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リーダーシップ・パターン

2024/09/23に公開

なにこれ

リーダーシップの分類です。
「状況突破ファースト」というような名称が与えられています。

リーダーとは?

ピーター・ドラッカーの理論を引用します。
「リーダーとは目標定め、優先順位をきめ、基準を定め、それを維持する者。」

ファーストとは?

何を意思決定の第一級市民として扱うのかという秩序のこと。

パターンリスト

  1. 状況突破ファースト
  2. プロダクトファースト
  3. チーム成長ファースト
  4. タスクファースト
  5. チームファースト

1.状況突破ファースト

問題を抱えた状況の進捗、膠着の突破のために、自分自身がまずその第一歩を踏むことを第一とす
る。
これまでの前提や役割、やり方を踏み越える(越境)ことに購躇しない。その一歩と結果でもって、他のメンバーを引きつけ、巻き込んでいく。

長所

  • チーム活動の膠着、衝突といった、それまでの視座では解決できない問題を乗り越えていく。
  • 今まではたどり着けなかった価値(状況)に到達できる可能性を見いだす。

短所

  • メンバーが巻き込まれてくれなかった場合、孤立無援になってしまう。

2.プロダクトファースト

プロダクトのつくり込みや状況の進捗を第一と置く。プロダクトとしてどうあるべきかに強いこだわりがある。
理想的なプロダクトをつくり上げるためにチームがあるという前提の置き方ゆえ、メンバーを振り切ってしまいがち。

長所

  • プロダクトづくりのスピード感が高まる。
  • プロダクトとしての成果を短期的に上げられる。

短所

  • チームビルドが置き去りになりがちで、チームカが育ちにくい。
  • リーダーがカリスマ化しやすく、メンバーが指示待ちになってしまう。

3.チーム成長ファースト

チームが成長できるか、できているかを第一に置く。
チームの中では、黒子役にまわり、時にメンバーへの試練もあえて課すような行動を取る。リーダーというよりは、コーチの役回りをつとめる。答えより、問いかけを重視し、チームに思考を促す。

長所

  • チームの成長(チームで考え、乗り越える)が促される。
  • メンバー一人ひとりリーダーシップが求められる。

短所

  • まだ練度の低いチームの場合は適切な「段階」設計をしなければチーム活動が崩壊する。
  • 初期の開発の進みが遅い。チームの成長とともに挽回するが、チームの外部(組織)からの“期待”に間に合わない場合もある。

4.タスクファースト

与えられた仕事(タスク)、役割をこなすことが第一。そのためのコマンド&コントロールも辞さない。タスク達成に過度に最適化しようとして、自分の命令(コマンド)と統制(コントロール)を最優先にしてしまう。

長所

  • 短期的にタスクの消化は圧倒的に進む。

短所

  • メンバーが「俯瞰する力」を伸ばせない。
  • リーダー自身も全体像を見失いかねない。
  • なぜこの仕事をやるのか?という動機づけが弱いままになる。
  • チームが自分の目の前のことに最適化してしまう。

5.チームファースト

チームでの意思決定を第一と置き、民主的なチームのあり方を重視する。独りよがりのリーダーシップではなく、サーヴァントな(組織に奉仕する)リーダーシップを取る。リーダーというよりはファシリテーターに近い。成果は、チームビルドの次という順番の置
き方。

長所

  • チームプレー感(一糸乱れぬ動き)が高まる。
  • チームプレーに基づくメンバーのモチベーションの向上。

短所

  • 一つのあり方(意見の一致重視)に固執した場合、チームから多様性が失われる。
  • 成果が上がらない状況への対処が進まない。

参考文献

チーム・ジャーニー 逆境を越える、変化に強いチームをつくりあげるまで

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