🦓

サブスクリプションが始まったKiroに関する最近の事情

に公開

びーぐるです🐶

とうとうKiroがサブスクリプションを開始しました。
特に宣言はないのですが、これで正式版になったという扱いでよいでしょうか。

本記事では、そんなKiroに関する最近の事情を伝えていきたいと思います。

更新情報

  • 2025/08/18 書きました
  • 2025/08/19 加入月は日割であること、「Amazon Q Developerについて」を追記しました
  • 2025/08/23 「バグの修正と消費クレジットについて」を追記しました。古くなった情報に注釈をつけました。
  • 2025/08/31 トピックのカテゴリを更新しました。

前提:Kiroとは?

簡単にまとめると

  • KiroはAWS製のAIコーディングIDE
  • Spec駆動開発(先に仕様書を作成してからコーディングを行う)が特徴
  • 作成したタスクリストのスタートボタンを押すだけで自動的にコーディングを行う

詳しく知りたい方は、毎度私の記事を紹介して申し訳ないのですが、こちらをご参照ください。
https://zenn.dev/beagle/articles/1dea6ff60b1143

Waitlistからの招待が活性化

8月13日頃から一斉にKiroのWaitlistに登録していた人の多くに、招待が送られ始めました。
世間はGPT-5(と4o)の話題で持ち切りで、Kiroの帯域に余裕ができたためだと思っていましたが、実際にはKiroのサブスクリプション開始に伴うものだったようです。

サブスクリプションが開始

8月16日早朝(日本時間)、突如Kiroのサブスクリプション開始がアナウンスされました。
料金体系は以下のようになっています。

https://kiro.dev/pricing/

他のサブスクでもメジャーな20ドルと200ドルのプランが中心。40ドルプランもあります。
ここに消費税10%が加算されるようです。

加入月は料金・付与クレジット共に日割りとなるようです。(8/19追記)

既存ユーザーに関する重大な変更

  • デイリーリミットの廃止
  • 使用したクレジット数がわかるダッシュボードを新設
  • FreeユーザーはVibeクレジットが50/月もらえる (Specクレジットは0/月)
  • 14日間有効のウェルカムクレジットが付与される(100 Vibeクレジット、100 Specクレジット)

なんとSpecクレジットがFreeプランではもらえません。
Kiroを使ってコーディングを行うには、サブスク加入が必須となりました。

2種類のクレジット(わかりにくい)

ここまで読んだ方は、Kiroを使ったことがあってもなくても「クレジットって何?」となると思います。
これが何故かモード名と消費クレジットが一致しておらず、どうしてこうなった状態です…

消費行動からまとめると

  • Vibeモードで消費するのはVibeクレジット
  • Specモードで消費するのはなんとVibeクレジット
  • タスクリストから自動コーディングを行う際に消費するのはSpecクレジット
  • その他、自動コーディング中に問い合わせたり指示を出したりするときに消費するのはVibeクレジット

つまり、クレジットからまとめると

  • Specクレジット:タスクリストから自動コーディングを行うときに消費するクレジット
  • Vibeクレジット:上記以外でKiroのエージェントに問い合わせるときに消費するクレジット

ということになります。

余談:Spec(s)という単語(わかりにくい)

Specクレジットの登場により、Kiro内で使われるSpec(s)という用語が3つになりました。
SpecクレジットとSpecs(ドキュメント)とSpecモードです。

  1. Specクレジット
    作成したタスクリストからコーディングタスクを実行するときに消費
  2. Specs(ドキュメント)
    Kiroに作成させた要件定義書・設計書・タスクリストをひとまとめにしたもので、マークダウン形式で記述される
  3. Specモード
    KiroにSpecsを作成させるためのチャットモードで、その際、前述の通りSpecクレジットではなくVibeクレジットを消費する

Specクレジットの消費量(わかりにくい)

まずはリクエスト(≠クレジット)の数について、以下のKiro開発ブログの記事内に記述があります。サブスク開始前に書かれたものです。
https://kiro.dev/blog/understanding-kiro-pricing-specs-vibes-usage-tracking/

最初にSpecクレジットに焦点を当ててみると

  • タスクをtasks.mdファイルから開始するには、1つのSpecリクエストが必要
  • 複数のタスクを一度に実行する場合も、1タスクにつき1つのSpecリクエストが必要
  • サブタスクを実行する場合は、サブタスク1つにつき1つのSpecリクエストが必要
  • タスクの複雑さによっては、1度のアクションで複数のリクエストが必要となる

ということになります。

ただ、実際にKiroを使ってコーディングをさせてみると、かなりの速度でSpecクレジットが消費されることがわかります。
大体タスク1つにつき 2~4 Specクレジットが消費されます(ごく軽いタスクで 1 Specクレジットの消費を確認できました)。
終盤になり、重たいタスクだと5以上のSpecクレジットが消費される場面もありました。

恐らく、1リクエスト≠1クレジットではないという話なのでしょうか。
クレジット消費量に関する公式な言及や記述はなく、サブスクリプションが開始されているのに不明瞭になっており、だいぶ残念な感じです。

Vibeクレジットの消費量(バグってるっぽい)

Vibeクレジットに関しては、前述のブログでは

  • サブタスクの調整(?)にVibeリクエストが必要
  • Vibeモードのチャット1回につき、1つのVibeリクエストが必要
  • チャットの内容によっては、1度のアクションで複数のリクエストが必要となる

ということのようです。

実際にSpecモードでSpecsを作成していると、1Vibeリクエスト=1Vibeクレジット消費かな?という感じでSpecクレジットほどの消耗はありませんでした。
が!
タスクの途中に修正やSteeringの加筆を頼むと、Vibeクレジットが湯水のように消えていきました。

https://x.com/beagle_dog_inu/status/1956891063203017046

具体的には、コーディング中の3回の質問・指示で150 Vibeクレジットが消費されました。
これは私に限ったことではなく、特に公式Discordでも同様の事案が複数報告されていました。
運営の一人が「プロダクトチームに知らせておく」と言っていたので、バグの可能性がありそうです。

強気持続可能な価格設定

今のところSpecクレジットの消費量が思いの他大きく、Proプランの125 Specクレジットでは月に2~3個の製作物が限度かと思います。
同価格帯のサブスクリプションサービスと比較すると作業量はやや~かなり少なくなりそうです。

ただ、Kiroは完成度の高いIDEとSpec駆動開発のお陰で、自律型コーディングエージェントとしてはかなり扱いやすいと思います。
サービスとして持続可能な価格設定にして、ノンプログラマーやホビー層をターゲットにしていくという意図があるのかもしれません。

Amazon Q Developer Pro加入者の場合(8/19追記)

AWSのサブスクリプション、Amazon Q Developer Proに加入しているアカウントでKiroを利用している場合、今回の有料プランの適用対象外となります。
クレジット制ではなく、これまでのデイリーリミットが適用された状態で使うことになります。
恐らくAWS側の課金体系の整備が間に合っていないためこのような措置になっていると思われます。
Q Devの料金体系次第では、こちらに加入してKiroを使うほうがよい、となるかもしれません。

バグの修正と消費クレジットについて(8/23追記)

8/23にVibeリクエストが想定以上に消費されるバグが解消されたようです。
それに伴い、Welcomeクレジット・Freeやサブスクリプションプランのクレジットもリセットされています。
また、8月中のサブスクリプション料金は一度課金の上返金となるようです。

なお、公式の発表から、1リクエストに対して1クレジットが消費される、ということが推測できました。
(Free plan users are reset to 100 vibe requests and 100 spec requests. という文面があるため)

ということで

  • 重たいタスクでは複数のSpecリクエスト(=複数のSpecクレジット)が消費される
  • Vibeモードに関しても同様で、チャットの内容によっては複数のVibeリクエスト(=複数のVibeクレジット)が消費される

という話のようです。また、新情報として

  • Vibeモードで「タスクXを実行して」と指示すると、Specリクエストの他にVibeリクエストも必要になる(ので、タスクリストから手動実行するほうがよいという話)
  • サブタスクをまとめて実行すると(例えば 親項目の2. をクリックしてまとめてタスク2-1と2-2を実行するようなケース)、追加のVibeリクエストも消費される(ので、一つずつ実行するほうが節約になるという話)
  • ツール(?)やMCPサーバーの呼び出しに連続して失敗した場合、追加のVibeリクエストが必要になる(どのように"追加"なのかは詳細不明)

というものがアナウンスされていました。
やはりクレジットの消費量に関してはだいぶ曖昧にされていて、イマイチわかりにくいのは変わりません。

まとめ

公式DiscordやGitHubでは様々な意見が飛び交っています。
Kiroの使い勝手や価格設定についてのフィードバックが多く寄せられており、今後どのように改善されていくでしょうか。
特に、クレジットの消費周りに関しては早めのアナウンスがほしいです。
また、できればクレジットの名称の変更や2つのクレジットの統一なども検討してほしいところです。

ネガティブな内容が多くなりましたが、個人的にはKiroとSpec駆動開発にはとても期待してます。
まだまだサブスク開始から間もないので、しばらくは情勢を見守りたいです。

新しい情報がありましたら更新します。

GitHubで編集を提案

Discussion