ICO / IEO と ERC について

2022/05/22に公開

※ この記事は、投機目的ではなく、あくまで純粋に技術への知見を増やすことを目的としています。

今回は、ICOとIEOについて整理していきます。

ICO(Initial Coin Offering)やIEO(Initial Exchange Offering)とは、ブロックチェーン上で発行されるトークンを使用した資金調達の方法のことです。

ERC について

イーサリアムであれば、ERC-20といったトークン実装についての規格があり、それに準拠したかたちでトークンを発行することが多いです。

ERC(Ethereum Request for Comments)とは、イーサリアムのブロックチェーンの仮想通貨やNFTに使われる規格(トークンの機能についての共通の決まり事)です。ERCが定められたことにより、暗号資産やNFTなどのスマートコントラクトを開発しやすくなったり、MetaMaskといったウォレットの管理もしやすくなりました。

特に、規格統一による開発コストが下がったことにより、様々なトークンが発行されるようになり、ICOやIEOを利用した資金調達が活発になってきました。

ERCについては、下記に整理しておきます。

ERC規格 概要 特徴
ERC-20 イーサリアムの代表的な暗号資産に使われている規格 暗号資産を発行することができる / トークンの送受信ができる
ERC-223 ERC20の上位モデル ERC-20と互換性がある / ERC-20よりも手数料が安い / 暗号資産を失ってしまうリスクを減らしてくれる
ERC-721 NFTの代表的な共通規格 NFTを作成可能。トークンIDと呼ばれるトークンを識別するための番号があり、それによって各トークンが唯一無二であることを保証する
ERC-721A NFTプロジェクトであるAzukiが開発した共通規格 ガス代を抑えられる。作品を1枚Mint(NFTを新規発行)したときのガス代で作品を複数Mintすることができるため
ERC-948 サブスクリプションモデルに使える 今までのNFTでは単発処理しか対応していなかったが、継続的な処理にも対応
ERC-1155 ERC-20とERC-721の両方の特徴を持つ NFTとFTを発行することができる / 複数のトークンを一度に送信することができる

それでは、本題のICO、IEOについて説明していきます。

ICO(Initial Coin Offering)

ICOは、イーサリアム等の仮想通貨を投資家や潜在ユーザーから受け取り、その対価として独自のトークンを投資家・潜在ユーザーに割りあてます。
調達した資金は、ブロックチェーン上で何らかの非中央集権サービス(またはプロトコルそのもの)を開発する場合に利用されます。

クラウドファンディングに似ている面もありますが、割りあてられたトークンが、後に開発されるプロダクトやプラットフォーム上での利用券などとして機能する点が異なります。また、取引所に上場した場合には、トークン自体に市場価値がつき、売買が可能となります。

IEO(Initial Exchange Offering)

IEOとは、仮想通貨交換業者(Coincheckなど)が販売するICOのことをいいます。

日本での話になりますが、ICO時のトークン販売には認定された仮想通貨交換業者であるか、彼らに委託する必要があったため、実質的にICOが難しい期間がありました。
2022年の現在、日本でICOではなくIEOを行うかたちが取られています。発行体を仮想通貨交換所に委託してトークンの売出しが行われています。CoincheckやGMOコインからのIEO例があります。

最後に、
まだまだ、ICOやIEOについては、投機的な面で見られていますが、
個人的には、クラウドファンディングのようにプロジェクトを応援するような、新しいトークンを使った経済のかたちが広がっていく可能性があるので、その点についても興味深いところだと感じています。

参考情報

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