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今までに読んだバイオな本(随時更新中)

2023/04/07に公開

はじめに

筆者は情報系の学生ですが、バイオインフォに興味があり、趣味で生物関連の本を読んでいます。本記事はその本の概要を軽くまとめたものです。

※文中で出てくるiGEMとは国際的な合成生物学の大会のことで、筆者が生物に興味を持ったきっかけでもあります。

DRY

バイオインフォマティクスに関してかなり広く知ることができた。1章の生命科学と2章の計算科学は既知だったが、それ以降の章で配列解析、構造解析、遺伝・進化解析、オーミクス解析などの分野を取り扱っており、概要に触れることができた。あくまで概要なので、詳しいことはあまり理解できていなかった。

WET


(The CellやEssentialに比べて)比較的に薄く、少ない労力で分子生物学の概要を知れた。


iGEMのWetで必要な知識をほとんど網羅している。wiki輪読していてわからなかったwetの知識はこれを読んでやっと理解できた。しかし、やはり座学だけであまり理解できなかった部分はあるため、Wetの実験を手技を身につけたいのであれば実践を積んだ方がいい。

合成生物学・iGEM


iGEMの入門書とも言える本、特に1~4章はiGEMで必要な知識や考え方がまとまっていてコスパ良く読める。5章以降は実際のプロジェクトの例を出して説明しており、以下の項目について学べる。

  • 実験設計の方法
  • 工学的な生物学の考え方
  • DBTLサイクルの重要性
  • iGEMの面白さ


本でiGEMにも触れるが、どちらかというと合成生物学とは何かを説明してる本。バイオビルダーほど技術の詳細に触れてないため、読みやすい。


2010年にiGEMに出場した経験を持つ作者による本。前半はiGEMに対する良い入門であるが、後半はツールの利用法など一部情報が古いこともあり、あまりおすすめはしない。もし余裕があれば読むくらいが良いと思う。

その他


タンパク質だけに特化した本。タンパク質の物理・化学的な特性から始まり、立体構造予測、分子動力学シミュレーションに触れている。しかし、2010年発行の本であるため、Alphafold以前の研究しか載っていない。様々なアルゴリズムが紹介されるが実際触れることはないため、あんまりイメージが湧かなかった。個人的に読みきるのはかなり辛かった。


脳を工学的思考で考えて、リバースエンジニアリングしようという本である。脳科学の入門書としても良いし、読み物としてもかなり面白い。ただ、脳科学の研究が思ったより泥臭いことに少しがっかりした。ほとんど研究がマウスやチンパンジーの脳を一部ノックアウトさせて挙動を見る、先天的に障害を持つ人の脳の活動を見る、神経細胞に電位を通して見るなどだった。


オライリーが出してるALife(人工生命)に関する本。様々な角度で生命を人工的に実現した例に関して知ることができた。pythonのサンプルもついている。

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