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KiroでWSLに接続する方法

に公開

びーぐるです🐶

AWSからVSCodeフォークのAIコーディングエージェント Kiro が発表され、プレビュー期間が始まっています。
プレビュー中はClaude Sonnet 4.0が無料で使えるので、試してみる価値はあると思います。
ドキュメントからしっかり整備してアプリケーションを組み立てていくため、従来型のAIコーディングエージェントが使い物にならないな、と感じていた方にもKiroなら肌に合うかもしれません。

Kiroの使い方はまた改めて紹介しようかと思っています。

https://kiro.dev/

更新履歴

  • 2025/08/02 いくつかの情報を修正しました
  • 2025/08/09 アップデートの際にWSLに接続できなくなる場合の対処方法を追記しました

KiroからWSLに接続…できない?

Windowsで開発する場合、多くの方はWSLを活用しているのではないでしょうか。

VSCodeからWSLに接続するには、拡張機能"WSL"をインストールする必要がありました。
以後、例えば左下の"><"のようなボタンを押すことで接続先を選ぶことができ、その中にWSLが含まれていました。

しかし、Kiroではこの拡張機能がインストールされていないため、WSLに接続することができません。
Microsoft製の拡張機能はVSCodeフォークでは利用できないことが多く、本件もその例に漏れずと言ったところでしょう。

WSLに接続する方法

実はKiroのissueにて、WSLに接続する方法が掲載されています。
https://github.com/kirodotdev/Kiro/issues/17

サードパーティ製の「Open Remote WSL」という拡張機能を利用することで、WSLに接続できるようになります。
具体的な手順は以下の通りです。

  1. %USERPROFILE%.kiro\argv.jsonに以下の項目を追加
    "enable-proposed-api": [
        "jeanp413.open-remote-wsl",
    ]

※前の項目がある場合は、カンマを忘れずに追加してください

  1. Kiroを再起動
  2. 左のバーの拡張機能アイコンを押し、検索ウィンドウに"WSL"と入力
  3. "Open Remote WSL"を選択しインストール
    jeanp413氏がpublisherであることを確認してください。
  4. Kiroを再起動
  5. 左下の"><"のようなボタンを押すと、接続先にWSLが表示される
    ※ 2025/08/02 追記 アイコンの形が以下のように変わっています。

    この画像の一番左下の部分を押します。

上記手順で無事に接続できるはずです。
※ 私の環境では再現しませんでしたが、WSL接続後もデフォルトでPowerShellを利用しようとしてしまうことがあるようです(?)
既定のプロファイルをBashに変更することで解決できるようです。

アップデート後WSLに接続できなくなる問題

※ 2025/08/09 追記
上記方法でWSLに接続した場合、Kiroの本体がアップデートされた場合にWSLへの接続が不可能になることがあるようです。
実際に私は Kiro 0.1.25 → 0.1.42 にアップデートした後、エラーが出てWSLに接続できなくなる現象が発生しました。

この場合の対処方法として

  1. リモート接続を切断(切断しないと 2.ができません)
  2. "Open Remote WSL" をアンインストール
  3. Kiroを終了し、WSL内のホームディレクトリにある .kiro-server ディレクトリを削除
    (rm -rf ~/.kiro-server)
  4. Kiroを再起動し、"Open Remote WSL"を再インストール

上記手順で接続が復活しました。
(これでもだめな場合、Kiroのアンインストールや、各所にあるKiroディレクトリ、キャッシュファイルの削除が必要かもしれません)

代替策として考えたこと(参考)

WSLに未接続の状態であっても、WSLが起動していればWSL側シェル(例えばbash)を開くことができ、Kiroもbashが開かれていることを認識できます。
これはWindows側からWSLのシェルを利用し、Windowsファイルシステムにアクセスしている状態です。

このままでも単純なアプリケーションは開発できますが、パスの記述に問題が発生します。
パスをバックスラッシュ()で表記するWindowsファイルシステムとパスをスラッシュ(/)で表記するWSLファイルシステムの差異のためです。

具体的にはディレクトリを作成し、そこでnpm initをしてほしい場面では

mkdir frontend
cd "\\wsl.localhost\Ubuntu\home\username\dev_directory\frontend" # これはバックスラッシュで書かれたパスのためNo such file or directoryで失敗
npm init

としてしまい、ルートディレクトリ内でnpm initを実行して満足げにタスク終了を宣言する、といった現象もみられます。

原因さえわかってしまえば対処すればよいだけですので
Hookに置換を記述する、明示的に置換するように指示を出す、等の対策で解決できるかもしれません(未確認)。
パスの問題は解決が面倒なので、素直にWSLに接続するほうが得策かとは思います。
issueとして提示されていますが、修正されるかはわかりません。

まとめ

昨日の今日にデビューしたKiroなので、当然公式ドキュメントは未整備です。
なにか問題が発生したらGitHubのissueを確認しながら解決するしかないですね。
今後も何か発見しましたら記事にしたいと思っています。

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