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HarmonyOSについて調べてみる

に公開

なぜ作成したのか

  • トランプ政策で隔絶が進む中、HarmonyOSが目についたので調べてみる

参考

https://innovatopia.jp/uncategorized/53505/?utm_source=chatgpt.com


1 HarmonyOS とは何か

  • 分散型マイクロカーネル OS
    2019 年8 月に Huawei が発表した独自 OS。IoT 機器からスマートフォン、車載器まで「デバイス間のシームレス連携」を設計思想に据える。 (HarmonyOS)
  • 当初は Android 互換レイヤー併載
    旧版は AOSP(Android Open Source Project)のライブラリを同梱し、Android アプリも稼働できた。

2 最新世代 ― HarmonyOS Next

世代 主な変更点 リリース Android 互換 対象デバイス例
2.0 スマホ正式対応、HMS強化 2021/06 あり P50, Mate 40
3.0 “Super Device”連携強化 2022/07 あり Mate 50, MatePad 11
4.0 UI/UX刷新、Live Window 2023/08 あり 34 機種にβ配信
Next Androidレイヤー完全撤廃/独自マイクロカーネル一本化 2024/10 なし Mate 60, Mate 70, Mate X5 ほか

(Next の詳細は innovaTopia 記事に基づき補完) (HarmonyOS Next:Huaweiが2025年から全デバイスに搭載する独自 ...)

2.1 Next の技術的特徴

  • Ark Compiler + HarmonyOS Ability Framework に統一。アプリは「.hap」形式のネイティブ実装必須。
  • OpenHarmony 5.0 コアをベース(オープンソース版との API 差分を Huawei が管理)。
  • アプリ互換の代償と引き換えに性能・電力効率を向上。Huawei 試験値では SoC 消費電力 10〜12 % 削減。 (New Mobile Operating Systems : harmonyos next 5 - Trend Hunter)

3 市場シェアと採用ロードマップ


4 エコシステム拡大施策

領域 具体策 進捗
アプリ数拡大 2025 年末までに 10 万本のネイティブアプリを確保する目標。 Mate 70 発表会で公表。 (Huawei's Mate 70 smartphones will run its new Android-free OS)
開発者支援 DevEco Studio IDE(IntelliJ ベース)、HarmonyOS NEXT SDK βを公開。 2024/12 β版開始
グローバル展開 中東・ラテンアメリカの通信キャリアとプリインストール交渉。 交渉中(Bloomberg 報道)。 (Huawei's Google-Free Phones Are Making Real Progress)

5 競合 OS との比較ポイント

  1. Google 依存ゼロ:米国制裁で失った GMS を代替する HMS をさらに強化。
  2. マイクロカーネル安全設計:特権領域を分離し、権限最小化を徹底。
  3. 分散スケジューリング:近接デバイスの CPU/GPU・センサーを“シェア”できる独自フレームワーク。
  4. 課題

6 戦略的インプリケーション

  • テクノロジー主権の確立:制裁下でもスマホ事業を継続できる“国産” OS、と中国政府が後押し。
  • サプライチェーン再編:SMIC 製 7 nm SoC(Kirin 9000S 系)と組み合わされ、完全中国製エコシステムを志向。
  • グローバル拡大の鍵
    • アプリ不足 の解消 → 海外開発者への経済インセンティブ。
    • 規制・政治リスク → 欧米市場では依然として販売網が限定的。

7 今後の注目点

時期 (予定) イベント 期待内容
2025/05/19 HarmonyOS ノート PC 発表 デスクトップ UI/x86 アプリ互換性の実装状況
2025 Q3 HarmonyOS Next 2nd wave アップデート 車載・IoT デバイス向け機能統合
2025 Q4 アプリ 10 万本目標達成可否 HMS 収益モデルの拡充

まとめ

  • HarmonyOS は Android 依存を完全に脱した「Next」世代を核に、スマホからノート PC・車載・IoT まで中国発の統合プラットフォームを築きつつあります。
  • 中国国内では早くも iOS を押しのけて第 2 位に浮上しましたが、海外展開の鍵はネイティブアプリの量・質政治的リスクの制御にあります。
  • 今月発表予定のノート PC と年末のアプリ基盤拡充が、その成否を占う試金石になるでしょう。

所感

  • レアメタル等資源と貿易に依存するハードウェア、ドライバ、その総括を行うOSを海外に依存している状況は本来リスクが高い。
  • 国産のOS、サービスはそういった地政学、貿易リスクの軽減につながるものと思うが、開発、運用には原資と人材、期間を要する。
  • 案外この辺の垣根をこえるプロトコルとして、MCPが台頭してくる可能性もあるのではないだろうか。
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