のメンバーとの対話を通じて、
この方法には様々な側面があることも理解しました。
そこで、振り返り会がもたらす具体的なメリットと、実施する上で注意すべき潜在的なデメリットについて、より詳細に紹介したいと思います。
私たちのチームが振り返り会をより効果的に活用し、継続的に改善していく上で重要な視点となっています。

メリット

  • チーム内のコミュニケーション向上: 定期的な振り返り会を通じて、メンバー間の対話が促進され、お互いの考えや感情を共有する機会が増えました。これにより、チームの一体感が高まり、より円滑な協力体制が構築されたと感じています。
  • 問題解決能力の向上: 課題を明確化し、全員で解決策を考えることで、個々のメンバーの問題解決スキルが磨かれました。また、多様な視点からアプローチすることで、より効果的な解決策を見出せる可能性が高まると考えられます。
  • 個人およびチームの成長: 振り返りを通じて、自身の強みや弱みを認識し、改善点を見出すことができています。同時に、チーム全体としての課題も明らかになり、組織としての成長につながっています。
  • オープンな雰囲気作り: 定期的に意見を交換する場を設けることで、メンバーが自由に発言できる雰囲気が醸成されています。これにより、日常的なコミュニケーションも活性化し、より風通しの良い職場環境が実現できると考えています。

デメリット

  • 時間が足りず、別枠を設けることが多々ある: 振り返り会で深い議論が行われると、予定していた時間内に収まらないことが何度かありました。その結果、追加の時間を設定する必要が生じ、他の業務に影響を及ぼす結果となってしまいました。
  • タスク化を導入したことでちょっとしたProblemが出にくくなったと感じる: 課題をタスク化することで、大きな問題には対処しやすくなりましたが、逆に小さな問題や気づきが見過ごされる傾向がありました。これにより、些細だが重要な改善点を見逃す可能性があると思われます。

実際の振り返り会の様子

振り返り会は堅苦しくて退屈なイメージを持つ方もいるかもしれません。

ですが、本来はもっと自由で楽しいものです

理想的な振り返り会は、まるでカフェでの雑談のように、リラックスした雰囲気の中で、色々な意見が活発に飛び交うような時間です。

こちらが実際に振り返り会で使用したシートになります。

また、振り返り会で議論されなかった議題については以下のようにタスクを切って取り組んでいます。

上記は11月1日時点のものであり、10月末の振り返りについてはまだ着手していないものが目立っています。

8月よりも過去になると、タスクがほとんど完了していることが上記の画像で見てとれると思います。

終わりに

今回の記事では、ビットキーのSoftware QAチームにおける振り返り会の実践例を紹介しました。

KPT法を用いた具体的な進め方や、Problemで挙がった課題をタスク化して解決に取り組むといったユニークな取り組みについて解説しました。

振り返り会は、チームの潜在能力を引き出し、最大限のパフォーマンスを発揮するための、強力なツールです。

この記事で紹介した内容を参考に是非、振り返り会を実践してみてください。

小さな一歩が、大きな成果を生み出すきっかけとなるはずです。

Bitkey Developers

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