ビットキーにおける市場問い合わせ対応の進化の変遷
この記事は株式会社ビットキー Advent Calendar 2024 3日目の記事です。
市場課題と向き合うために新設したProduct Insight所属の高石@ksk_takaが執筆します。
はじめに
- ビットキーでは、スマートロックを始めとしたハードウェアデバイスから、Webのアプリケーションまで幅広いプロダクトを展開しています。
- また、ビジネス領域も多岐に渡るため、日々市場から問い合わせを貰います。
- 市場からの問い合わせを集計するdev_前衛というチャンネルを用意しています。
- 会社の成長とともに、このdev_前衛というチャンネルで行われている問い合わせ対応の運用も進化を遂げて来ているのでその内容を2つの記事に分けてご紹介します。今日はその1記事目。
市場からの問い合わせを集約するSlack チャンネル「dev_前衛」の生い立ち
dev_前衛というチャンネルは2019/12に作られました。
主に「リリースして間もないプロダクトについての品質課題を迅速に解決すること」を目的に作られたチャンネルです。
「お客様がプロダクトを利用している最前線と向き合う」という敬意を込めて「前衛」という文言が使われています。
詳細については弊社のwebエンジニア瀬戸が2年前に書いた記事を参考にして頂ければと思います。
上記の記事内でも言及していますが、当時は「エンジニアがお客様先まで赴いて、市場で起きている課題の本質をいち早く捉える」ということも実施していました。
最近ではエンジニアがお客様先まで赴く機会は減っていますが、当時の「最前線と向き合う」という想いは今でも活きていると思います。
チャンネル立ち上げ当初に実際に行われていたやり取りの流れは以下の様な感じ。
非常にシンプルなフローで、基本的にこのフローに沿ってやり取りを進めれば個別の問い合わせは解決できる、のですが、
数多く問い合わせを重ねる上で色々と課題が出てきました。
次々に出てくる課題
課題
-
一つの問い合わせ対応を実施する中で出てくる課題
-
複数の問い合わせを受ける場合に出てくる課題
それぞれの課題に対して個別に記事を書けそうな勢いですが、「今までの問い合わせ対応の進化の変遷」というタイトルにしているので、時系列順にどんなことをやってきたのかを端的に記載していきます。
第一段階 (2019/12 ~ 2021/07)
- 背景
- 「市場からの課題・問い合わせ」の情報色々なチャンネルに散らばっており、サポート・エンジニアの各担当者の属人化が課題となっていた
- プロダクトの種類も少なく、お客様数もまだ比較的少なかったため「一つのチャンネルに情報を集めて後は個別対応する」という対応だけでも充分な効果を発揮した
- dev_前衛のチャンネル運用
- 特定のビジネス領域の問い合わせ対応を「dev_前衛」のチャンネルに情報を集約するだけ。
第二段階(2021/07 ~ 2022/08)
- 背景
- 2021/03に新デバイスを市場投下したことに伴い、市場での利用数やそれに伴う問い合わせ数が増えて来ていた
- 「事象が発生していた日時」「シリアル番号」など欲しい情報が問い合わせ内容に記載されていないことが多く、不要なやり取りが増えていた
- dev_前衛のチャンネル運用
- 主要なビジネス領域の問い合わせ対応はほぼ全て「dev_前衛」に集約
- 投稿をする際にSlackワークフローを利用する
- 以下を入力必須項目へ
- 発生しているお客様先の企業名(ToCの場合は未記載)
- 発生事象概要(日時・内容)
- 問い合わせ期限
- 問い合わせ緊急度
- 以下を入力必須項目へ
第三段階(2022/08 ~ 2023/02)
- 背景
- 全社として「品質課題に向き合おう」というテーマが設定された。
- 市場の問い合わせ対応に対してオーナーシップを持って対応する組織が立ち上がった
- dev_前衛のチャンネル運用
- Slackの運用はほぼ変わらず。
- Google Spread Sheetを経由してNotionに情報が連携されるようになった
第四段階(2023/02 ~ 2024/08)
- 背景
- 市場に対して出荷されるデバイスの台数が急速に増えつつあり、出荷前の段階で可能な限り対策を打つ必要性が強くなった
- dev_前衛のチャンネル運用
- Slackの運用はほぼ変わらず
- 特にデバイスに関して、「第三段階で作ったNotionの問い合わせデータベース」を、「不具合事象データベース」と紐付けて、事象ごとに分類・可視化するようになった
- 優先度の高い不具合事象から順に恒久的な打ち手を打つ様になった
第五段階(2024/08 ~ 現在)
- 背景
- クリティカルな事象が頻発した際に、「Slackのスレッド内でのやり取り」だけだと対応が属人化しがちで経営陣や他チームへの連携が遅れがちになってきている
- 事業部全体・会社全体での「優先度付け」をする機運が高まって来ている
- dev_前衛のチャンネル運用
- デバイス以外のソフトウェア領域(「住まい・暮らし」に関する領域や、「働く空間」向けの領域)についても事象や機能ごとの問い合わせ傾向分類を可視化するようになった
- 緊急度が高いものについては個別でインシデントチャンネルを立ち上げる様になった
現状の運用をフローにすると以下の様の感じです。
最後に
4日目の株式会社ビットキー Advent Calendar 2024も、高石@ksk_takaが継続執筆します。
明日の記事では、現状のフローの中でも特に「サポート担当がいち早くお客様とコミュニケーションを取れるようにするために実施した施策」について記載しようと思います。
引き続き是非御覧ください。
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