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カンファレンスのブースで「やめたこと」と「はじめたこと」

2024/12/02に公開

結論

関係者全員が、その技術を媒介に楽しみながら双方向に情報交換できる設計とする

カンファレンスブース運用の知識が溜まってきた

はじめまして!株式会社ビットキーでEM / 技術広報 / スクラムマスターをしているパウリが ビットキー Developer Advent Calendar 2024の2日目を担当します!
早いもので(兼務ではあるものの)私がビットキーで技術広報活動を始めて1年半が経ちました✨️
その活動の一環として、これまでビットキーに関わる技術領域の発展を祈り微力ながらスポンサーとして支援させていただいておりました
実際2024年度はビットキーが取り扱う技術領域の広さから、年間20件以上のカンファレンススポンサーをし、またその内10件程度がブース出展ありのスポンサープランでした
この活動の中で、組織及び私に技術広報の知見がなかったところからチョットワカル状態になったので、「カンファレンスのブース運営」という観点で考えや活動の変遷を赤裸々に語ろうと思います😊

では、ここからは実際にビットキーのブースにおいて「やめたこと」と「はじめたこと」の具体例を一部ご紹介します

【やめた1】 自社プロダクトのみをアピールする

ブース運営当初は、情報を発信するにあたりビットキーが発信したいことを中心に設計していました
「知らない」か「名前は知ってるけど何をしているか知らない」という状態だったので
具体的には自社プロダクトであるbitlockシリーズや、その周辺サービスをボードにまとめた 「プロダクトボード」とチラシを展示していました
https://x.com/bitkey_dev/status/1757928246468125009?s=46

これにより、自社の事業やプロダクト、変化する体験など網羅的に説明でき、非常に助かっていたのですが、ブースに協力してくれた社内のエンジニア(以下:ブーススタッフ)からは「製品の説明が中心となりカンファレンスに沿った技術の話がしづらい」という意見、カンファレンス参加者から「あなたはスマートロックを売りに来ているの?」といったような反応をもらいました😓

また当時は「自社」の適切な認知を広めるという考えが先行してしまい、ブース来訪者に「ビットキー知ってますか → じゃあ事業と製品の話をしますね」と話を進めてしまい、来訪者の興味関心がどこにあるのかを聞くことができていないこともありました

結果として「技術」の広報が疎かとなっており、カンファレンスの意図に沿っておらず、せっかく来訪したカンファレンス参加者も興味のない話を聞かされ、ブーススタッフも楽しめない状態になってしまいました😨

この状況を改善するため、以下を実施しました

【はじめた1-1】 カンファレンスに合わせた技術的な情報を発信する

当たり前といえば当たり前ですが、いちばん大事なここが一部できているものの徹底はできていませんでした💦

弊社技術広報チームの3名(内専任は1名)はエンジニアで構成されているため、技術的なコンテンツ制作はできなくはないです
しかし一時期私1人で推進しており、純粋にコンテンツ制作の企画〜発注など手が回らない時期がありました
そのため、現在では技術広報チーム以外で、その技術領域に合わせた「推進者」を設定し、この発信内容の策定から発注物の提案などの協力をしてもらっています
これにより、各イベントに合わせた発信や、後述する自社エンジニアとスムーズな対話のきっかけづくりが実現できました✨️

【はじめた1-2】 ブース来訪者と双方向的コミュニケーションがとれるような場をつくる

まずはブース来訪者の興味関心を知るために、その対話のきっかけとなるようなブースコンテンツを作れないか?と考えました
またその際、ブーススタッフがカンファレンスに不慣れでコミュニケーションが苦手でも、とりあえず話ができるようなコンテンツである必要もありました
さらに、社内のエンジニアが話したいことをコンテンツに昇華するという点も大事にしています😌

結果としてこのようなパネルに付箋を貼ってもらい、それをきっかけに対話するようなパネルに始まり、
https://x.com/bitkey_dev/status/1799257873798877410?s=46

より対話を活性化するよう、マグネットを用いたディレクトリ構造のディスカッションも実現できました✨️
https://x.com/bitkey_dev/status/1859411069812473924?s=46

ビットキーの製品である bitlink を iBeacon とし自社スタッフが持ち歩き、これを探してもらうという企画も! これは私だけだと発想がなかった上に実現に至れなかったですね
https://x.com/bitkey_dev/status/1826824181620539610?s=46

【やめた2】 ブースノベルティでお菓子を配る

安価でもらって困らない失せ物である飲食物
その中でビットキーではお菓子(マシュマロ)を渡していました
モノクロだし「ビットキーロゴのデザインが映えるし安価だしええやーん!」と初手としては重宝しました
しかし、

  1. 会場によっては「小分けされたすべての袋に賞味期限の記載がないと配布不可な時もある
  2. 余ったお菓子の置き場所に困る
  3. 余ったお菓子の処分に困る

の理由から、早々にお菓子はお役御免となりました💨

では、代わりにどのような考えで、どのようなブースノベルティを配布しているのかをご紹介します

【はじめた2-1】 ブースノベルティで食べ物とトートバッグ以外を配る

現在ビットキーで配布しているノベルティは以下です

  1. ビットキーのエンジニアが「大事にしていること」をインタビューした内容をまとめたチラシ
  2. ステッカー
  3. キーキャップ
  4. サコッシュ
  5. 巾着

「食べ物以外」という点に加えて工夫している点として、ブース周辺コンテンツをビットキーのブランドカラーであるモノトーン基調で統一し、トートバッグは配布しない点(※1)です

前者はスッと理解できると思いますが、後者はなぜでしょうか?

それは、カンファレンス内でトートバッグの大きさと丈夫さが物を言う戦い⚔️に巻き込まれるためです

カンファレンス当日は各ブースで様々なノベルティが配布されます
カンファレンス参加者としてはブースを回りつつサッとバッグにしまうため、トートバッグは重宝します
またカンファレンス期間中に使われるということは、それだけ会場での認知獲得がしやすいということにつながります
しかしこのトートバッグ、各企業が自社ロゴを入れたノベルティとして配布したらどうなるでしょうか
すべてのトートバッグを肩からかける肩幅Wide & Strongな方はいません
そのため、自然と「大きくて丈夫なバッグ」に集約され、そのバッグのみが露出することになります
じゃあその「大きくて丈夫なバッグ」をノベルティで作れば良いじゃない!とお考えになるかもしれませんが、こちら予算的に厳しいんですよね💸
またいざここに予算をかけたところで、「結果カンファレンス側が用意した全員配布のバッグが一番良い(※2)」なんてこともありえます

結果としてビットキーではトートバッグは配布しない方針としました🧭

【はじめた2-2】 ブースノベルティを来訪者全員とコンテンツ参加者向けの2つにわけた

ノベルティにお菓子を選定していた理由の一つとして「安い」ことで全員にお渡ししても財布がそこまで痛まないということが挙げられます
それを突然「Tシャツ」や「パーカー」などにしたら、当然予算がパーンです🤯
そのため、ブース来訪者全員にわたすものは別で用意する必要がありました
そのため、ステッカー、チラシ、キーキャップをこの来訪者全員配布のノベルティとしました

また先述のブースコンテンツに参加してくれた人に対しては、よりビットキーと時間をともにしていただいたことに感謝の念をこめ、別でノベルティを用意したいと思いました😌

ではカンファレンス会場で使えて日常でも使えそうかつ、そこまで管理する際にかさばらないものとして何があるできるでしょうか?

ここで私自身多くのカンファレンスに参加し、セッションを聞いたりブースを回っているため、その時のことを思い起こしました💭
そこでトートバッグに水や物をしまうとサッと取り出しにくいことを思い出しまし、この苦しみを他の方も抱えているだろうということで、サコッシュに行き着きました💡
ちなみに巾着はモバイルバッテリーとか小物とか、何かと使えるでしょ!という考えです

https://x.com/bitkey_dev/status/1833775721690620308?s=46

さいごに

当初は自社の発信したい内容だけでブースを設計していましたが、
自社でやっていること、自社エンジニアが楽しめること、参加者が興味のあることの3つのベン図があり、ブースコンテンツが自社でやっていることの中だけに含まれている
自社の情報を発信したい思いだけが先行している

先述の工夫により、カンファレンス参加者が興味のありそうで、ブーススタッフも興味があり、自社としても発信・意見交換したい内容をもとにコンテンツ設計ができました🎉
自社でやっていること、自社エンジニアが楽しめること、参加者が興味のあることの3つのベン図があり、ブースコンテンツがすべての共通部分に含まれている
三方よしなブースコンテンツとなっている

今後もカンファレンスにてブースを出展する際は、関係者全員が、その技術を媒介に楽しみながら双方向に情報交換できる設計となるような設計にしていきます💪

他にも先述のことに触れたり触れなかったりしているこちらも合わせて見ていただけると幸甚です
https://codezine.jp/article/detail/20122

次回予告です!
明日の記事は、プロダクト全体のインシデントマネジメントなどを担当している高石が担当します!
そしてなんと、まとめていくと2記事になった!とのことで、明後日の記事も高石が担当します!w
お楽しみに✨️

余談

ブース運営の機会が多かったため、技術広報の身としては仮説検証を短い期間で回せたのがいい環境だな〜
と思いました(小並感
一方でいくらでもやりたいことが増えてしまっていて、何をしないのかを決めるのが大変になっています💦
ただそのどれも諦めたくないので、ビットキーで一緒に技術広報をしてくれる人も探しています!
もし興味をもってくれたら「この記事読んで興味持ったよ」とパウリのDMまでご連絡ください〜


※1 上記諸々のリスクを鑑みた上で、どこかのタイミングで配布するかもしれないので、今後絶対配布しない!というわけではありません
※2 個人的には DroidKaigi 2024 のトートバッグが可愛くて好きです

Bitkey Developers

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